中国輸入したアパレル品の洗濯タグと品質表示について|商用での取付義務と付け方

こんにちは!

中国輸入代行「誠」のパンダの社長こと酒井(@makoto1688)です^^

 

パンダ娘
中国からアパレル製品を仕入れました。アパレル製品を日本で販売するには、品質タグや洗濯タグを付けないといけないって聞きましたが本当ですか?アドバイスいただけると助かります!

このような疑問にお答えします。

 

洗濯タグに関するtweet

中国輸入のアパレル製品を販売するとき、品質タグや洗濯タグは付けていますか?輸入時には不要だけれど、日本で販売するときには義務付けられていますよ。当社の中国倉庫でも制作でき、毎月ご依頼いただいています。ちなみに、転売商品にも1点から取り付けられるよう、システム再考をはじめました。

この記事は、長年、中国輸入代行を営むパンダの社長が書いています。

パンダの社長
2022年11月にシステム構築しましたが、1枚を取り付ける需要は無在庫の方にはないようなので廃止にしました!

 

さっそく見ていきましょう。

 

中国輸入品には洗濯タグが必要な理由

中国輸入のアパレル商品にも洗濯タグの取付が必須

中国輸入でアパレル製品を取り扱っている人も多いです。

しかし、日本でアパレル製品を販売するにあたって、商品に品質タグや洗濯タグを取り付けている人は少ないかもしれません。

はじめに、中国から輸入したアパレル製品に洗濯タグが必要な理由を解説します。

 

 

詳しくみていきましょう。

 

日本の法律で定められているため

日本国内で販売される衣料品には、必ず日本語の洗濯タグの取り付けが義務付けられています。

これは家庭用品品質表示法に基づいて定められています。

法令に従うことで、消費者が正確な情報を得られるようになっています。

違反した場合には、罰則や行政指導のリスクが生じる可能性があります。

そのため、輸入業者は法令遵守を徹底する必要があります。

 

顧客の安全を守るため

正確な洗濯表示は、衣類の破損や縮みを防止するために非常に重要です。

消費者は洗濯方法を正しく把握し、安心して使用することができます。

誤った洗濯方法は、製品の劣化や事故につながる恐れがあります。

日本語で明確に記載することで、消費者への情報伝達が確実になります。

この取り組みにより、顧客の安全と製品の品質が守られています。

 

長期に出品アカウントを健全に保つため

正確な表示は、販売者の信頼性を高める重要な要素です。

プラットフォーム上での信頼を獲得するためにも、法令に基づいた対応が求められます。

不正な表示は、アカウント停止や削除などのリスクを伴います。

持続可能なビジネス運営には、健全なアカウント管理が不可欠です。

したがって、輸入業者は長期的な視点で正しい洗濯タグの取り付けを実施する必要があります。

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洗濯タグに関する基本知識


品質タグと洗濯タグの取付義務については、「家庭用品品質表示法」という法律で謳われています。

この法律は、中国輸入を含め、海外から輸入して日本国内で販売する場合にも適用されます。

なお、タオバオやアリババから輸入した商品には、中国語の品質タグと洗濯タグが付いていることもありますし、品質タグと洗濯タグが付いていないこともあります。

はじめに、洗濯タグに関する知識をおさらいしていきます。

 

 

詳しくみていきましょう。

 

家庭用品品質表示法の目的

家庭用品品質表示法の管轄省庁は、消費者庁です。

出典消費者庁 > 家庭用品品質表示法 へのリンク

この法律の目的は、次のように謳われています。

家庭用品の品質に関する表示の適正化を図り、一般消費者の利益を保護すること

 

品質タグと洗濯タグの取付は、一般消費者(エンドユーザー)の利益を保護することだということがわかります。

 

繊維製品に必要な表示項目

繊維製品に必要な表示項目

家庭用品品質表示法が定める対象品目は、「繊維製品」「合成樹脂加工品」「電気機械器具」「雑貨工業品」の4つです。

アパレル製品であれば、「繊維製品」を確認すればokです。

一部の革製品や靴やかばんが「雑貨工業品」に入っていますが、あまり気にしなくてよいかなと思います。必要に応じ参考にする程度で!

