食品衛生法に基づく届出の手順と注意点|中国輸入なら誠も一部代行可

こんにちは!

中国輸入代行「誠」のパンダ社長こと酒井(@makoto1688)です^^

 

子パンダ
中国輸入の商材を増やしたくなってきました。衣食住のアパレルは軌道に乗ってきたので、今度は食品を考えています。中国から食品を輸入する時の方法や注意点についてアドバイスがほしいです。

 

この記事では、ずばりこの疑問にお答えします。

 

食品衛生法に関するtweet

食品衛生法は、販売目的で輸入する食品等に対し適用されますよ。自身で食したり、親戚に送るなどの個人使用目的の場合は、届出書は不要です。ちなみに、食品等には、食器や調理器具、乳幼児おもちゃも含まれます。たまたま通関できているだけで、本当は書類が必要だったケースもあるかもしれませんよ。

この記事は、長年、中国との貿易仲介業を営むパンダ社長が書いています。

 

それでは見ていきましょう。

 

食品衛生法とは

食品衛生法は、1947年に法律第二百三十三号として制定された法律です。

法律の第一条目的には、次のように謳われています。

 

この法律は、食品の安全性の確保のために公衆衛生の見地から必要な規制その他の措置を講ずることにより、飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止し、もつて国民の健康の保護を図ることを目的とする。

 

また、2018年に改正した際には、次の趣旨が謳われています。

 

「食品衛生法」は飲食による健康被害の発生を防止するための法律です。
前回の法改正から15年が経過しており、食を取り巻く環境の変化や国際化等に対応して食品の安全を確保するため、改正を行いました。

 

この法律は全11章で構成され、次のことが定められています。

 

食品衛生法の構成
  • 第一章 総則
  • 第二章 食品及び添加物
  • 第三章 器具及び容器包装
  • 第四章 表示及び広告
  • 第五章 食品添加物公定書
  • 第六章 監視指導
  • 第七章 検査
  • 第八章 登録検査機関
  • 第九章 営業
  • 第十章 雑則
  • 第十一章 罰則

 

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食品等の輸入手続きで、届出が必要な品目

食品衛生法という名前から、食品が対象であることはわかります。

一方で、食品衛生法に関する厚生労働省のサイトには、「食品等」という表現をしてあります。

「食品等」を輸入する際、次の品目が食品衛生法の対象になります。

 

  • 食品
  • 食品添加物
  • 器具
  • 容器包装
  • 乳幼児用のおもちゃ

参考:厚生労働省 > 政策について > 分野別の政策一覧 > 健康・医療 > 食品 > 輸入食品監視業務 > 輸入手続

 

食品や食品添加物は、所謂、口に入れる食品です。

以下、「器具」「容器包装」「乳幼児用のおもちゃ」について、もう少し触れておきます。

 

口に入れる食品とは?

 

詳しくみていきましょう。

 

器具

「器具」の定義は、食品品衛生法第4条第4項に明示されています。

この法律で器具とは、飲食器、割ぽう具その他食品又は添加物の採取、製造、加工、調理、貯蔵、運搬、陳列、授受又は摂取の用に供され、かつ、食品又は添加物に直接接触する機械、器具その他の物をいう。ただし、農業及び水産業における食品の採取の用に供される機械、器具その他の物は、これを含まない。

 

ポイントは、「食品に直接接触する」という部分です。

パンダ社長
まな板は食品衛生法の適用品目になりますが、まな板スタンドは適用外なのですね。

 

 

飲食器の例

  • はし
  • スプーン
  • フォーク
  • ストロー
  • 水筒

 

割ぽう具の例

  • まな板
  • 包丁
  • フライパン
  • お玉
  • ボウル

 

容器包装

「容器包装」の定義は、食品品衛生法第4条第5項に明示されています。

 

この法律で容器包装とは、食品又は添加物を入れ、又は包んでいる物で、食品又は添加物を授受する場合そのままで引き渡すものをいう。

 

「容器包装」の材質については、食品品衛生法第18条第3項に明示されています。

 

