
こんにちは!
中国輸入代行「誠」のパンダの社長こと酒井(@makoto1688)です^^
このような疑問にお答えします。
▼中国からの船便利用に関するtweet▼
船便を利用するなら、物量が2CBM以上あることが条件ですよ。1㎥(=縦1m×横1m×高さ1m)が1CBMです。150サイズの段ボールであれば、0.12CBM(= 0.6m×0.5m×0.4m)です。150サイズ段ボールで20箱くらいになったら船便も検討してみるとよいかもしれません。当社は100kgからokです
— パンダの社長(酒井隆太)@中国輸入代行「誠」 (@makoto1688) December 22, 2021
この記事は、長年、貿易仲介業を営むパンダ社長が書いています。
それでは見ていきましょう。
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中国からの船便輸送に適した商品とは?
中国輸入クイズ
【第67問】中国から輸入する際、物流コストを最も抑えられる方法は次のうちどれですか?(2024/11/9出題)
— パンダの社長(酒井隆太)@中国輸入代行-誠 (@makoto1688) November 9, 2024
船便輸送は、コストパフォーマンスが高く、大量の商品を安価で輸送できるため、特定の商品に特に適しています。
はじめに、船便が最も効果的に使われる商品について詳しく解説します。
詳しくみていきましょう。
大型・重量物の輸送
船便は、航空便と比べて重量やサイズに関して制限が少ないため、大型や重量物を輸送する際に最適です。
たとえば、家具、大型機械、建築資材、工業用製品などが挙げられます。
航空便ではコストが大幅にかかる場合でも、船便を利用することで、輸送コストを大幅に削減することが可能です。
特に、重量がある商品やサイズが大きい場合は、船便が最も効率的な輸送手段です。
納期に余裕のある商品
船便の輸送時間は、国際航空便と比較してはるかに長くなる傾向があります。
たとえば、中国から日本への船便は、通常2週間から1カ月ほどの期間を要することが一般的です。
そのため、納期に余裕があり、緊急性の低い商品が船便輸送に向いています。
季節商品、展示会で使用するアイテム、長期在庫を見越して発注する商品など、輸送時間を気にしないケースに適しています。
低コストで大量に輸送する商品
船便の最大のメリットは、コストを抑えられることです。
特に低価格帯の商品や、大量に仕入れる必要がある商品を輸送する場合に有効です。
たとえば、アパレル製品、雑貨、日用品など、利益率がそれほど高くない商品を大量に仕入れる場合、航空便だとコストが利益を圧迫してしまいますが、船便を利用することで利益を確保しやすくなります。
壊れにくい商品
船便は、積み替えや輸送中の振動などが発生する可能性があるため、衝撃に弱い商品は航空便の方が安全です。
しかし、耐久性のある商品や壊れにくい商品であれば、船便が非常に適しています。
工業部品や原材料、金属製品、プラスチック製品などがその例です。
シーズン商品や長期保管可能な商品
シーズンごとに需要が高まる商品や、長期間保管しても品質が劣化しない商品も、船便輸送に適しています。
たとえば、クリスマス用品やハロウィングッズなどのシーズン商品は、輸送コストを抑えてまとめて輸送することで、販売時期に向けたコスト管理がしやすくなります。
船便には複数の配送方法がある
船便には、主に3つの配送方法があります。
それぞれ特徴が異なるため、予算や輸送量などに応じて使い分けるとよいでしょう。
詳しくみていきましょう。
混載便(LCL輸送)
混載便の別名にある「LCL」は、Less than Container Loadの略で「コンテナ1つ分に満たない」という意味です。
他の荷主の荷物と1つのコンテナをシェアし輸送する方法が混載便です。
コンテナが満タンになると発送されるため、いつ発送されるかは分かりません。
中国から日本向けの場合、商品が届くまでの目安としては、1ヵ月前後をみておくとよいでしょう。
混載便には速達輸送もある
速達便は、発送スケジュールが決まっています。
コンテナが満タンになることを待たずに発送されるため、納期を読みやすいでしょう。
実際、通常の混載便(ノーマル便)よりも早く到着する場合が多くみられます。
納期の目安は10日前後です。
コンテナ輸送(FCL便)
コンテナ輸送の別名にある「FCL」は、Full Container Loadの略で「コンテナ丸々1つ分」という意味です。