 

繊維製品に必要な表示項目は、次のリンクに記載があります。

参考消費者庁 > 家庭用品品質表示法 > 製品別品質表示の手引き > 繊維製品一覧表

 

たとえば、シャツであれば、表示が必要な項目は、「繊維の組成」「家庭洗濯等取扱方法」「表示者名及び連絡先」の3つであることがわかります。

     

    品質タグと洗濯タグを表示する人

    繊維製品(=アパレル製品)に「繊維の組成」「家庭洗濯等取扱方法」「表示者名及び連絡先」を記載する人は、次のように謳われています。

    表示を行う者は、製造業者、販売業者又はこれらから表示の委託を受けて行う表示業者のいずれかになっております。

    OEMやODMであれば製造業者、有在庫転売や無在庫転売であれば販売業者である貴店か、貴店が手配した代行業者か日本国内または中国国内で手配したタグの取付業者ということです。

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    洗濯タグに必ず表示すること

    中国から輸入したアパレル商品を日本で販売する場合、洗濯タグの適切な表示が非常に重要です。

    日本国内では「家庭用品品質表示法」により、消費者が商品を安全に使用できるようにするための情報を、洗濯タグを通して明示することが義務づけられています。

    この法律に基づき、特定の内容を洗濯タグに必ず記載する必要があります。

    ここでは、具体的にどのような情報を洗濯タグに表示しなければならないかを詳しく見ていきます。

     

     

    詳しくみていきましょう。

     

    品質表示タグ

    繊維製品の品質表示タグの例

    品質表示の方法は、全体表示と分離表示の2つの方法があります。

    全体表示と分離表示については、次のサイトを参考にしてください。

    参考消費者庁 > 家庭用品品質表示法 > 製品別品質表示の手引き > 繊維製品一覧表 > 繊維製品の表示について

    消費者庁のサイトを引用した上記の品質タグを例にすると、「繊維の組成」「表示者名及び連絡先」はそれぞれ次のようになります。

    • 「繊維の組成」・・・綿、羊毛、カシミヤ、COTTON、ポリエステルなど
    • 「表示者名及び連絡先」・・・貴店の会社名または店舗名、住所、電話番号)

    例では、住所と電話番号の記載がありますが、電話番号の記載がないパターンも見たことがあります。ごめんなさい。ここはちょっと調べ切れていないので、詳しくは消費者庁へ確認してみてください。ちなみに、050で始まる電話番号はララコールなら月100円で契約できます。(今なら、3ヵ月実質無料のようです)

     

    繊維の組成

    洗濯タグには、使用されている繊維の種類とその割合を明記する必要があります。

    たとえば「綿100%」や「ポリエステル50%・綿50%」などが典型的な例です。

    これは、消費者が購入する商品がどのような素材でできているかを知るために不可欠です。

    また、繊維の種類によっては洗濯方法が異なるため、適切なケアをするためにも重要な情報です。

    表示者名と連絡先

    洗濯タグには、商品の表示に関する責任を負う者の情報も含める必要があります。

    通常は製造業者や販売業者の名前、住所、電話番号が記載されます。

    これにより、万が一商品のトラブルが発生した場合、消費者が問い合わせをおこなうことができる体制が整えられています。

    原産国の表示

    輸入品には、どの国で製造されたのかを明記する原産国表示も義務づけられています。

    これは、消費者が商品についての透明性を確保できるようにするためのもので、中国からの輸入商品であれば「中国製」と記載することになります。

    これは消費者が製品の品質や信頼性を判断する上でも大切な要素です。

     

    洗濯表示タグ

    洗濯表示タグについて

    洗濯タグの表示方法についても、消費者庁のサイトに詳しく記載があります。

    そのまま引用します。

    (1)記号
    記号は次の5個の基本記号及び基本記号と組み合わせて用いる幾つかの付加記号で構成する。

    〔1〕洗濯処理記号
    〔2〕漂白処理記号
    〔3〕乾燥処理記号(タンブル乾燥処理記号、自然乾燥処理記号)
    〔4〕アイロン仕上げ処理記号
    〔5〕商業クリーニング処理記号(ドライクリーニング処理記号、ウエットクリーニング処理記号)

    (2)表示方法
    記号は、洗濯、漂白、タンブル乾燥、自然乾燥、アイロン仕上げ、ドライクリーニング、ウエットクリーニングの順に並べる。なお、規定されている5つの基本記号のいずれかが記載されていないときには、その記号によって意味している全ての処理が可能とする。

    記号は、直接製品に記載するか、又はタグ(縫い付けタグなど)に記載する。また、タグは、消費者が簡単に分かる箇所に見やすく、縫い目などに隠れず、かつ、しっかりと容易に取れない方法で繊維製品に取り付けなければならない。

