
こんにちは!
中国輸入代行「誠」のパンダの社長こと酒井(@makoto1688)です^^
今回はこちらの疑問にお答えします。
▼タオバオでのキャンセルに関するtweet▼
タオバオ。キャンセルするにも、店舗の承認が必要なんですよね。店舗が承認するまで返金されないですし、店舗が返金しなければ、代行も貴店へ返金ができない。そんな構図は比較的日常的に起こり得ます。解決方法は、タオバオはそんなものとして受容し、待つ。です#中国輸入
— パンダ社長@中国輸入代行「誠」OEMと無在庫直送の専門業者 (@makoto1688) February 14, 2023
タオバオ。キャンセルするにも、店舗の承認が必要なんですよね。店舗が承認するまで返金されないですし、店舗が返金しなければ、代行も貴店へ返金ができない。そんな構図は比較的日常的に起こり得ます。解決方法は、タオバオはそんなものとして受容し、待つ。です
この記事は、長年、中国輸入代行を営むパンダの社長が書いています。
それでは見ていきましょう。
(タップできる)もくじ
タオバオでキャンセルが生じる背景
中国輸入をはじめた頃は、「早く売上を上げたい!」とか「早く利益を上げたい!」などと考えるものです。
私もそうでしたし、とても健全なことだと思います。
だって、生活のために、または自由になりたくて、はじめるわけですからね^^
(高校や大学の入学理由が、「中国と取引したいから」なんて人はそうそういないのですよ)
ただ、実際に始めてみると、いくつかの躓きポイントがあることに気付きます。
日本人の感覚ではあり得ないことが海外では起こります。
そして、感覚の違いをなかなか理解できずに中国輸入を辞められていくなんてこともあるようです。
そんな中、タオバオの店舗が平気にキャンセルすることも、日本人の感覚にはないことの1つかもしれません。
タオバオでキャンセルする。
中国輸入をはじめる前までは、なかなか想定し得ないことではないでしょうか。
しかし、無在庫で販売していると、「タオバオでキャンセルする」は起こります。
タオバオでキャンセルが生じる背景には、次のようなものがあります。
詳しくみていきましょう。
エンドユーザー都合によるキャンセル
1つ目は、「エンドユーザー都合」によるキャンセルです。
エンドユーザーもさまざまな方がいらっしゃいます。
クレーマー?のような方から神様?のような方まで^^;
エンドユーザー都合でのキャンセル理由には、次のようなものがあります。
- 希望の納期に間に合わないため
- 他店でもっと安い商品を見つけたため
- レビューを再考し、やっぱり不要と判断したため
貴店都合によるキャンセル
2つ目は、「貴店都合」によるキャンセルです。
「自分で注文するのだから間違えない!」
なんて思う方もいらっしゃるかもしれませんが、現に間違えて注文なされることもあるようです。
当社に対し憤慨なさっている方によくよくお話を伺うと、「あれ?」ってこともありますよ。
貴店都合によるキャンセルの背景には、次のようなものがあります。
- 注文数を間違えて選択していた
- バリエーションを間違えて選択していた
- 管理しているエクセルの行列がズレていた
- 同じ商品を2度注文していた
- 外注さんが誤って異なる商品を注文していた
代行会社都合によるキャンセル
3つ目は、「代行会社都合」によるキャンセルです。
代行会社も人ですから、注文ミスをすることがあります。
やろうと思えば、タオバオのシステムと代行会社のシステムを連携して、注文をかけることもできます。
しかし、システム自動にすると「在庫確認」ができなくなります。
特に無在庫では「在庫確認」は必須ですから、代行会社は人を介す方が無難です。
(ただし、人を介すと人為的ミスも生じやすくなります)
代行会社都合によるキャンセル理由には、次のようなものがあります。
- 注文数を間違えて選択していた
- バリエーションを間違えて選択していた
タオバオ店舗都合によるキャンセル
4つ目は、「タオバオ店舗都合」によるキャンセルです。
タオバオ店舗もキャンセルすることがあります。
しかし、これはとても稀です。
というのも、タオバオの納期に期限はないなので、無在庫セラーは「いつでも手配すればいい」と考えているためです。
中には、キャンセル対応していただける店舗もある。という意味での「稀」です。
タオバオ店舗によるキャンセル理由には、次のようなものがあります。
- 無在庫で販売しており、在庫が確保できなかった
- 商品ページの在庫数と倉庫の在庫数が一致していなかった
- 商品ページのバリエーションごとの在庫数が一致していなかった
- タオバオ以外でも販売しており、在庫反映までに時間を要し、在庫が確保できなかった
タオバオでのキャンセル手順
代行会社を経由して中国輸入ビジネスをしている限り、貴店がタオバオで直接キャンセル機会はありません。
キャンセルは、代行会社を通じおこないます。
キャンセルの依頼から承認までの流れを念のため書いておきます。
- エンドユーザーが貴店へキャンセル依頼する
- 貴店が代行会社へキャンセル依頼をする
