《メーカー一覧》Amazon出品において知的財産権侵害で警告を受けたときの対処法

こんにちは!

中国輸入代行「誠」のパンダの社長こと酒井(@makoto1688)です^^

 

パンダ娘
Amazonのセラーパフォーマンスチームというところから知的財産権の侵害ということで警告メールが届きました。アカウントの健全性に影響が出ているようで、そのASINが出品できません。どうしたらよいでしょうか。アドバイスいただけませんでしょうか。

このような疑問にお答えします。

 

知的財産権の侵害に関するtweet

FBA。
かれこれもう3年以上、
出品していないんだけどなぁ。

知財侵害か...
やれやれです。

 

この記事は、過去にAmazonのアカウントが1度閉鎖、3度停止を経験し、100名近くの方の再開をサポートしてきたパンダの社長が書いています。

パンダ社長
わたしの体験談で解説します!

 

それでは見ていきましょう。

 

知的財産権とは?

「知的財産権(ちてきざいさんけん)」とは、人の頭で考え出されたアイデアや創作物を保護するための権利のことです。

たとえば、商品名・ブランドロゴ・発明・音楽・デザイン・ソフトウェアなどが対象になります。

物ではなく「知恵」や「創造」に関するものを守るという考え方です。

無断で使用されると、著作権侵害や商標権の侵害などでトラブルになることがあります。

とくにネット販売やハンドメイド商品販売をおこなう人は、最低限の知識が必要です。

 

 

詳しく見ていきましょう。

 

知的財産権の種類

知的財産権の種類説明関連する法律リスク
特許権新規性、進歩性、産業上の利用可能性を有する発明に与えられる権利。特許法他者による侵害、特許権の無効化
実用新案権小規模な技術的創作物に与えられる保護。比較的短期間の保護が特徴。実用新案法侵害訴訟、保護期間の短さ
意匠権製品の形状、模様、色彩などの外観に関する権利。意匠法模倣製品による市場競争
商標権商品やサービスを識別するための標識に与えられる権利。商標法商標の無断使用、ブランド価値の損失
著作権文学、音楽、美術などの創作物に対する権利。独占的な使用・利益権を有する。著作権法海賊版、違法コピー、著作権侵害

知的財産権には、大きく分けて「著作権」「産業財産権」「商標権」などがあります。

「著作権」は音楽や文章、画像などの創作物を守る権利です。

「特許権」や「実用新案権」は技術的なアイデアに関する権利です。

「意匠権」は商品のデザイン、「商標権」はブランド名やロゴマークを守ります。

たとえば、シャネルのロゴや「Apple」の名称は商標権で保護されています。

知的財産権の中で、Amazonのアカウント停止や閉鎖になりやすいものは商標権の侵害ですよ!

 

知的財産権を遵守すべき理由

知的財産権を守らないと、販売停止や損害賠償などのリスクがあります。

たとえば、他人のロゴを使った商品を無断で売ると、訴えられる可能性もあります。

法律違反になるだけでなく、販売アカウントの停止にもつながるおそれがあります。

信頼を失えば、ビジネスとしても大きなダメージを受けます。

長期的に見ても、安心して活動を続けるには、ルールの理解と遵守が必要です。

 

Amazonの知的財産権に対するガイドライン

Amazonでは知的財産権の侵害に非常に厳しい対応をしています。

出品者は商標・著作権・特許などに注意し、違反があればアカウント停止のリスクがあります。

たとえば、正規ブランド品の画像を無断使用すると、即ペナルティの対象になります。

Amazonのセラーセントラルには、知的財産に関する詳細なポリシーと対策ガイドがあります。

トラブルを避けるためにも、出品前に必ず確認しておくことが重要です。

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知的財産権を侵害したらどうなる?

