こんにちは!
中国輸入代行「誠」のパンダ社長こと酒井(@makoto1688)です^^
このような疑問にお答えします。
▼CBMに関するtweet▼
船便なら、2CBMの物量を求められることが多いですよ。2CBMとは約400kgです。400kgとは、150サイズ段ボールで約17箱です。事実、船便はエア便に比べ安価ですが、最低重量があることは見落としがちかもしれませんね。ちなみに、「誠」は100kg~対応可です
— パンダの社長(酒井隆太)@中国輸入代行「誠」 (@makoto1688) May 4, 2022
この記事は、長年、中国との貿易仲介業を営むパンダ社長が書いています。
それでは見ていきましょう。
(タップできる)もくじ
CBM(シービーエム)の定義
「CBM」とは、Cubic Meter(=㎥)の略称で、容積を表す単位です。
定義は、1㎥(=縦1m×横1m×高さ1m)を1CBM(=1立方メートル)としています。
そのことから、3M(スリーエム)と呼ばれることもあります。
一般的に、貨物輸送業界で使用される単位で、船便の運賃は「1CBMあたり〇ドル(または〇元)」といった具合に使用します。
日常生活ですと、たとえば小包を国内で発送する場合、「g」(グラム)や「kg」(キログラム)を使用しますが、貨物輸送業界や物量が多い取引ではCBM(シービーエム)を使用します。
補足:予防保全のCBMと間違えないように気を付けよう
CBMと検索して出てくる内容として、予防保全に関するCBMがあります。
このCBMはCondition Based Maintenanceの略語で、状態基準保全という意味です。
設備の状態をさまざまなセンサーやシステムで把握、以降の変化を予知し、必要に応じてメンテナンスをするという手法を指します。
次世代の予防保全方法として注目される概念ですが、貨物輸送のCBMとは意味が異なるため、混同しないようにしましょう。
CBMをkgへ換算する計算方法
CBMはkgへ換算することができます。
ここでは、例を用いて、CBMをkgへ換算してみます。
以下、仮に「1CBM=1,000元」だった場合の例です。
次の手順でキロ単価を算出します。
詳しくみていきましょう。
CBMを㎤へ換算する
1CBM = 100cm × 100cm × 100cm =1000000㎤
容積重量へ換算する
船便の容積重量指数は、一般的な値5000kg/㎤を採用します。
すると容積重量は、 200kg(= 1000000㎤ ÷ 5000kg/㎤)となります。
つまり、1CBMとは200kgということになります。
200kgで1,000元ということになりますから、1kgあたり5元と同等ということがわかります。
運送モードごとのCBMの使い方と注意点
CBM(立方メートル)は、輸送業界における容積単位であり、運送モードごとにその使われ方や計算の仕方が異なります。
特に海上輸送や航空輸送では、CBMが料金に直接影響を与えるため、適切に理解しておくことが重要です。
ここでは、運送モード別にCBMの使い方と注意点について詳しく説明します。
詳しくみていきましょう。
海上輸送におけるCBMの使い方
海上輸送では、貨物の体積を基に運賃が計算されるため、CBMが重要な指標となります。
特にLCL(Less than Container Load)の場合、1CBM未満の貨物でも1CBMとして扱われることが多く、小さな貨物でも高い運賃がかかることがあります。
また、貨物に使用するパレットや梱包材もCBMに含めて計算されるため、費用がかさむ場合があるため注意が必要です。
なお、海上輸送では、CBMの計算精度が求められ、通常は小数点以下2桁や3桁までの精度が必要です。
船会社によっては端数処理の方法が異なるため、事前に確認しておくとトラブルを避けられます。
航空輸送におけるCBMの使い方
航空輸送では、貨物の実重量と容積重量のどちらか大きい方で料金が計算されます。
そのため、軽量でかさばる貨物の場合、CBMが大きくなると容積重量が実重量を超えるため、運賃が高くなることがあります。
たとえば、非常に軽い商品でも大きな箱に梱包されている場合、CBMが大きくなり、それに応じて輸送コストが上昇します。
なお、航空輸送では、1CBMあたりの重量を6,000kgとするケースが一般的です。
