中国から仕入れ・輸入ができない品目|規制と禁止は違います

こんにちは!

中国輸入代行「誠」のパンダ社長こと酒井(@makoto1688)です^^

 

パンダ娘
中国から仕入れをはじめて1年ほど経ちました。この間、日本で売れている商品をガンガン仕入れていたら、いつくかの商品が中国または日本の税関で止まりました。物によっては、滅却となり滅却手数料まで徴収されました。とにかく、お金が欲しかったので輸出入に関するルールを勉強せずはじめてしまったことに、最近では後悔しています……そこで、中国輸入ビジネスをおこなうにあたり、輸入が禁止されている品目を教えていただきたいです。具体例も交えてアドバイスいただけると助かります。

 

この記事では、このような疑問にお答えします。

 

輸入ビジネスの規制に関するtweet

この記事は、長年、貿易仲介業を営むパンダ社長が書いています。

パンダ社長
貿易は、輸出する国と輸入する国、双方のルールによって成り立っています。日本で輸入OKでも、中国で輸出がNGのケースもあります。

 

それでは見ていきましょう。

 

中国からの輸出が禁止されているもの

中国から輸出が禁止されているものは、「輸出入禁止物品表」に記載があります。

主な輸出禁止品目は、次のとおりです。

 

  • 各武器、武器のシミュレーション、弾薬、爆発物
  • 偽造貨幣および偽造有価証券
  • 中国の政治、経済、文化、道徳に危害を加えるもの、中国の国家機密に関わる印刷
    品、フィルム、写真、レコード、映画、録音テープ、ビデオテープ、レーザーディ
    スク、コンピュータ用ストレージメディアなど
  • 各種毒薬
  • アヘン、モルヒネ、ヘロイン、大麻および中毒性のあるその他麻薬、向精神薬
  • 危険性のある病菌、害虫およびその他有害生物を携帯する動植物とその副産品
  • 人畜の健康を脅かし、疫病が発生・流行している国・地域からの食品・薬品、およ
    びその他疾患を拡散する食品・薬品など
  • 貴重な文物
  • 貴重な動植物(標本を含む)、絶滅に瀕する動植物(標本を含む)およびその種と繁
    殖材料

 

このうち、税関で止まりやすいのは、「各武器、武器のシミュレーション、弾薬、爆発物」です。

ミリタリー系のおもちゃであっても、最近は改造することで武器転用できるような製品もあります。

一般的にイメージするような武器そのものではなくても、中国税関の担当者の判断で止まることがあります。

 

おもちゃの「元紙幣」であっても取り扱わないのが無難です。

エアガンのパーツ(スコープやバネ)、ナイフは、何度か止まっているので、当社は受注しても取扱不可にしますよ。

 

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日本での輸入が禁止・規制されているもの

日本での輸入禁止・規制されているものは、「関税法」の第69条の11で謳われています。

以下、罰則規定も合わせて紹介します。

 

輸入が禁止・規制されているもの
  • 日本での輸入が禁止されているもの
  • 日本での輸入が規制されているもの

 

詳しく見ていきましょう。

 

日本での輸入が禁止されているもの

日本での輸入が禁止されているものは、次のとおりです。

 

  1. 麻薬、向精神薬、大麻、あへん、けしがら、覚醒剤、あへん吸煙具
  2. 指定薬物(医療等の用途に供するために輸入するものを除く。)
  3. けん銃、小銃、機関銃、砲、これらの銃砲弾及びけん銃部品
  4. 爆発物
  5. 火薬類
  6. 化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律第2条第3項に規定する特定物質
  7. 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第6条第20項に規定する一種病原体等及び同条第21項に規定する二種病原体等
  8. 貨幣、紙幣、銀行券、印紙、郵便切手又は有価証券の偽造品、変造品、模造品及び偽造カード(生カードを含む)
  9. 公安又は風俗を害すべき書籍、図画、彫刻物その他の物品
  10. 児童ポルノ
  11. 特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権、著作隣接権、回路配置利用権又は育成者権を侵害する物品
  12. 不正競争防止法第2条第1項第1号から第3号まで又は第10号から第12号までに掲げる行為を組成する物品

 

過去に日本通関で止まった商品は、1.と2.の粉系商品と11.の権利関連商品です。

少量でもアロマオイルやバスソルトは要注意です。

なぜなら、他国では合法でも日本で非合法な「麻薬」や「指定薬物」が含まれていることがあるからです。

 

また、税関では止まらなくても販売時に権利者から訴えられることがあるのは、ハイブランド品です。

特に、グッチやエルメス、ルイヴィトンなどのハイブランド品の柄や形を模した製品は要注意です。

たまたま日本通関時に開梱検査がなかっただけで、販売しているといつか権利侵害で訴えられます。

 

わたしの実体験として、エルメスのバーキンのバックを模したバックをアマゾンで販売していた時に、エルメスの日本代理店から権利侵害を訴えられたことがあります。

取扱い前に、意匠権の調査を怠ったことが原因です。

権利者が取り下げていただいたので事なきを得ましたが、知らなかったでは済まされないこともあります。

 

