中国からの動物・植物検疫に関する輸入規制・禁止製品について解説

こんにちは!

中国輸入代行「誠」のパンダの社長こと酒井(@makoto1688)です^^

 

パンダ親子
中国にしか生息していない植物の種の輸入はできますか?

今回は、こちらのご質問にお答えします。

 

動植物の通関に関するtweet

件数は多くはありませんが、ドライフラワーや種の輸入代行を依頼いただくことがあります。中国側での手続きはおこなえますが、輸入者は日本に到着する数日前までに、植物防疫所のwebサイトから届出をダウンロードし提出する必要がありますよ。何でも中国側で段取りできるわけではないのですね。

この記事は、長年、中国との貿易仲介業を営むパンダ社長が書いています。

パンダの社長
動植物の輸出はおこなえますが、必要書類や注意点は把握しておいた方がよいですよ!

 

それでは、見ていきましょう。

 

植物検疫・動物検疫とは?

植物検疫および動物検疫は、国内の生態系や農林畜産業を守るために、海外からの動植物やその製品が持ち込む潜在的なリスクを未然に防ぐ制度です。

植物検疫では、輸入される植物や植物由来製品に潜む病原菌、害虫、外来種などが作物や森林に被害を与えないよう、入国前および入国後に厳密な検査が実施されます。

具体的には、外観検査、サンプル検査、培養検査などを通じて、問題が発見された場合は隔離措置や必要な処分が行われ、被害の拡大防止に努めています。

一方、動物検疫は、家畜、ペット、動物由来製品などに潜む感染症や寄生虫、外来動物種の侵入を防ぐための仕組みです。

動物検疫では、健康診断や検疫証明書の確認、必要に応じた予防接種や隔離措置を実施し、国内の畜産業および公衆衛生の安全確保を目指しています。

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中国輸入で必要な検疫手続きとは?

中国からの動植物を輸入するときも、検疫手続きが必要です。

植物の場合、土壌が付着したものや未処理の木材などは特に規制が厳しく、検疫に合格しない場合は輸入できません。

動物の場合も同様に、特定の品種や病害虫のリスクがある動物製品は制限されています。

 

輸入の際には、輸出国の認可を受けた検疫証明書を用意する必要があり、これは日本の輸入先で確認されます。

さらに、輸入する前に日本の動植物防疫所に届出を行うことが義務付けられており、輸入後には一定期間の隔離措置や検査が行われることもあります。

違反した場合には罰則が科されるため、正しい手続きと最新の輸入規制情報を確認することが重要です。

中国以外の国からの動植物の輸入も同じ考え方ですよ!

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動物検疫・植物検疫の手続きの流れ

中国からの植物や動物製品を輸入する際には、さまざまな規制をクリアしなければなりません。

特に日本では、生態系や農作物、畜産業へのリスクを防ぐために検疫や輸入規制が厳しく設定されています。

違反すると罰金や製品の没収といったリスクがあるため、適切な手続きと申請方法を理解しておくことが重要です。

ここでは、輸入規制をクリアするための具体的な手続きと申請方法について詳しく解説します。

 

 

詳しく見ていきましょう。

 

必要な検疫証明書の取得方法

輸入する植物や動物製品には、輸出国で発行される検疫証明書が必要です。

これは、輸入品が害虫や病原菌のリスクを持たないことを証明するためのものであり、以下の手順で取得します。

現地の検疫機関での検査

中国の輸出国側で、輸入予定の植物や動物製品に対する検査をおこないます。

この検査によって病害虫の有無や感染症のリスクが確認され、問題がなければ検疫証明書が発行されます。

検疫証明書の準備と確認

取得した検疫証明書は日本での検査時に必要となるため、書類に不備がないかをよく確認しましょう。

たとえば、商品名や輸送方法、検査日時などが正確に記載されているかを事前にチェックしておくことが大切です。

 

植物防疫所・動物検疫所への届出手続き

日本に輸入する前に、植物の場合は「植物防疫所」、動物の場合は「動物検疫所」へ事前届出をおこないます。

これにより、輸入品が日本の基準を満たしているかどうかの確認が迅速に行われます。

輸入前の事前届出

輸入品が日本に到着する数日前までに、輸入予定の品目や数量、輸送経路などの詳細を記載した届出書を提出します。

これはオンラインでの申請も可能で、必要な書類は植物防疫所や動物検疫所のウェブサイトからダウンロードできます。

届出受理後の流れ

届出が受理されると、輸入品が到着した際に迅速に検査をおこなうための準備が整えられます。

輸入後の検査で問題がなければ、製品を国内に持ち込むことが可能となります。

 