知的財産権とは、アイデアや作品に対する権利です。著作物や発明、ブランド名などが対象です。

これらを無断で使うと問題になります。

以下では、法的措置とAmazon内での措置について説明します。

 

 

詳しく見ていきましょう。

 

法的措置

知的財産権を侵害すると、まずは警告が届く場合があります。

警告を無視すると、訴訟を起こされることがあります。

裁判所で争われると、損害賠償や差し止め命令が出されます。

違反が悪質な場合、刑事罰が科されることもあります。

 

Amazon内での措置

Amazonでは、知的財産権の保護に力を入れています。

違反商品の出品が見つかると、警告が送られます。

再発がある場合、出品停止やアカウント凍結の措置が取られます。

Amazonは、権利者からの申し立ても重視します。

利用者はルールを守ることが大切です。

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Amazonでよくある権利侵害メーカー一覧

Amazonでは、知らずに商品を出品しただけで「知的財産権侵害」とされ、警告を受けたりアカウント停止になるケースが少なくありません。

とくに大手ブランドは、商標や著作権の管理を厳しくおこなっており、並行輸入品やコピー品と見なされやすい商品も多いです。

ここでは、Amazonでよく通報されやすいブランドやメーカーをカテゴリー別にまとめました。

「知らなかった」では済まされないトラブルを防ぐためにも、該当ブランドの商品を取り扱う前に、必ず確認しておきましょう。

カテゴリーブランド名侵害になりやすい商品例
ファッションTHE NORTH FACEロゴ入りアパレル・帽子など
ファッションNIKEスニーカー・ロゴTシャツ
ファッションadidasジャージ・シューズ
ファッションSUPREMEステッカー・キャップ・Tシャツ
おもちゃ・ホビーBANDAI(バンダイ)ガンプラ・仮面ライダー・戦隊シリーズ関連商品
おもちゃ・ホビーSANRIO(サンリオ)キティグッズ・ぬいぐるみ
家電・ガジェットAppleiPhoneケース・充電ケーブル・AirPods関連
家電・ガジェットDyson掃除機フィルター・交換部品など
コスメ・美容SHISEIDO(資生堂)海外発送品・模倣品と疑われることが多い
スポーツ用品Coleman(コールマン)キャンプ用チェア・テント
キャラクター商品Disney(ディズニー)キャラ入りバッグ・文具・衣類
キャラクター商品Pokémon(ポケモン)フィギュア・カード・Tシャツなど
ゲーム関連Nintendo(任天堂)コントローラー・ゲームソフト・周辺機器
時計・アクセG-SHOCK(カシオ)腕時計・交換ベルト

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《体験談》Amazonから知的財産権侵害についての警告

ここからは、最近のわたし自身の経験を綴ります。

2023年11月11日に、Amazonから商標権に関する警告メールが届きました。

わたしは、Amazonの販売用アカウントを所有していますが、数年前に出品をやめています。

 

警告メールが届いたときには、「何かの間違いだろう」と思っていました。

Amazonのアカウント健全性に関するシステムは自動化されており、稀に誤ったメールが届くことがあります。

数日間、放っておくと、Amazonから誤りだった旨のメールが届くこともあります。

厳密には、「お客様を保護するため、慎重に慎重を重ねる場合がございます」と書いてありますが、システムエラーのこともあると体感的には思います。

 

ここ3年では、年に一度のペースで、知財に関する警告メールをいただきます。

以下に、先日届いたメールを引用紹介します。

平素は Amazon.co.jp をご利用いただき、誠にありがとうございます。

このたび出品者様の出品について、以下の権利者より著作権を侵害しているとの連絡を受けました。Amazon.co.jp では、出品者が著作権を侵害する商品を出品したり、商品詳細ページを作成したりすることは認められていません。

本 E メールの末尾に記載されている商品の出品をキャンセルさせていただきましたのでご了承ください。この商品の出品を再開するには、権利者からの申し立ての取り下げが必要になります。権利者の連絡先情報は以下のとおりです。

tk
**********@gmail.com

出品を再開する方法
セラーセントラルのアカウント健全性ページ (https://sellercentral.amazon.co.jp/performance/dashboard?ref=ah_em_nr) より、この出品停止に対する申し立てを提出してください。アカウント健全性ページの「商品規約の遵守」セクションで商品の横の「申し立て」リンクをクリックしてください。

権利者が申し立てを取り下げない場合、または出品者様から必要な情報の提供がない場合は、権利者の要請に応じて出品者様の連絡先情報を伝える場合がありますので、ご了承ください。

当サイトは知的財産権の侵害に対する申し立てを深刻に受け止め、現在、出品者様のアカウントの審査を進めさせていただいております。出品者様の商品について、問題に関するご連絡がさらに寄せられた場合は、直ちに Amazon.co.jp への出品を停止させていただく可能性がありますのでご了承ください。