コンテナ1つを自社で貸切って商品を輸送する手段がコンテナ輸送です。
コンテナ便にはサイズが「20ft」と「40ft」の2種類あります。
- 「20ft」:長さ6m×幅2.5m×高さ2.5mで、約27㎥
- 「40ft」:「20ft」の2倍の容積。
高速船便(フェリー便)
高速船便は、定期航路を定時に輸送するサービスです。
輸送費がかかる航空輸送と、一定の輸送量がなければ利用できないコンテナ輸送のデメリットをカバーできます。
2023年10月時点では、大阪港・神戸港と上海港を結ぶ「XIN JIAN ZHEN(真鍳真)」や太倉港(上海エリア)と下関港を結ぶ「関港汽船(蘇州下関下関フェリー)」などがあります。
船便の各輸送方法にかかる費用
各輸送方法の大きな違いとして、費用面が挙げられます。
商品の仕入れ価格を安く抑えられる点が魅力の中国輸入ビジネスにおいて、輸送費用もお得な手段を選びたいものです。
ここでは、各輸送方法にかかる費用をご紹介します。
詳しくみていきましょう。
混載便にかかる費用
混載便の場合、1㎥単位で価格設定されています。
ノーマル便では、1㎥あたり1000元〜1200元が相場です。
1元=約20円とすると、10㎥あたりではおよそ20万円ほどです。
速達便では、1㎥あたり1500元〜2000元が相場です。
10㎥あたりでは35万円ほどです。
コンテナ便にかかる費用
コンテナ便の料金形態は少し複雑です。
しかし、輸送料をもっとも低く抑えられる輸送方法です。
コンテナ便の費用は、以下の費用を合算し算出されます。
- 積み込み費用(荷物の積み込みにかかる費用)
- コンテナ配送料(コンテナの配送にかかる費用)
- コンテナ横持ち料(コンテナの荷下ろし作業にかかる費用)
- 積み下ろし費用(積み下ろしにかかる費用)
- 日本国内送料(日本通関後に指定配送先まで配送する際にかかる国内送料)
20ftのコンテナ便を利用した際にかかる送料の目安は以下のとおりです。
- 積み込み費用:5000元
- コンテナ配送料:5880元
- コンテナ横持ち料:100元
- 積み下ろし費用:50,000円
- 日本国内送料:60,000円
日本円換算で、20万〜30万円前後です。
40ftの料金は20ftの約1.8倍で、40〜50万円前後が目安です。
フェリー便にかかる費用
フェリー便にかかる費用は、物流サービスを行っている企業によって異なります。
ホームページに費用が掲載されている企業もあれば、問い合わせが必要な企業もあります。
基本的には、コンテナ便より割高で航空便より割安の価格設定であることが一般的です。
中国から日本までのリードタイム
船便は輸送方法によって、かかる日数が大きく異なります。
中国輸入ビジネスをする際には、納期に合わせた輸送方法を選ぶこともポイントです。
詳しくみていきましょう。
混載便にかかる日数
混載便は、前述したように1つのコンテナの面積を他の人とシェアする方法です。
コンテナがいっぱいになるまで出港しないため、到着までの日数は一定ではありません。
目安として、1ヶ月程度は覚悟しておきましょう。
速達輸送を利用した場合でも、2~3週間はかかります。
急いで手に入れたい商品には不向きです。
混載便の利用を予定している場合は商品販売ページに、商品が購入者の手に到着するまである程度かかることを明記しておいた方がよいでしょう。
コンテナ便にかかる日数
コンテナ便の場合、かかる日数の目安は10~15日間です。
1つのコンテナごと貸切る形式のため、かかる日数にそれほどばらつきが出ない点もコンテナ便のメリットの1つです。
ただし、気を付けるべき点として、中国のカレンダーがあります。
中国の祝日は当然日本とは異なり、祝日を挟むとその分だけ余計に日数がかかる恐れがあります。
特に日本の旧正月にあたる春節の時期には配送業者も休暇を取るため、普段より到着が後ろにずれ込みます。
フェリー便にかかる日数
フェリー便は定期的に航行している旅客便を利用して貨物を運ぶ形式です。
輸送にかかる時間は48時間程度、そのあと通関での手続きに1~2日かかります。
つまり長く見ても、4~5日で商品を手にできる計算になります。
フェリー便は、一般的に船便の中では最も費用が掛かりますが、かかる日数はそれだけ早く、できるだけ商品を早く届けたい場合はフェリー便の利用がおすすめです。
航空便と船便ならどちらを選んだほうがよい?
