
こんにちは!
中国輸入代行「誠」のパンダの社長こと酒井(@makoto1688)です^^
この記事では、ずばりこの疑問にお答えします。
▼食品衛生法に関するtweet▼
食品衛生法は、販売目的で輸入する食品等に対し適用されますよ。自身で食したり、親戚に送るなどの個人使用目的の場合は、届出書は不要です。ちなみに、食品等には、食器や調理器具、乳幼児おもちゃも含まれます。たまたま通関できているだけで、本当は書類が必要だったケースもあるかもしれませんよ
— パンダの社長(酒井隆太)@中国輸入代行「誠」 (@makoto1688) February 7, 2022
この記事は、長年、中国輸入代行を営むパンダ社長が書いています。
それでは見ていきましょう。
(タップできる)もくじ
はじめに:食品衛生法とは?
食品を輸入するときには、日本の法律である「食品衛生法」が関わってきます。
これは、私たち消費者が安心して食べられるように、食品やその容器・包装について安全性を確保するためのルールです。
特に、輸入する食品や食品に接触するものは、この法律の規制を受けることがあります。
出典:厚生労働省 > 食品衛生法に基づく輸入手続
詳しくみていきましょう。
食品等輸入届出とは?
食品やその容器を外国から輸入するときには、厚生労働省に「食品等輸入届出」を出さなければなりません。
これは、輸入品が日本の基準に合っているかを確認するための手続きです。
申請は税関に提出する書類とあわせておこなうのが一般的です。
もし届出をしなければ、輸入した商品は通関できず、販売もできません。
食器や玩具は届出が必要?
「食品等輸入届出」と聞くと、食品そのものだけが対象と思う人が多いですが、実はそうではありません。
食品と直接触れる食器や容器、赤ちゃんが口に入れる可能性のある玩具も対象に含まれる場合があります。
ただし、すべてが必ず届出対象というわけではなく、材質や使用目的によって扱いが変わります。
手続きの流れについて
届出をする場合は、まず輸入予定の商品について必要な資料(成分や製造工程の情報など)を揃えます。
そのうえで「食品等輸入届出書」を作成し、通関前に提出します。
内容に問題がなければ「届出済証」が発行され、その後に輸入が可能となります。
慣れないうちは専門の代行業者に依頼するのも安心です。

初心者が注意すべきポイント
はじめて中国から輸入する人がつまずきやすいのは、「どの品目に届出が必要か」という点です。
食品や飲料はもちろん対象ですが、食器や調理器具、子ども用のおしゃぶりなども確認が必要です。
一方で、文房具やぬいぐるみなど口に触れない一般的な玩具は対象外になることもあります。
事前に厚生労働省の情報をチェックすることが大切です。
食品等輸入届出の提出が必要な品目
食品衛生法という名前から、食品が対象であることはわかります。
一方で、食品衛生法に関する厚生労働省のサイトには、「食品等」という表現をしてあります。
「食品等」を輸入する際、次の品目が食品衛生法の対象です。
- 食品
- 食品添加物
- 器具
- 容器包装
- 乳幼児用のおもちゃ
参考:厚生労働省 > 政策について > 分野別の政策一覧 > 健康・医療 > 食品 > 輸入食品監視業務 > 輸入手続
食品や食品添加物は、所謂、口に入れる食品です。
以下、「器具」「容器包装」「乳幼児用のおもちゃ」について、もう少し触れておきます。
詳しくみていきましょう。
器具
「器具」の定義は、食品品衛生法第4条第4項に明示されています。
この法律で器具とは、飲食器、割ぽう具その他食品又は添加物の採取、製造、加工、調理、貯蔵、運搬、陳列、授受又は摂取の用に供され、かつ、食品又は添加物に直接接触する機械、器具その他の物をいう。ただし、農業及び水産業における食品の採取の用に供される機械、器具その他の物は、これを含まない。
ポイントは、「食品に直接接触する」という部分です。
飲食器の例
- はし
- スプーン
- フォーク
- ストロー
- 水筒
割ぽう具の例
- まな板
- 包丁
- フライパン
- 鍋
- お玉
- ボウル
容器包装
「容器包装」の定義は、食品品衛生法第4条第5項に明示されています。
この法律で容器包装とは、食品又は添加物を入れ、又は包んでいる物で、食品又は添加物を授受する場合そのままで引き渡すものをいう。
「容器包装」の材質については、食品品衛生法第18条第3項に明示されています。