商品選定にはくれぐれも細心の注意を払ってくださいね。

パンダ社長
代行はできる限りのことはしますが、税関でどうなっても助けることはできませんよ。自己責任です。

 

輸入が禁止されているものを輸入したときの罰則規定

少なくとも、6ヵ月以下以下の懲役若しくは50万円以下の罰金又は併科

参考:税関 > 水際取締 > 関税法の罰条

 

日本での輸入が規制されているもの

日本での輸入が規制されているものは、次のとおりです。

 

外国から輸入される貨物については、わが国の産業、経済、保険、衛生、公安及び風俗等に悪影響を及ぼすものがあり、これらの貨物について、わが国では、それぞれの国内法令によって「輸入の制限」を行っています。
輸入の制限については、外国為替及び外国貿易法その他の法令により、貨物の輸入に関して許可、承認その他の行政機関の処分または検査あるいは条件の具備(以下「許可、承認等」)を必要とする旨規程しており、この制限を、関税法による輸入の許可制に結びつけることによってその実効を確保しています。

 

税関ホームぺージには、規制対象を明記されていないようですので補足します。

中国輸入で起こり得る規制されているものの多くが、日本での販売規制です。

たとえば、コンセント付製品を販売するには、PSEマークの取付が義務付けられています。

 

その他にも、食品を販売するには、食品衛生に関する届け出がないと通関できませんし、アパレル製品を販売するには、日本語での品質表示タグを取り付けることが義務付けられています。

PSEマークや食品衛生届け、品質表示タグについては、過去記事が参考になると思います。

 

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「誠」で取り扱いが出来ないもの

当社で取り扱いが出来ないものを抜粋します。

原則、ここまで紹介した中国側と日本側の法律に準じ、規約としています。

 

  • 中国政府が輸出を禁止している製品
  • 日本政府が輸入を禁止している製品
  • 著作権や意匠権、商標権などの知的財産権侵害を有した製品を侵害している疑いのある製品(ウォッチ型ブランド時計、ハイブランド品そのものまたはブランドのデザインを模した製品、有名アニメやキャラクターを連想させる製品、海賊版DVDなど)
  • 動物などの生体(ワシントン条約に違反する行為や製品、動物など)
  • モントリオール議定書に違反する製品(オゾン層を破壊するおそれのある製品)
  • 外国為替及び外国貿易法に指定されている品目(海産物など)
  • ポルノなど公序良俗に反する製品
  • 危険物(スプレー缶、可燃性・引火性のある製品、ガスバーナー、炭、ライター、マッチ、ZIPPOライター、オイル、油、お香、電子タバコ、電子タバコに付属するパーツまたは本体、ダイナマイト、火薬、ナイフ、エアガン、木刀、軍事転用可能な部品)
  • 薬物(麻薬、大麻、粉類も含む)
  • 液体(水、ジュース、化学薬品、ヘアオイル、ハンドクリーム、フェイスパック、化粧品類)
  • 粉末(砂、砂時計、化粧品、ラメ)
  • 食品(当社では輸出権がないため取扱い不可)
  • 食器、家庭用ナイフ、6歳未満向けの玩具(輸入港を管轄する厚生労働検疫の部署へ「食品等輸入届出書」の届け出が必須
  • 植物防疫法で定められた品目(植物、ドライフラワー、土、漢方薬、造花)
  • コンセント付き製品(JISマークやPSEマークが必須)
  • 薬事法に抵触する製品(医薬品、医薬部外品、化粧品、コンタクトレンズ、医療機器は厚生労働大臣の許可が必要)
  • 関税定率法で定められた品目(麻薬、拳銃、爆発物、火薬、偽造貨幣、ポルノ関連の書籍、知的財産権を侵害した製品)

参考:利用規約 > 取り扱いが出来ない商品

 

当社では対応できないことでも、専門業者へ依頼することで輸出することができます。

食品や植物は、中国での輸出権を持っている専門業者を通すことで輸出できます。

食器、家庭用ナイフ、6歳未満向けの玩具は輸出できますが、日本で通関するには、貴店より輸入港を管轄する厚生労働検疫の部署へ「食品等輸入届出書」の届け出が必要です。

 

同様に、コンセント付き製品や薬事法に抵触する製品も輸出できますが、日本で通関するには、貴店での必要書類の準備・提出が必要です。

また、武器を除く危険物は取扱いできないとしていますが、次の条件をもとに要相談で対応させていただいている実績もあります。

当社は、船が得意なので物量が多い貨物であれば比較的何でも対応しています。①法人であること、②過去に通関実績があること、③skypeやwechatでやり取りができること。

 

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結論:商品選定は慎重に!

まとめます。

 

  • 日本では輸入OKでも、中国では輸出がNGのケースもある。
  • アロマオイルやバスソルト、一部のミリタリーグッズは取り扱わない方がよい。
  • 日本で通関できても、販売規制がある商品もある。

 

本日もお読みいただき、ありがとうございました^^

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