容積が大きく、重量が軽い場合でも高い運賃が発生する可能性があるため、梱包時には容積と重量のバランスに注意することがコスト削減につながります。
鉄道およびトラック輸送におけるCBMの使い方
鉄道やトラック輸送では、貨物の容積だけでなく、スペースの効率も重要な要素となります。
特にトラック輸送では、積載スペースの効率化が求められるため、CBMが輸送コストに影響を与えることがあります。
効率的に積み込むために、フォークリフトで積み降ろしが可能なパレットに貨物をまとめることが推奨されます。
なお、混載貨物の場合、他の貨物と一緒に輸送されるため、貨物の配置や梱包の工夫によってコストを抑えることが可能です。
事前に積載プランを立て、最適な輸送方法を選ぶことで無駄なコストを防ぐことができます。
基本:150サイズをCBM(シービーエム)へ換算する方法
次に、150サイズダンボールをCBMへ換算してみましょう。
たとえば、150サイズ(60cm×50cm×40cm)のダンボールが1箱あったとします。
1CBMとは1㎥のことでしたから、cm(センチメートル)をm(メートル)へ換算することでCBMへ換算することができます。
つまり、0.12CBM(= 0.6m×0.5m×0.4m)ということになります。
ちなみに、船会社によりますが、小数第2位または第3位を四捨五入します。
また、最低卸容積は、どんなに少なくとも2CBM~(=約400kg)です。
応用:パレットも含めた計算方法
輸送コストを正確に計算するためには、貨物自体の体積(CBM)だけでなく、パレットや梱包材なども含めた応用計算が重要です。
特に海上輸送や航空輸送では、貨物がどのように梱包されているかによってCBMが大きく影響を受けるため、パレットの寸法を含めた計算を行うことで、実際の輸送コストをより正確に見積もることができます。
詳しくみていきましょう。
パレットの寸法を考慮したCBM計算
パレットを含めたCBMの計算は、通常の貨物の計算と同様に、縦×横×高さの体積を求めます。
たとえば、貨物自体の寸法が50cm×40cm×30cmであれば、これをメートルに変換し、0.5m×0.4m×0.3m = 0.06CBMになります。
しかし、パレットを使用する場合、その寸法も加味する必要があります。
たとえば、120cm×100cm×15cmの標準パレットを使用した場合、これをCBMに換算すると、1.2m×1.0m×0.15m = 0.18CBMとなります。
このように、パレット自体の体積を貨物のCBMに加算することで、最終的な容積を求めることができます。
上記の貨物がパレットに乗せられている場合、貨物のCBM 0.06 + パレットのCBM 0.18 = 0.24CBMとなります。
複数のパレットを使用する場合の計算方法
貨物が多い場合、複数のパレットを使用して梱包することが一般的です。
この場合、各パレットのCBMをそれぞれ計算し、全体のCBMを合計します。
たとえば、3つのパレットに同じサイズの貨物を載せた場合、それぞれのCBMを計算し、全体のCBMを求める必要があります。
仮に1つのパレットあたりのCBMが0.24CBMであれば、3つのパレットでは0.24CBM × 3 = 0.72CBMとなります。
パレットの高さに注意
パレットに積載する貨物の高さも重要な要素です。
貨物自体の高さが低くても、パレットの高さが加算されるため、全体のCBMが想定以上に大きくなることがあります。
特に、パレットに複数の箱を積み重ねる場合は、全体の高さに注意が必要です。
たとえば、貨物が30cmの高さでも、パレットの高さが15cmであれば、全体の高さは45cmとなり、これを考慮してCBMを計算する必要があります。
パレットの種類による影響
使用するパレットの種類によっても、CBMは異なります。
標準的な120cm×100cmの木製パレット以外にも、軽量のプラスチックパレットや、さらにコンパクトなサイズのパレットもあります。
これらを使い分けることで、輸送コストに影響を与える可能性があります。
たとえば、軽量パレットを使用することで、輸送費用を抑えることができる場合もありますが、パレットの耐久性や積載量にも注意を払う必要があります。
パレットの重量にも注意