    消費者庁 > 家庭用品品質表示法 > 製品別品質表示の手引き > 繊維製品一覧表 > 繊維製品の表示について > 4.家庭洗濯等取扱方法

    表示方法は、抑えておきたいですね。洗濯タグのマークに順番があること。タグは見やすい位置に、製品直かタグで縫い付けること。

    洗濯表示タグの全マーク

    出典消費者庁 > 家庭用品品質表示法 > 製品別品質表示の手引き > 洗濯表示(平成 28年12月1日以降)

     

    洗濯方法の表示

    家庭用品品質表示法では、洗濯方法も必須の項目となっています。

    具体的には、洗濯機で洗えるかどうか、手洗いが必要か、漂白やアイロンがけに関する情報などが記載されます。

    これらの情報は、記号で示されることが多く、消費者が誤って商品をダメにしないようにするためのガイドラインとなります。

    たとえば、「アイロン不可」や「ドライクリーニング推奨」といった表示がよく見られます。

    付加的な情報

    その他にも、特定の商品に応じて追加の情報が必要になる場合があります。

    たとえば、防水性のある商品であれば「撥水加工済み」といった記載が必要です。

    また、繊維が特殊な混合物の場合は、その比率を詳細に表示する必要があります。

    これにより、消費者は適切なメンテナンスが可能となり、製品の寿命を延ばすことができるのです。

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    洗濯タグを外注したときの相場

    洗濯タグを外注で制作する場合の相場は、タグの種類や素材、ロット数によって大きく異なります。

    一般的に、洗濯タグ1枚あたりの単価は約5円から30円程度です。

    たとえば、シンプルな織りネームタグであれば、1枚あたり5円から10円程度で作成可能ですが、複雑なデザインや高級素材を使用した場合は、20円から30円、またはそれ以上になることもあります。

    ロット数も価格に影響します。大量生産(たとえば1,000枚以上)では1枚あたりのコストが安くなりますが、少量生産(たとえば100枚程度)の場合は割高になる傾向があります。

    また、タグに特殊加工(エンボス加工や箔押しなど)を加える場合、追加費用が発生し、相場がさらに上昇します。

    業者によっては、デザイン費やサンプル作成費が別途必要になる場合もあります。

    中国の輸入代行業者でも作成できますよ!

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    洗濯表示規則に従わないときの罰則について

    日本の「家庭用品品質表示法」に従わない場合、事業者には法的なリスクと罰則が課される可能性があります。

    まず、正しい洗濯表示をおこなわないことで、行政からの指導や改善命令が出されることがあります。

    これを無視すると、最大で20万円以下の罰金が科されることもあります。

    さらに、虚偽の表示や不適切な表示によって商品が販売停止になるリスクも存在します。

    (罰則)
    第二十五条 第五条から第七条までの規定による命令又は第八条第五項の規定に違反した者は、二十万円以下の罰金に処する。
    第二十六条 次の各号のいずれかに該当する者は、五万円以下の罰金に処する。
    一 第八条第四項の規定に違反した者
    二 第十九条第一項又は第二項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
    三 第十九条第一項又は第二項の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
    第二十七条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前二条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の刑を科する。
    第二十八条 第二十一条の規定による命令に違反した場合には、その違反行為をした機構の役員は、二十万円以下の過料に処する。

    懲役刑はないようですが、最大20万円の罰金刑が科されることがわかります。

     

    また、消費者からの信頼を失うリスクも重要です。

    たとえば、誤った洗濯表示が原因で商品が破損した場合、返品やクレームが発生し、ブランドイメージに悪影響を与える可能性があります。

    最終的には、販売停止やビジネス全体の信頼低下による売上減少といった深刻な結果を招くこともあります。

    これらのリスクを回避するためには、法的基準に基づいた適切な表示を徹底することが重要です。

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    中国輸入時に避けたい洗濯タグに関するよくあるミスと対策

    ここでは、中国輸入時に避けたい洗濯タグに関するよくあるミスと、その対策について詳しく解説します。

     

     

    詳しくみていきましょう。

     

    洗濯タグが日本の規定に合っていない

    よくあるミスのひとつは、輸入した商品に付いている洗濯タグが、日本の「家庭用品品質表示法」に準拠していないことです。

    中国のタグには、現地での基準が適用されているため、必要な情報が不足していたり、日本語での表記がなかったりする場合があります。

    たとえば、繊維の組成が不明確な場合や、洗濯方法が適切に記載されていないことがよくあります。

    対策として、輸入した商品のタグが日本の法律に準拠しているかを必ず確認しましょう。

    必要であれば、日本向けに適した洗濯タグを新たに作成し、適切な内容に更新することが大切です。

     