結論から言えば、航空便にも船便にもそれぞれメリットとデメリットがあります。
そのため、用途や目的によって使い分けるのが望ましいです。
船便のメリット・デメリットはそれぞれこの後の章で詳しく述べます。
ここでは航空便を利用すべきケースと利用すべきではない、もしくは利用できないケースについて解説します。
購入商品が少量であったり、テスト品やサンプルを送ってもらったりといった場合は、航空便を利用しましょう。
- 急いで商品を手に入れる必要があるケース
- 少量を輸送するケース
次に、航空便を使うべきではないケースです。
船便を利用することで国際送料を抑えられます。
- 大量の商品を輸送するケース
- 納期に余裕があるケース
- 重い商品を輸送するケース
- リチウムイオン電池が内蔵された商品、磁石を使った商品、液体の商品などを輸送するケース
船便の各輸送方法のメリット
航空便と比べて船便のメリットは、なんといっても費用を抑えられる点です。
さらに船便の種類によっても、それぞれメリット・デメリットがあります。
ここからは、各船便のメリット・デメリットについて解説します。
最も目的に合った輸送手段を選ぶ一助としてください。
詳しくみていきましょう。
混載便のメリット
混載便のメリットは、自分が輸送したい貨物量に気を配る必要がない点です。
輸送する荷物の体積と重量をある程度把握する必要がありますが、混載便の場合はその必要がありません。
また、輸送にかかる金額は貨物の容積か重量で決まるため、予想より割高になるなどの危険はありません。
さらに混載便は、ドレージやデバン手配の必要がありません。
ドレージとは船から降ろされたコンテナをコンテナのまま陸上輸送することであり、デバンとはコンテナから荷物を取り出して仕分けをする作業のことです。
コンテナの中に自分が購入した商品が入っているのだから、結局ドレージやデバンが必要になるのでは?と思われる方がいるかもしれません。
しかし、混載便はあくまでも自分が頼んだ「貨物」を目的地まで輸送してもらう契約です。
つまりドレージやデバンも輸送作業の一部とみなされるため、その手配を輸送依頼者がする必要がないのです。
ただし、デバンにかかる料金は、CFSチャージという別の形で請求されます。
CFSチャージについては、混載便のデメリットの項目を参照してください。
コンテナ輸送のメリット
コンテナ輸送の最も大きなメリットは、容積や重量に対して最も輸送料金を抑えられる可能性がある点です。
その他にも、コンテナ輸送はコンテナを丸ごと借り上げる形式であるため、コンテナの中身を輸送依頼者がすべて把握できます。
そのため、「この荷物はあの荷物が入った箱と一緒にすると商品にダメージがあるかもしれないから、別のコンテナに入れる」などの判断が可能です。
ガラス製品や精密機械など、特に外部からのダメージを避けたい商品を輸送する際はコンテナ輸送を検討すべきでしょう。
また混載便に比べ、輸送期間が短く到着時期の予想が立てやすい点もコンテナ輸送のメリットと言えるでしょう。
フェリー便のメリット
フェリー便の最大のメリットは、なんといっても輸送にかかる期間の短さです。
場合によっては、航空便にほぼ遜色ない早さで商品を手にできます。
フェリー便が時間がかからない要因は、定期的に運行されている船を利用できることに加え、貨物輸送にコンテナを利用せずトレーラーで船に積むなどの手段で、時間が短縮できる点も挙げられます。
さらに定期的に運航しているため、到着時期がほぼ正確にわかる点も見逃せないメリットです。
船便の各輸送方法のデメリット
ここからは、各船便のデメリットを解説します。
それぞれのデメリットはメリットの裏返しともいえるため、どんな時にもベストといえる選択肢はありません。
それぞれの特徴を把握し、商品・目的に合った輸送手段を選びましょう。
詳しくみていきましょう。
混載便のデメリット