本ポリシーについて詳しくは、セラーセントラルヘルプページの「知的財産違反」をご覧ください。

ASIN: B07J67KY4J
商品名: Jeemitery 穴あけパンチ 1穴 金属ペーパーパンチ 手持ち パンチ 丸穴 穴径3mm

侵害の種類: 著作権
申し立て番号: **********

何卒、よろしくお願い申し上げます。

セラーパフォーマンスチーム
https://www.amazon.co.jp
Amazon.co.jp

通知: アカウントポリシーご確認のお願い

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知的財産権侵害に関する警告文を読み解くポイント

このようなメールは、現役時代に何度も経験し、都度対応してきました。

ですので、久々に警告を受けてもほとんど動揺はしません。

むしろ、冷静に対応しなければ、出品さえしていないのにアカウントを凍結されるリスクがあります。

「はて、Amazonは何を求めているのか?」

落ち着いて、何度かメールを読みます。

以下に、重点ポイントをまとめます。

 

 

詳しくみていきましょう。

 

メールアドレス

Amazonのアカウントに対し警告があった場合、まずはじめにみるところはメールアドレスです。

メールアドレスにより、原因をある程度特定することができます。

今回は、notice@amazon.co.jpでした。

 

noticeからはじまるアドレスは、商標権侵害が原因です。

わたしの経験やこれまでサポートさせていただいた方のデータをもとに、メールアドレスと原因の対応一覧を作成しました。

次の記事を参考にどうぞ。

参考メールアドレスを確認する

 

権利者より著作権を侵害しているとの連絡があったこと

Amazon自身が商品ページに対し知財侵害を指摘することは例外を除けばありません。

なぜなら、知的財産権の権利を持っているのは、権利者だからです。

Amazonから警告がある理由は、Amazonはプラットフォームの運営者として第三者の立場で警告することが健全なサイト運営に繋がると考えているからです。

例外として、Amazon Basicなど、Amazonが権利を有しているものについてはAmazonから警告が直接あります。

今回は、著作権として警告がありましたが後述するJ-PlatPatで調べてみますと商標権だということがわかります。

 

当該商品の出品がキャンセルされたこと

警告を受けると、当該商品の出品がキャンセルされます。

出品ができていない状況が続くと、FBA倉庫へ預けている商品であればもれなく保管料も発生しています。

出品できず保管料も徴収される。

踏んだり蹴ったりです。

早期解決しかありません。

 

出品を再開するには、権利者が申し立てを取り下げること

警告メールに記載がある権利者のメールアドレスへ、謝罪文を送ることで申し立てを取り下げてもらえることがあります。

しかし、わたしの経験上、取り下げてくれるセラーはほぼ皆無です。

メールを送ろうものなら、無視されるか強烈な言葉で罵られるのがオチです。

申し立てメールには、はじめから期待しないのが無難です。

中国商品の場合、中華系セラーもいますからそもそも日本語が通じない。ということもありますよ。さらに、日本人セラーなら確実に商標を取得していることが多くで、取り合ってもらえないことがほとんどです。

 

Amazonへ必要な情報を提供することで出品再開の可能性があること

出品再開のカギは、Amazonへ情報提供することです。

はじめて警告メールが届いた人こそ、まずはこの点を理解しておきましょう。

必要な情報とは何か?

本文中にヒントがあります。

「「申し立て」リンクをクリックしてください。」

上記をクリックすることで把握できます。

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《実例》警告文に対し申し立てをおこなう手順

以下、今回の件でわたしがAmazonへ提出した文面と資料をすべて公開します。

参考:Amazon公式 > 知的財産権侵害についての申し立てとその手続き

お世話になっております。
ご不便をお掛けいたしております。

以下、誤って停止されたと思われる理由です。

1, 特許情報プラットフォームでは、ブランド名「Jeemitery」での登録商品は確認できないこと。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/t0100

2,当該ASINの商品ページにはブランド名「Jeemitery」と記載があるが、販売元情報を確認すると、ブランド名「kitekorosso」(登録番号6744500)と記載があること。
https://www.amazon.co.jp/sp?ie=UTF8&seller=A3JCNCHVAWWMB4&asin=B07J67KY4J&ref_=dp_merchant_link&isAmazonFulfilled=1

3,1.および2,の商標登録情報に整合性がないこと。

以上です。

なお、当社では本ASINは2020年以降、販売してございませんし、2022年よりFBAでの出品もおこなってございません。今後、FBAもしくは自己出品での販売を再開する場合も、本ASINは販売することは一切ございません。