- 代行会社がタオバオ店舗へキャンセル依頼をする
以下、実際に、代行会社(当社)がタオバオ店舗へキャンセル依頼してから承認となるまでの画面をシェアします。
タオバオへキャンセルリクエストした画面

上記から返金または返品したい商品を選択する・返金/返品
・通報する
・送料保険を使う

2. 上記画面で「退款/退货」ボタンをクリックすると、次の画面になります。ピンク枠の部分を入力します。
・返金理由
・返金金額
・返金説明
・写真

3. 店舗が承認すると、ピンク枠のメッセージが表示されます。
「この注文は欠品のため、返金しました。」
タオバオでのキャンセル時に起こったトラブル事例
タオバオでは、商品のキャンセル権限は店舗にあります。
この事実を知ったとき、「え?なんで?」と、私は思っていました。
この「なんで?」について、もう少し掘り下げてみます。
日本のモールはお客様第一主義の傾向があります。
一方で、タオバオは店舗主義です。
「タオバオ本体の収入は、店舗数と販売数に直結するため」、と言われれば、たしかにそのとおりです。
だけれど、店舗の先にはお客様(エンドユーザー様)がいらっしゃり、そのことはタオバオも認識しているはずです。
では、なぜタオバオは店舗主義なのでしょうか。
そのヒントは、中国国内での格差社会に起因するものと推察しています。
中国国内でタオバオを利用する層は、所得が低い層です。
(地理的には、北方や西方などに多い農村地域からの利用が多いです)
中国では毎年、格差が広がっており、数年前に比べ中所得者のタオバオ利用も減少傾向にあるようです。
タオバオがターゲットとしている層は低所得者層です。
そのため、売価は、他の中国のモールと比べても比較的安価です。
売価が安価であれば、利益も少ないです。
店舗からすれば薄利多売です。
薄利多売の中で、キャンセルに対応していたら店舗は儲からないです。
店舗が儲からないと撤退に繋がり、タオバオ本体も儲からないです。
中国の低所得者向けに販売している製品を、日本人が買い付けて日本で転売している。というのが実態です。
「中国は品質がよくない」と聞く割には、そのような品質の製品を日本人は着たり使ったりしているともいえるのかもしれません。
ただ、私としては「中国は品質がよくない」は10年以上前の感覚で、最近の中国はタオバオであったとしても、日本人が求める基準の製品も出回っているように感じます。
前段が長くなりました。
ここからは、タオバオでのキャンセルにおいて実際に起きた事例を紹介します。
よくある事例は、次の5つです。
詳しくみていきましょう。
在庫有りを主張し続け、キャンセルしない
1つ目は、「在庫有りを主張し続け、キャンセルしない」です。
ユーザー様より当社は、キャンセル依頼を受け付けします。
そして、当社が店舗へキャンセルリクエストします。
すると、店舗が「在庫有り」を主張し続け、結果、いつまでもキャンセルできないことがあります。
店舗がキャンセルを承認しないため、返金されません。
店舗が「在庫有り」を主張し続ける理由は、定かではありません。
推察でしかありませんが、店舗評価に影響が生じるためではないか。と思います。
発送したのに発送していない
2つ目は、「発送したのに発送していない」です。
店舗が発送すると、店舗はタオバオ上で追跡番号を入力します。
店舗が追跡番号を入力すると、当社の管理システムへ追跡情報が反映されます。
しかし、待てども待てども商品が当社倉庫へ到着しないことがあります。
この原因は、いくつか考えられます。
- 店舗がダミーの追跡番号を入力した
- 店舗が中身がない状態で、箱だけを発送した
- 運送会社が紛失した
結果、当社倉庫へ商品が到着していないので、当社は店舗へ確認します。
一方、ユーザー様は、当社システムを通じステータスが[店舗発送済み]となっていることが把握できています。
そのため、なかなかステータスが[誠倉庫到着]にならず、当社へ確認依頼をすることになります。
調査せども、店舗は「発送した」と言い張り、当社はタオバオのカスタマーサポートへ相談します。
もうこうなると、泣き寝入りに近くなります。。
(キャンセルしようとも、現物がないので返品もできず、返金もされないケースです)
発送していないのに発送している
3つ目は、「発送していないのに発送している」です。
2つ目の「発送したのに発送していない」の真逆のパターンです。
そう。
「???・・・どういうこと?」
なんです。。
これまでにも何度とお伝えしているように、タオバオには無在庫セラーも存在します。
体感では、3分の1~半分が無在庫セラーです。
以下、タオバオの無在庫セラーの立場でお読みください。
タオバオの無在庫セラーが受注します。
タオバオの無在庫セラーは、取引先やメーカーまたは有在庫セラーなどの仕入先へ注文します。
ここまでは問題ありません。
ここからです。
その後、仕入先から無在庫セラーに対し、発送連絡をしないことがあります。
無在庫直送の場合、在庫は自身を通りません。
ですから、仕入先が「発送したよ」と教えてくれないと、発送可否が把握できないのです。