    タグに誤った洗濯方法が記載されている

    洗濯方法の誤った記載もよく見られるミスです。

    たとえば、実際には家庭での洗濯が可能な商品にもかかわらず、ドライクリーニング推奨の記号が記載されていたり、逆に繊細な素材に家庭での洗濯が可能と表示されていることがあります。

    これにより、消費者が商品を適切に扱えず、商品が損傷する原因となることがあります。

    対策として、商品の素材に応じた正確な洗濯方法を調べ、専門家や製造元に確認した上で、正しい洗濯方法を表示しましょう。

    また、外注先に洗濯表示記号の理解を確認し、間違いがないかを徹底的にチェックすることが必要です。

     

    繊維の組成が不正確に記載されている

    繊維の組成に関して誤った情報が記載されているケースも多く見られます。

    たとえば、ポリエステルがメインの素材である商品に「綿100%」と誤って記載されていることがあります。

    このような誤記は、消費者の誤解を招き、品質に対する不信感を生み出す原因となります。

    対策として、正確な組成を確認するため、製造元からの素材情報をしっかり取得しましょう

    必要であれば第三者の検査機関を利用して、実際の繊維組成を確認することも考慮すべきです。

     

    表示者名や連絡先が不明確

    洗濯タグには、表示者の名前や連絡先が記載される必要がありますが、これが不明確な場合や誤った情報が記載されていることも問題となります。

    消費者が問い合わせをおこないたい時に連絡が取れないと、トラブルが大きくなる可能性があります。

    対策として、必ず表示者名や連絡先を正確に記載し、消費者が簡単に問い合わせできる体制を整えましょう。

    特に、輸入品の場合は、日本国内で対応可能な連絡先を明示することが望まれます。

     

    タグの素材や印刷が不適切

    安価な素材で作成された洗濯タグは、洗濯の際にすぐに色褪せたり、破損したりすることがあります。

    これにより、消費者が後から洗濯方法を確認できなくなるため、長期的にトラブルが発生するリスクがあります。

    対策として、タグの素材や印刷の品質にも注意を払い、洗濯や使用による摩耗に強いタグを使用することが重要です。

    特に高温のアイロンやドライクリーニングに耐えられるタグ素材を選ぶことが推奨されます。

    目次に戻る▶▶

     

    中国輸入で洗濯タグについてよくある質問

    最後に、洗濯タグに関するよくある質問をまとめ、それぞれ詳しく解説します。

     

     

    詳しくみていきましょう。

     

    洗濯タグに英語表記のみでも問題ありませんか?

    日本国内で販売する場合、日本語表記が必要です。

    たとえば、中国で製造された商品が英語の洗濯表示しかない場合、日本語での表記を追加する必要があります。

    日本語の表示がないと、消費者に誤解を与える可能性があり、クレームや返品のリスクが高まります。

     

    洗濯タグがないと法律違反になりますか?

    はい。

    家庭用品品質表示法に基づき、洗濯タグを付けることが義務付けられているため、タグがない商品を販売すると罰則が科される場合があります。

    法律を守ることは、信頼される販売者であるための基本です。

     

    中国で取り付けた洗濯タグはそのまま使えますか?

    場合によります。

    中国で取り付けた洗濯タグが日本の基準を満たしていない場合、追加で日本語表記のタグを取り付ける必要があります。

    たとえば、洗濯表示記号が日本の規格と異なる場合や、日本語の誤訳が含まれている場合があります。

     

    洗濯タグは自分で作成できますか?

    はい、洗濯タグは自分で作成できます。

    ただし、多くの印刷業者やタグ専門のサービスがあり、少量からの作成も対応しています。

    必要な情報を指定して注文することで、法律に準拠した洗濯タグを簡単に準備できます。

     

    洗濯タグの取り付けは日本国内でも可能ですか?

    はい、日本国内でも取り付けできます。

    販売前であれば、どこで取り付けても構いません。

    タグの取り付けを専門とする業者は多くあり、輸入品を日本基準に合わせて加工してくれます。

    ただし、コストが高くなる場合があるため、商品の価格設定に影響が出ないよう注意が必要です。

    目次に戻る▶▶

     

    まとめ

    • 中国輸入商品を日本で販売する際には、洗濯タグが法的に必須。
    • 洗濯タグには「繊維の組成」「洗濯方法」「表示者の情報」などが必要。
    • タグが不適切だと、法的な罰則や販売停止のリスクがある。
    • 日本の規定に従わないと消費者の信頼を失い、ビジネスに悪影響を与える可能性がある。
    • 洗濯タグの作成は外注が可能で、法的基準を満たした正確な表示を行うことが重要。

    ご質問、いつも歓迎です!本日もお読みいただき、ありがとうございました^^

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