当社でも、過去に知的財産権の侵害に対し非常に憂慮しておりました。侵害とのことであらば、商標登録番号を明示いただけますと幸いです。人為的なミスの可能性もございますため、調査し改めてご連絡させていただいきます。

よろしくお願いいたします。

 

詳しく解説します。

 

 

詳しくみていきましょう。

 

商標登録されていないことを明記する

知的財産権の登録状況は、特許庁が提供している特許情報プラットフォーム(=通称J-PlatPat)で確認することができます。

Amazonからのメールアドレスによると、商標権に関する権利ということがわかるので、J-PlatPat上の商標を選択します。

今回は、商品ページを確認すると、どうもブランド名「Jeemitery」で指摘されているため、「Jeemitery」で検索します。

 

ヒットしないので、「Jeemitery」の日本語(ジーミタリー?など)でいくつか検索してみます。

それでも、ヒットしないことがわかります。

では、何が問題になっているのか?

ブランド名は、Amazonブランド登録サービスにより保護されているため、セラーが勝手に登録することができません。この事実を知っていると、権利者が他の商標を使ってAmazonへ知財侵害を申し立てた可能性が高いと推察できます。

参照J-PlatPat > 商標権

 

販売元情報を確認する

Amazon商品ページ

 

商品ページ上には、ブランド名らしき単語が見当たりませんでした。

そこで、販売元をクリックしてみます。

案外、販売元ページで小癪(こしゃく)なことをしているセラーはいます。

 

Amazon販売元ページ

 

ビンゴです。

  • ブランド名「kitekorosso」
  • 登録番号:第6744500号

上記の登録番号で、J-PlatPatで検索しヒットすることを確認します。

おそらく、このセラーは、「kitekorosso」でAmazonブランド登録をおこない、その権利を使って今回のASINに対し申し立てをおこなったのだと思われます。

 

整合性がないことを伝える

最後に、上記2点より、権利者の主張が食い違っていることを指摘します。
目次に戻る▶▶

 

《結果》出品再開のメールが届く

平素は Amazon をご利用いただき、誠にありがとうございます。
以下の内容について、出品制限を解除し、アカウント健全性の規約違反記録を削除いたしま
した。

ASIN:B07J67KY4J
申し立て番号:*******

Amazon ではお客様を保護するため、慎重に慎重を重ねる場合がございます。本件についてご
不便をおかけしましたことをお詫び申し上げます。

 

11月11日に警告メールを受け出品が停止され、11月12日に出品が再開することができました。

といっても、わたしは出品していないので再開となって直接的なメリットはありません。

ただし、アカウントの健全性の点で、半年間は記録に残るため、当方に非がないとわかっていても丁寧に冷静に対処しています。

 

現時点では、わたしにとってAmazonのアカウントは不要ですが、今後何があるかわからないですし、評価も数千あるアカウントなので小口アカウントで維持して持っておくつもりです。

なお、Amazonは現在に出品していなくとも、過去に出品していたASINに対しても警告メールを送付する傾向があります。

全く覚えがないということはないはずなので、当時の請求書や領収書、取引のエビデンスを残しておくことも早期解決のポイントです。

現役セラーが発信している最新のAmazonの知的財産権の侵害で警告を受けたときに発生する真贋調査については、以下の記事を参考にどうぞ。

参考株式会社物販総合研究所 > Amazon真贋調査のすべて|事前にできる対策と解除方法を物販歴10年のプロが解説

目次に戻る▶▶

 

まとめ

わたしが現役のころは、アカウントスペシャリストと呼んでいた部署はセラーパフォーマンスチームに変わったようです。

当時から、アカスペの対応はコンプライアンスの面で問題があるのではないか。と指摘されていましたが、そのような経緯もあり名称が変更になったのかもしれません。

 

今回のやり取りで感じたことは、以前よりもAmazonの対応が軟化したということです。

わたしのスキルが上がっていることも間違いなくありますが、以前ならもうひと悶着ふた悶着あってもよさそうな案件でした。

いづれにしましても、セラーパフォーマンスチームからのメールには、焦らず冷静に、そして丁寧に対応することが前提になるかな。と思います。

ご質問、いつも歓迎です!本日もお読みいただき、ありがとうございました。

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