熱処理や燻蒸処理の必要性とその手続き

木材や生鮮植物、動物製品には、害虫や病原菌の排除を目的とした熱処理や燻蒸処理が義務付けられる場合があります。

これらの処理は、輸出国でおこなうことが一般的です。

現地での処理

現地の認可を受けた処理施設で、製品に熱処理や燻蒸処理をおこないます。

処理が完了すると、その証明書が発行されます。この証明書は、日本に到着後の検査時にも必要です。

輸入時の確認

処理証明書は日本の検疫所で提出が求められます。

処理が不十分であると判断された場合、再度処理が必要になったり、輸入が認められなかったりすることがあるため、書類をしっかりと管理しておきましょう。

 

特別な許可が必要な製品とその申請方法

特定の動植物製品や絶滅危惧種など、輸入には特別な許可が必要な場合があります。

これらの製品を輸入する際には、国際的な条約や日本の法規制に従って申請をおこなうことが重要です。

ワシントン条約に基づく許可

象牙や特定の野生動物など、ワシントン条約で保護されている製品は、特別な許可が必要です。

これには、輸出国側での認可だけでなく、日本での輸入許可も取得する必要があります。

許可申請は時間がかかる場合があるため、計画的に準備を進めましょう。

農林水産省の特別申請

日本国内で保護されている植物や動物製品も、農林水産省への特別申請が必要です。

たとえば、外来生物法に基づいて規制される種は、日本への輸入が制限されており、特別な手続きをおこなう必要があります。

 

必要な書類をそろえるためのチェックリスト

輸入規制をクリアするためには、必要な書類がすべて整っていることが重要です。

以下は、主な書類のチェックリストです。

  • 現地発行の検疫証明書:植物や動物製品に関して、害虫や病原菌のリスクがないことを証明する書類。
  • 熱処理・燻蒸処理の証明書:必要な場合に、現地で処理をおこなったことを示す証明書。
  • 事前届出書類:植物防疫所や動物検疫所に提出する届出用の書類。
  • 特別許可証:ワシントン条約や農林水産省による許可が必要な製品の場合の申請書類。

製品により必要書類が異なりますよ!

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輸入が禁止されている動物・植物製品

輸入ビジネスや趣味のコレクションとして、中国からの動植物製品を取り扱う方も多いでしょう。

しかし、日本では環境や農業への影響を防ぐため、輸入禁止や制限のある植物や動物製品が存在します。

これらは法律で厳しく定められており、違反すると罰則が科されるため、事前に確認しておくことが重要です。

ここでは、輸入が禁止されている代表的な植物・動物製品について詳しく解説します。

 

 

詳しく見ていきましょう。

 

輸入が禁止されている植物製品

植物製品は、国内の生態系や農作物を守るため、病害虫の侵入リスクがあるものは輸入が禁止されています。

以下は、輸入が禁止されている主な植物製品です。

土壌が付着した植物

植物の根に土がついている状態で輸入することは、病原菌や害虫の侵入リスクがあるため禁止されています。

土壌のついた植物は、日本国内に多大な農業被害をもたらす可能性があるため、厳重な管理が求められます。

未処理の木材

木材には害虫が住み着いている可能性があるため、未処理のまま輸入することは禁じられています。

特に、熱処理や燻蒸処理が施されていない木材は、農林水産業に大きな影響を及ぼす恐れがあるため注意が必要です。

種子や苗木

植物の種子や苗木の輸入も規制が厳しく、たとえば特定の農作物や花の品種などは、遺伝子汚染や病害虫の拡散を防ぐため輸入が禁止されています。

日本の気候に適さない外来種が野生化すると、国内の生態系に影響を及ぼす可能性があるためです。

 

輸入が禁止されている動物製品

動物製品もまた、生態系や家畜へのリスクを防ぐため、輸入が禁止されているものがあります。

以下は代表的な動物製品です。

野生動物

特定の野生動物は、感染症や生態系への影響を考慮して輸入が禁じられています。

とくに絶滅危惧種や害虫の温床となり得る動物は、特別な許可がない限り輸入ができません。

特定の肉製品や加工品

鳥肉や豚肉などの動物由来の食品は、伝染病の拡散リスクがあるため厳しく規制されています。

これには缶詰やハム、ソーセージなども含まれ、特に口蹄疫や鳥インフルエンザの拡散防止が目的です。

動物由来の骨や角製品

象牙やサイの角などは、密猟防止のため輸入が厳しく規制されています。

これらの製品は国際条約(ワシントン条約)で保護されているため、輸入が禁止されています。

参考経済産業省 > ワシントン条約

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動物・植物の輸入で注意すべき法的規制と罰則

動植物の輸入は、海外の生物がもたらす環境や生態系への影響を防ぐために、日本では厳しい法的規制が課されています。

違反すると、輸入品の没収や罰金、場合によっては懲役刑に処されることもあります。

とくにビジネスとして動植物製品を扱う場合は、法的な規制内容をしっかりと理解し、適切な手続きをふむことが重要です。

ここでは、動植物の輸入に関する主な法的規制と違反時の罰則について解説します。

 