器具又は容器包装には、成分の食品への溶出又は浸出による公衆衛生に与える影響を考慮して政令で定める材質の原材料であつて、これに含まれる物質(その物質が化学的に変化して生成した物質を除く。)について、当該原材料を使用して製造される器具若しくは容器包装に含有されることが許容される量又は当該原材料を使用して製造される器具若しくは容器包装から溶出し、若しくは浸出して食品に混和することが許容される量が第一項の規格に定められていないものは、使用してはならない。ただし、当該物質が人の健康を損なうおそれのない量として厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて定める量を超えて溶出し、又は浸出して食品に混和するおそれがないように器具又は容器包装が加工されている場合(当該物質が器具又は容器包装の食品に接触する部分に使用される場合を除く。)については、この限りでない。
「容器包装」のパッケージ表示については、食品品衛生法第20条に明示されています。
第二十条 食品、添加物、器具又は容器包装に関しては、公衆衛生に危害を及ぼすおそれがある虚偽の又は誇大な表示又は広告をしてはならない。
乳幼児用のおもちゃ
乳幼児用のおもちゃは、乳幼児がおもちゃを口に入れたりなめたりことを想定しています。
ですから、おもちゃの材質や塗料に対し申告が必要になります。
ちなみに、児童福祉法では、乳児とは生後0日から満1歳未満までの子をいい、幼児とは満1歳から小学校就学までの子供のことを指します。
乳幼児用のおもちゃの例
- 対象年齢が6歳までのおもちゃ
- アクセサリー玩具(乳幼児がアクセサリーとして用いる玩具をいう)
- うつし絵
- 起き上がり
- おめん
- 折り紙
- がらがら
- 知育玩具(口に接触する可能性があるもの)
- つみき
- 電話玩具
- 動物玩具
- 人形
- 粘土
- 乗物玩具
- 風船
- ブロック玩具
- ボール
- ままごと用具
食品等輸入届出手続きの手順
それでは、食品等の輸入手続きの方法について見ていきましょう。
大きく4つのステップです。
No | ステップ | 補足 |
1 | 必要書類を準備をする |
|
2 | 輸入した(もしくは輸入予定の)貨物を通関する管轄の検疫所窓口へ届出を行う | 厚生労働省の食品等輸入届出受付窓口一覧 |
3 | 検疫所にて、検査の要否を判断する | 食品衛生法に規定の基準に適合しているか等 |
4 | 検査が不要又は検査の結果問題ないと判断された貨物は、食品等輸入届出済証が交付される | 食品等輸入届出済証が交付されなかった場合、輸入者が廃棄または中国へ積戻しする |
なお、中国から食品等を輸入する場合、代行業者がすべて書類を手配してくれるわけではありません。
原則、「食品等輸入届出書」や「その他の関係書類」は、貴店が日本側で手配します。
また、食品等の輸入手続の手順は、東京検疫所食品監視課のサイトが詳しいです。
参考として、リンクを貼っておきますね。
食品等輸入手続きの方法がわかりやすいサイト
- 東京検疫所食品監視課
- ホームぺージ
- 問い合せ先:03-3599-1520
- 所在地:〒135-0064 東京都江東区青海2-7-11 東京港湾合同庁舎8階
そもそも届出が必要な製品なのかやどのような資料が必要かは、上述の厚生労働省の食品等輸入届出受付窓口または東京検疫所食品監視課へ尋ねることで教えてもらえます。
食品等輸入届出と成績書を準備する手順
食品衛生法に基づき届出が必要な品目であっても、個人使用(=販売目的でない)の場合は、届出や検査は要らないですよ。
ただし、税関は、一度に輸入する数量も見ていますから、担当者の裁量により確認の電話があることもあります#中国輸入#食品衛生法に基づく輸入手続き https://t.co/uULGsoeyLV
— パンダの社長@中国輸入代行「誠」OEM受託と無在庫直送の専門業者 (@makoto1688) July 27, 2023
食品等輸入届出のフォームは、次のURLよりダウンロードできます。
生鮮をはじめ、食器や乳幼児向けおもちゃには、検査機関が発行した試験成績書が必要です。
中国輸入で、タオバオや1688.com、アリエクスプレスなどから調達した製品の場合、製造工場を特定し取得するか第三者機関で検査を行い取得するか、いづれかの方法があります。
前者の場合、製造工場が特定できても、原産地証明や試験成績書を提示いただけるかは工場の判断になります。
また、別途費用を要することもあります。
ここでは、当社「誠」と協力関係にある香港の第三者機関へ検査を依頼した場合の流れを紹介します。