CBM計算に加えて、パレット自体の重量も重要です。
特に航空輸送では、貨物の重量が輸送コストに大きく影響するため、パレットの重量も考慮する必要があります。
木製パレットは比較的重いため、軽量のパレットを使用することでコスト削減することができます。
補足:球形の輸送コストは割高になります
球形や形がいびつな荷物は、輸送コストが割高になります。
なぜなら、運送は箱型が最も効率よく運べるためです。
海上輸送でも陸上輸送でも、安全に荷物を輸送するには荷物を荷台へ固定する必要があります。
固定しやすい形は直方体や立方体です。
そのため、物流業界では縦×横×高さの箱型の寸法を計測することで、容積を算出します。
つまり、球形の商品の場合、球の容積4/3πr^{3}(3分の4×円周率π×半径rの3乗)ではなく、球形の商品を梱包した箱型の箱の容積(または箱詰めした状態での実重量)が採用されることになります。
仮に、球形の商品がギリギリ入る箱へ梱包すると、容積は8r^{3}(=縦2r×横2r×高さ2r)になります。
πを簡単のため3とすると、球形の容積は4r^{3}となります。
つまり、梱包することで容積が2倍になる(=運賃も2倍になる!)ことがわかります。
CBMが使われる理由
貿易業界において、CBMは頻繁に使用されるため、定義や計算方法はきちんと理解しておくことがおすすめです。
しかし、なぜわざわざCBMという聞きなじみのない単位が使用されるのでしょうか。
ここでは、なぜCBMが使われているのかを解説します。
詳しくみていきましょう。
大量の物資を輸送するため
輸出入される荷物はさまざまな荷主のものをまとめて輸送するため、一度に大量の物資が輸送されます。
輸送する商品次第ではありますが、あまりに細長かったり特殊な形の商品の場合以外は、多くがダンボールや木箱などに箱詰めされた後、コンテナへ搭載されて運ばれます。
容積や重量を計算しやすい形、つまり箱の形に詰めた状態(=CBM)にした上で、送料を計算されるようになったのですね。
重さだけを基準とするとスペースを圧迫するため
全ての荷物の輸送費を、重さ(kg)だけで決めると、軽い荷物のほうが安く運べます。
しかし、重量が軽くても、容量の大きい荷物があると、船や飛行機の荷物を積載するスペースが圧迫されてしまいます。
綿や羽毛、発泡スチロール、いびつな形の商品などがその一例です。
このような場合、一度に少しでも多くの荷物を運びたい運送会社からすれば、輸送効率が悪くなってしまうため、極力避けたいのです。
そのため、重さだけでなく容積も基準にして、公平な輸送費を設定しています。
R/Tとはどのように使い分けられる?
CBMが「荷物の容積」を意味することは、前述の説明のとおりです。
一方、R/T(レベニュートン:Revenue Ton)は、重量(kg)と容積(CBM)いずれか大きい方の重さを採用し、輸送費の適用重量とする単位です。
C/W(チャージャブル・ウエイト:Chargeable Weight)と呼ばれることもあります。
重量と容積の換算基準は、輸送手段によって異なります。
- 船:1CBM =1ton(1000kg)
- 飛行機:6000㎤=kg
- トラック:1CBM=280kg
この基準を元に算出した重量または容積を、船社やトラック会社の運賃表と照らし合わせて、輸送費を計算します。
才数とは?国内で使われるよく似た単語を解説
才(さい)または才数(さいすう)は、日本古来の計算単位「尺貫法」で用いられる、容積の単位です。
日本国内でのトラックや船荷などの物流業界でよく用いられています。
1尺は30.3cmです。1辺が1尺の立方体を1才と表します。
1才をCBMに換算すると、約0.0278CBMです。
反対に、1CBMは約35才で、重量に換算すると約280kgです。
才数は重量に換算もできます。
その場合、1才は約8kgです。
ただし、各物流業者で異なる基準を設定していることがあるため、事前に確認しましょう。
結論:CBM(シービーエム)は容積の単位!
- 「CBM」とは、Cubic Meter(=㎥)の略称で、容積を表す単位
- CBM(シービーエム)をkgへ換算する手順
①CBMを㎤へ換算する
②容積重量へ換算する
ご質問、いつも歓迎です!
本日もお読みいただき、ありがとうございました^^