器具又は容器包装には、成分の食品への溶出又は浸出による公衆衛生に与える影響を考慮して政令で定める材質の原材料であつて、これに含まれる物質(その物質が化学的に変化して生成した物質を除く。)について、当該原材料を使用して製造される器具若しくは容器包装に含有されることが許容される量又は当該原材料を使用して製造される器具若しくは容器包装から溶出し、若しくは浸出して食品に混和することが許容される量が第一項の規格に定められていないものは、使用してはならない。ただし、当該物質が人の健康を損なうおそれのない量として厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて定める量を超えて溶出し、又は浸出して食品に混和するおそれがないように器具又は容器包装が加工されている場合(当該物質が器具又は容器包装の食品に接触する部分に使用される場合を除く。)については、この限りでない。

 

「容器包装」のパッケージ表示については、食品品衛生法第20条に明示されています。

 

第二十条 食品、添加物、器具又は容器包装に関しては、公衆衛生に危害を及ぼすおそれがある虚偽の又は誇大な表示又は広告をしてはならない。

 

乳幼児用のおもちゃ

乳幼児用のおもちゃは、乳幼児がおもちゃを口に入れたりなめたりことを想定しています。

ですから、おもちゃの材質や塗料に対し申告が必要になります。

ちなみに、児童福祉法では、乳児とは生後0日から満1歳未満までの子をいい、幼児とは満1歳から小学校就学までの子供のことを指します。

 

乳幼児用のおもちゃの例

  • 対象年齢が6歳までのおもちゃ
  • アクセサリー玩具(乳幼児がアクセサリーとして用いる玩具をいう)
  • うつし絵
  • 起き上がり
  • おめん
  • 折り紙
  • がらがら
  • 知育玩具(口に接触する可能性があるもの)
  • つみき
  • 電話玩具
  • 動物玩具
  • 人形
  • 粘土
  • 乗物玩具
  • 風船
  • ブロック玩具
  • ボール
  • ままごと用具

わたしは、欧米輸入でおしゃぶりを仕入れていたことがあり、本当によく売れるものですからリピートで仕入れていました。しかし、後々食品衛生法の中身を知り、取扱いを止めたこともあります。

 

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食品等の輸入手続の手順

それでは、食品等の輸入手続きの方法について見ていきましょう。

大きく4つのステップです。

 

No ステップ 補足
1 必要書類を準備をする
  • 食品等輸入届出書
  • その他の関係書類
2 輸入した(もしくは輸入予定の)貨物を通関する管轄の検疫所窓口へ届出を行う 厚生労働省の食品等輸入届出受付窓口一覧
3 検疫所にて、検査の要否を判断する 食品衛生法に規定の基準に適合しているか等
4 検査が不要又は検査の結果問題ないと判断された貨物は、食品等輸入届出済証が交付される 食品等輸入届出済証が交付されなかった場合、輸入者が廃棄または中国へ積戻しする

 

なお、中国から食品等を輸入する場合、代行業者がすべて書類を手配してくれるわけではありません。

原則、「食品等輸入届出書」や「その他の関係書類」は、貴店が日本側で手配します。

たとえば、中国側でしか手配ができない原産地証明であったり、成分表であったり、貴店から依頼があった書類を手配します。

 

また、食品等の輸入手続の手順は、東京検疫所食品監視課のサイトが詳しいです。

参考として、リンクを貼っておきますね。

 

食品等輸入手続きの方法がわかりやすいサイト
  • 東京検疫所食品監視課
  • ホームぺージ
  • 問い合せ先:03-3599-1520
  • 所在地:〒135-0064 東京都江東区青海2-7-11 東京港湾合同庁舎8階

そもそも届出が必要な製品なのかやどのような資料が必要かは、上述の厚生労働省の食品等輸入届出受付窓口または東京検疫所食品監視課へ尋ねることで教えてもらえます。

代行業者へ問合せなさる方もいらっしゃいますが、管轄機関へ直接尋ねるのが確実ですよ。

 

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食品等の輸入手続きに必要な書類を準備する方法

管轄機関へ必要書類を確認しましたら、いよいよ資料の準備に取り掛かります。

食品等輸入届出書は、次のURLよりダウンロードいただけます。

 

 

生鮮をはじめ、食器や乳幼児向けおもちゃには、検査機関が発行した試験成績書が必要です。

中国輸入で、タオバオや1688.com、アリエクスプレスなどから調達した製品の場合、製造工場を特定し取得するか第三者機関で検査を行い取得するか、いづれかの方法があります。