第三者機関への検査依頼の流れ
- ユーザー様より当社へ問合せいただく
- ご要望をお伺いし、当社が検査機関へ問い合わせ、見積もり
- 申請フォームをユーザー様へ送付し、記載いただく
- ユーザー様がサンプルを検査機関へ手配する(もしくは、誠経由で手配する)
- 申請する
検査の種類と費用の目安
食品を輸入する際には、日本の安全基準を満たしているかを確認するために、さまざまな検査が必要になることがあります。
どの検査を受けるかは輸入する食品の種類やリスクによって変わります。
ここでは、代表的な検査とその費用の目安について解説します。
詳しくみていきましょう。
有害物質の検査
輸入食品には、鉛やカドミウムなど人体に有害な重金属が含まれていないか確認する検査があります。
特に食器や調理器具の場合は、この検査が重要です。
検査では、食品に接触したときに有害物質が溶け出さないかをチェックします。
結果が基準値を超えると輸入できません。
費用は商品や検査項目によりますが、おおよそ1~3万円ほどかかります。
微生物検査
肉や乳製品、惣菜などを輸入する場合には、細菌やウイルスの検査が必要です。
サルモネラ菌や大腸菌群など、食中毒の原因になる微生物を調べます。
輸入後に販売する際、安全性を保証するためにも大切な検査です。
検査には数日かかることがあり、費用は数万円程度になることが多いです。
初心者の方は、特に日持ちしない食品では注意が必要です。
衛生証明書取得のための検査
一部の食品は、輸入時に「衛生証明書」が必要になります。
これは輸出国の公的機関が発行する証明書で、日本に輸入する際の条件となることがあります。
証明書を得るために、現地で事前に検査を受けるケースも少なくありません。
この手続きは輸出国ごとに違いがあり、費用も幅があります。
代行業者に任せるとスムーズですが、その分手数料がかかる点も覚えておきましょう。
残留農薬の検査
野菜や果物などを輸入するときには、農薬が残っていないかを調べる必要があります。
日本では厳しい基準が設定されており、それを超えると輸入できません。
検査は専門機関でおこなわれ、対象となる農薬の種類によって検査項目が変わります。
結果が出るまでに1週間程度かかる場合もあります。
費用は数万円単位になるのが一般的です。
検査費用の総合的な目安
輸入する食品の種類によって検査内容は大きく異なります。
シンプルな有害物質検査だけなら1万円前後で済むこともありますが、複数の検査を組み合わせると10万円を超える場合もあります。
輸入数量が少ないとコスト負担が大きくなるため、初心者は注意が必要です。
無駄な検査を避けるためにも、事前に必要な検査を確認することが大切です。
代行業者に相談すれば、どの検査が必要かアドバイスをもらえます。
食品衛生法の罰則規定
食品衛生法の罰則規定は、平成14年に強化されています。
不正を働く人がいて、より抑止を強めたい狙いがあるということなのでしょう。
具体的には、次のとおりです。
罰則 | 違反内容 |
3年以下懲役、300万円以下罰金 (法人1億円以下の罰金) |
|
2年以下懲役、200万円以下罰金 法人1億円以下の罰金 |
|
1年以下懲役、100万円以下罰金 |
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50万円以下罰金 | 臨検検査拒否、虚偽報告等 |
食品等の輸入手続に関する窓口
中国輸入の代行業者の多くが、当社も含め、食品輸出のプロではありません。
なぜなら、食品衛生法は日本の法律であり、代行業者は中国での通関に関するプロだからです。
ご指示いただいた書類の手配はできますし、経験からご質問に対する回答はできますが、やはり下記のような専門でやられている機関や民間企業へご相談なさることをオススメします。
参考:COLD X NETWORK|ケース単位からパレット複数まで、預けたい期間、必要なスペースだけ利用できる冷凍保管サービスを展開
参考:LOGI FLAG|賃貸型冷凍冷蔵倉庫をはじめとする、環境に配慮した冷却設備や自動化設備を導入した先進的な物流施設を提供
まとめ
- 食品衛生法は食品および関連製品の輸入に必要な法律。
- 対象製品は、食品、食器、調理器具、乳幼児用のおもちゃなど幅広い。
- 輸入には「食品等輸入届出書」の提出が必要で、場合によっては追加書類も必要。
- 検査には有害物質、微生物、残留農薬などが含まれ、検査費用が発生。
- 代行業者の利用で手続きは簡略化できるが、業者選びは慎重に。