結果、無在庫セラーはタオバオへ追跡番号を入力することができません。
しかし、何だかわからない商品が当社倉庫には届きます。
追跡番号が発番されていないので、当社倉庫ではどの注文No.の商品かをすぐに特定することができません。
特定するにも時間を要し、貴店よりキャンセル依頼を受ける。なんてことになります。
キャンセル承認後に発送する
4つ目は、「キャンセル承認後に発送する」です。
これもハテナな現象ですが、起こります。
背景は、「発送していないのに発送している」と似ています。
タオバオの無在庫セラーが、キャンセルを承認する。
承認したのだけれど、取引先との意思疎通がうまくいっておらず、商品は配送され、
結果、商品が当社倉庫へ到着するケースです。
タオバオ上はキャンセルになっているのだけれど、商品が当社倉庫へ到着する。
そして、かるた取り大会になり、注文No.と突合でき次第、ユーザー様へ指示を請う流れになります。
店舗発送後、キャンセル→悪意
5つ目は、「店舗発送後、キャンセル→悪意」です。
ユーザー様が当社へ何らかの理由でキャンセル依頼をします。
当社はタオバオ上でキャンセルリクエストをします。
店舗は「発送してからキャンセルするなんて悪意じゃないか。」という主張をします。
やり取りを進めていくうちに、店舗はタオバオ事務局へ通報します。
(通報される頻度が多いと、代行会社のアカウントがマークされやすくなります。。)
この原因は、
店舗が発送後に、店舗が追跡番号をすぐに入力しない(もしくは入力できない)ためです。
結果、当社もユーザー様も発送したことが把握できません。
キャンセルリクエストしたあとに、追跡番号を反映し、「発送しているじゃないか」といった具合に、
時系列がズレるため、トラブルになります。
タオバオでのキャンセルを回避する方法
タオバオでのキャンセルにおけるトラブル事例を思い出していると、私自身が混乱してきました。
「どうしてそうなっちゃったのだろう」とか「何が原因だったのだろう」など、改めて整理しました。
一筋縄にはいかず、案件ごとに背景も違います。
今回は、よくある事例ということで、極力わかりやすく時系列で記載しようと努力しましたが、伝わりづらかった部分もあったと思います。
詳しくみていきましょう。
タオバオにも無在庫セラーがいることを受け入れる
原因は、これに集約されるかもしれません。
タオバオにも無在庫セラーが出店していることで、登場人物が増えます。
「無在庫セラー」に加え、「無在庫セラーの仕入先」です。
双方間の意思疎通がうまくいっていないことで、発送した発送していないの時系列が前後します。
結果、代行会社もユーザー様も実態把握と問題解決に時間を割かれます。
有在庫セラーから仕入れる
対策は、仕入先の選定精度の向上です。
仕入先が無在庫セラーですと、貴店も無在庫、仕入先も無在庫になります。
すると、不確定要素が増えます。
無在庫販売は、①在庫確保、②納期厳守の2つが肝です。
タオバオの無在庫セラーに在庫確認をして、「在庫ありません」との返答はほぼありません。
なぜなら売りたいから。
そのような点でも、仕入先は有在庫セラーの方が無難ではないか。と思います。
繰り返しになりますが、無在庫セラーと有在庫セラーの選別は、出品点数でおおよそ見分けが付きます。
有在庫セラーが1,000種もの商品を持っている。というのも少し考えにくいじゃないです。
とは言っても、
しっかり発送してくれる無在庫セラーもいますし、
有在庫セラーと思っていたら無在庫セラーだった。ということも起きます。
起きたときの対策は、「早めにキャンセル可否の判断をすること」です。
そして、キャンセルすると決めたのであれば、返金を待たずに、新たなセラーへ注文することです。
これ。できない方。結構多いです。
キャンセルが確定するのを待っていると、時間だけが過ぎ、イライラMAXです。
二兎を追う者は一兎をも得ず。
納期を取るのか、お金を取るのか。
どちらか1つを選択する勇気を持って。
貴店が新規店舗へ再注文している間に、並行して当社はキャンセル交渉をおこないます。
結果、どうなるかはわかりませんが、早かれ遅かれ結果は同じです。
最悪の事態を想定して、リサーチ時の利益計算をしておくとよいかもしれません。
アリババ1688.comの方がトラブルが多い
補足です。
2020年頃までは、タオバオに比べ1688.comの方がトラブルが少なかったです。
しかし、最近はタオバオの規約はユーザー目線へ改定されつつあります。
結果、当社では、タオバオよりも1688.comの方がトラブル解決に時間を要しています。
(同じアリババグループでも、モールごとに経営方針やターゲットが異なります)
タオバオの対応が軟化している理由の1つは、新たな競合モールの存在だと推察しています。
TikTokモール、wechatモール、拼多多(ピンドゥオドゥオ)であったりと、より安価で低所得者層をターゲットにしたモールが増えています。
そうしたモールへ対抗すべく、タオバオも動いているのではないかと。ですね。
返金の流れ:キャンセル後のお金はいつ戻る?