前者の場合、製造工場が特定できても、原産地証明や試験成績書を提示いただけるかは工場の判断になります。

 

また、別途費用を要することもあります。

ここでは、当社「誠」と協力関係にある香港の第三者機関へ検査を依頼した場合の流れを紹介します。

 

第三者機関への検査依頼の流れ
  1. ユーザー様より「誠」へ問合せいただく
  2. ご要望をお伺いし、「誠」が検査機関へ問い合わせ、見積もりいただく
  3. 申請フォームをユーザー様へ送付し、記載いただく
  4. ユーザー様がサンプルを検査機関へ手配する(もしくは、誠経由で手配する)
  5. 申請する

案件にもよりますが、一般的な検査依頼を仲介する場合は、「誠」は仲介手数料として200元をいただいています。

 

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食品等の輸入手続を迅速におこなう制度

食品等を輸入する際に、届出手続を簡素化・迅速化する制度があります。

たとえば、事前届出制度や計画輸入制度です。

参考:厚生労働省 > 食品衛生法に基づく輸入手続 > 届出手続の簡素化・迅速化制度

 

食品等の輸入手続を迅速におこなう制度

 

詳しく見ていきましょう。

 

事前届出制度

輸入届出の受付は、貨物の到着予定日の7日前から検疫所窓口にておこなえる制度です。

審査の結果、検査の必要がないと判断された食品等輸入届出書は、貨物の到着後すぐに食品等輸入届出済証が交付されます。

また、過去半年間に衛生上の問題の発生がなかった食品は、貨物の到着前でも食品等輸入届出済証が交付されます。

 

計画輸入制度

輸入実績のある食品等をリピート輸入する場合、食品等輸入届出書へ輸入計画および輸入実績を添付することで、都度の届出が不要になります。

一度輸入実績があり、その後、特に通関に問題がない場合は、輸入手続きが簡素化されるということです。

つまり、食品の取扱いははじめは書類の準備や検査が少し大変ですけれど、一度乗り越え、販売実績が上がれば、ビジネスチャンスが広がります。

 

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食品衛生法の罰則規定

食品衛生法の罰則規定は、平成14年に強化されています。

不正を働く人がいて、より抑止を強めたい狙いがあるということなのでしょう。

具体的には、次の通りです。

 

罰則 違反内容
3年以下懲役、300万円以下罰金
(法人1億円以下の罰金)
  • 有害食品の販売等禁止 、指定外添加物の使用
  • 廃棄命令等違反、営業禁停止命令違反
2年以下懲役、200万円以下罰金  法人1億円以下の罰金
  • 規格基準違反食品の販売等禁止
  • 表示基準違反食品の販売等禁止
1年以下懲役、100万円以下罰金
  • 施設基準違反、施設改善命令違反
  • 医師の食中毒届出義務違反
50万円以下罰金 臨検検査拒否、虚偽報告等

 

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食品等の輸入手続に関する窓口

中国輸入の代行業者の多くが、当社も含め、食品輸出のプロではありません。

なぜなら、食品衛生法は日本の法律であり、代行業者はせいぜい中国での通関に関するプロだからです。

ご指示いただいた書類の手配はできますし、経験からご質問に対する回答はできますが、やはり下記のような専門でやられている機関や民間企業へご相談なさることをオススメします。

 

 

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まとめ

まとめます。

 

  • 食品等の範囲には、「食品」「食品添加物」に加え、「器具」「容器包装」「乳幼児用のおもちゃ」も含まれる。
  • 食品等の輸入手続の4ステップは、次の通りです。
    ①必要書類を準備をする、②輸入した貨物を通関する管轄の検疫所窓口へ届出を行う、③検疫所にて、検査の要否を判断する、⓸検査が不要又は検査の結果問題ないと判断された貨物は、食品等輸入届出済証が交付される。
  • 輸入したい商品が決まったら、まずはお近くの、食品等輸入届出受付窓口などへ相談してみる。
  • 代行業者へは、成分表や原産地証明などを依頼する。

 

本日もお読みいただき、ありがとうございました^^

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