 

詳しく見ていきましょう。

 

植物輸入における法的規制と罰則

植物製品の輸入には、植物防疫法が適用されます。

これは、病害虫や有害生物が日本に侵入するのを防ぐための法律で、農作物や自然環境を保護することを目的としています。

土壌や未処理の植物の持ち込み禁止

植物防疫法では、土が付着している植物や未処理の木材などの輸入が禁止されています。

違反した場合には、最大で3年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される可能性があります。

検疫証明書の不備による違反

植物輸入の際には、輸出国の検疫証明書が必要です。

証明書が不備であったり、意図的に虚偽の情報を申請した場合は、罰則が科されることがあります。

罰則内容は厳しく、場合によっては罰金や刑事責任が問われることもあるため、証明書の確認は徹底しておこないましょう。

書類に不備があると通関に時間がさらにかかるので慎重にです!

 

動物輸入における法的規制と罰則

動物製品の輸入には、動物検疫法が適用されます。

これは、動物由来の感染症が日本国内に持ち込まれるのを防ぐための規制です。

特定の動物や肉製品の輸入禁止

鳥インフルエンザや口蹄疫のリスクを防ぐため、特定の動物や肉製品の輸入が禁止されています。

許可なく持ち込もうとすると、3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科されることがあります。

とくに肉製品や卵などの動物由来食品は、厳重な管理が必要です。

違法な動物由来製品の輸入

絶滅危惧種やワシントン条約で保護されている動物製品の違法輸入も、重い罰則が科される対象です。

たとえば、象牙やサイの角などを無許可で輸入すると、1年以上の懲役または300万円以下の罰金に処される可能性があります。

国際的な取引にも大きな影響を与えるため絶対に避けるべきです。

 

外来生物法に基づく規制と罰則

外来生物法は、日本の生態系に悪影響を及ぼす恐れのある外来生物の侵入を防ぐための法律です。

対象となる外来生物は、日本国内に持ち込むことが禁止されています。

有害外来生物の輸入禁止

日本の生態系を脅かす可能性がある生物種については、輸入が全面的に禁止されています。

有害と指定された生物を意図的に持ち込むと、3年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されます。

手続き不備による処罰

許可を得ていない外来生物を輸入しようとした場合や必要な書類を提出しなかった場合も、罰則の対象となります。

とくに輸送中に生物が逃げ出したり、誤って生態系に影響を与えたりした場合には、社会的な責任も問われることがあります。

 

ワシントン条約による輸入制限と罰則

ワシントン条約(絶滅の恐れのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)に基づき、絶滅危惧種やその製品の国際取引には厳しい規制が課されています。

許可証なしの取引の禁止

ワシントン条約により保護されている種を、許可証なしで輸入すると、罰則が科されます。

たとえば、保護対象の野生動植物やその部位(象牙、皮、角など)を無許可で輸入した場合、最大で5年以下の懲役または500万円以下の罰金が科されることがあります。

虚偽申請や密輸の罰則

許可証の取得において虚偽の情報を提供したり、密輸をおこなった場合は、刑事処罰の対象となります。

密輸は特に厳しく取り締まられ、国際的な問題に発展することもあるため注意が必要です。

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動物防疫・植物防疫に関する問い合わせ先

動物防疫・植物防疫の管轄行政は、農林水産省です。

参考として、問い合わせ先のリンクを貼っておきますね。

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まとめ

  • 輸入品の動植物が病害虫や感染症を持ち込むリスクを防ぐため、必ず検疫をおこないます。
  • 土が付着した植物や未処理の木材、特定の肉製品や野生動物は輸入が禁止されています。
  • 輸出国での検査後、検疫証明書を取得し、日本への持ち込みをスムーズに。
  • 植物防疫所や動物検疫所への届出を事前におこない、入国時の確認を円滑にします。
  • 木材などの輸入には熱処理や燻蒸処理の証明書が必要な場合があります。
  • 規制違反は罰金や懲役刑につながることもあるため、注意が必要です。

ご質問、いつも歓迎です!本日もお読みいただき、ありがとうございました^^

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