タオバオで商品をキャンセルした場合、多くの方が気になるのは、返金がいつどのように戻ってくるのかという点です。
たとえば、自己都合でキャンセルした場合と、相手都合でキャンセルになった場合では、返金のタイミングや手続きが異なることがあります。
ここでは、タオバオでキャンセルした際の返金の流れを詳しく解説し、キャンセル後に確認しておくべきポイントについても触れます。
まず、タオバオでキャンセルが成立した場合、返金は通常、決済に使用した支払い方法に基づいて処理されます。
返金のタイミングやプロセスは支払い方法によって異なりますが、一般的な流れを以下に説明します。
詳しくみていきましょう。
1. キャンセル申請の承認
キャンセルをおこなうと、まずは販売者(セラー)側がキャンセル申請を承認する必要があります。
たとえば、セラーが商品をまだ発送していない場合は、迅速にキャンセルが承認されることが多いですが、すでに発送済みの場合は、返品手続きが追加で必要になることがあります。
セラーの承認が得られたら、キャンセルが正式に成立し、返金手続きが開始されます。
2. 返金処理の開始
キャンセルが承認された後、タオバオまたは決済プロバイダー(Alipayなど)が返金処理をおこないます。
この時点で、返金がどのくらいの期間で戻ってくるかは、使用した決済方法に依存します。
たとえば、クレジットカードでの支払いの場合、通常はキャンセル承認後7~10営業日以内に返金が完了しますが、カード会社によってはさらに時間がかかることがあります。
3. 支払い方法別の返金タイミング
クレジットカードの場合
クレジットカードで支払った場合、返金額は自動的にカードに戻りますが、具体的な返金の反映はカード会社の処理時間によって異なります。
通常は7〜10日ですが、場合によっては次の請求周期に返金が反映されることもあります。
このため、返金がすぐに確認できない場合でも、数日待ってみると良いでしょう。
Alipay(アリペイ)の場合
Alipayを通じて支払った場合は、返金は比較的早く、数日以内にアカウントに反映されます。
特に、銀行口座をリンクしている場合は、直接口座への振込が早期に行われることが多いです。
4. 返金状況の確認方法
キャンセル後の返金状況は、タオバオの注文履歴ページから確認することができます。
「我的淘宝」内の「我的订单」から該当する注文を選択し、「退款進度」などの項目で返金がどの段階にあるのかをチェック可能です。
また、Alipayやクレジットカードの明細にも返金が反映されるか確認しておくと安心です。
5. トラブル発生時の対応策
万が一、返金がなかなか確認できない場合や、誤った金額が返金された場合には、すぐにタオバオのカスタマーサポートに連絡することをおすすめします。
また、クレジットカード会社に直接問い合わせをおこなうことも有効です。
トラブルを避けるためにも、キャンセル手続きの際にはしっかりと画面を確認し、正しいキャンセル理由を選択することが重要です。
まとめ
- タオバオでのキャンセルは、主にセラーの承認が必要です。
- 自己都合と相手都合のキャンセルでは、返金のタイミングが異なることがあります。
- キャンセル後の返金は、支払い方法に依存し、通常7〜10日程度かかります。
- キャンセル理由を正確に選び、トラブルを避けるために状況を確認しましょう。
- 返金が確認できない場合は、タオバオやクレジットカード会社に問い合わせることが推奨されます。