船便と航空便を比較した際の最大のデメリットは商品到着まで時間がかかる点ですが、船便の中でも混載便は最も時間がかかる可能性が高い手段です。
その他にも1つのコンテナを複数で共有するため、購入した商品が他にどのような貨物とコンテナに積まれるかはコントロールできません。
結果として、商品にダメージを受けるリスクがあります。
また、混載便にはCFSチャージがかかります。
CFS(Container Freight Station)とは港のコンテナターミナル近くに設置された施設のことで、CFSでコンテナに貨物を詰めたり出したりなどの作業が行われます。
この作業にかかる料金が、CFSチャージです。
輸送費だけに注目して混載便を選択したら、CFSチャージが想像以上にかかった、というケースもあります。
CFSチャージについても確認を怠らないようにしましょう。
コンテナ輸送のデメリット
コンテナ輸送は、1つのコンテナをまるまる借り上げる形式です。
そのため、コンテナを埋めるだけの貨物量が無ければかえって割高になる場合があります。
また、混載便が「貨物」を目的地まで輸送してもらう契約であるのに対し、コンテナ輸送は「コンテナ」を目的地まで輸送してもらう契約です。
つまり、コンテナの陸上輸送費であるドレージやデバンの手配と、その料金の支払いが必要になります
なお、ドレージの費用はコンテナの大きさに比例しません。
この面からもコンテナ輸送を利用する際は、できるだけ大量の貨物を大きなコンテナに積むのがおすすめです。
フェリー便のデメリット
フェリー便のデメリットは、混載便やコンテナ輸送に比べると費用が掛かる点です。
また、フェリー便は港までの輸送契約のため、日本での通関手続きと顧客までの配送手段の用意は自分で行う必要があります。
これらの手続きがよくわからない、あるいは面倒という方は輸入代行業者を利用するのがおすすめです。
船便の最低容積について
船便の利用には、輸送を依頼する貨物の物量が2CBM以上あることが条件です。
1CBMとは、1立方メートルのことです。
いわゆる150サイズ、つまり縦横高さの三辺の合計が140 cm以上150 cm未満のダンボールで、20箱を超える量を輸送したい場合は船便を検討するとよいでしょう。
中国輸入で船便を使うときに必要な書類
中国から商品を船便で輸入する際に必要な書類は、主に以下の4つです。
書類を作成したことがない、あるいは手続きが面倒という方は中国輸入代行業者に丸投げしてしまいましょう。
書類の名称 | 書類の目的 | 主な記載事項 |
インボイス | 輸出者から輸入者への請求書 | 輸出者の情報、輸入者の情報、インボイスナンバー、作成日付、支払い条件、船積港、仕向港、商品の詳細(商品名、数量、単価、総仕入れ値)など |
パッキングリスト | 貨物の梱包状態を記載 | 輸出者の情報、輸入者の情報、インボイスナンバー、作成日付、船積港、仕向港、商品の詳細(商品名、数量)など |
船積依頼書 | 通関業者が船荷証券を作成するために必要 | 輸出者の情報、輸入者の情報、インボイスナンバー、作成日付、着荷通知先、船積港、仕向港、船会社など |
通関委任状 | 通関業者に通関を依頼する初回のみ必要 | 輸入者の情報、印鑑な> |
中国輸入でよくある貿易条件とは
貿易条件とは商習慣が異なる国同士で貿易を行う際に、トラブルが起きるのを防止するために国際的に定められたルールのことです。
中国から商品を輸入する際に関わる貿易条件は、FOB・CFR・CIFの3つです。
それぞれの内容については、以下の記事を参照してください。
まとめ
船便利用は、輸送コストを抑えるにはとても有効な手段です。
一方で、輸入する商品に合わせて船便の種類を選んだり、利用には最低物量以上の貨物である必要があったり、提出が必要な書類があったりと面倒な部分があるのも事実です。
面倒な業務は、代行業者に任せるのもひとつの方法かもしれませんね。
ご質問、いつも歓迎です!
本日もお読みいただき、誠にありがとうございました^^