
こんにちは!
中国輸入代行「誠」のパンダの社長こと酒井(@makoto1688)です^^
このような疑問にお答えします。
▼輸入許可通知書に関するtweet▼
輸入許可通知書は捨てずに取っておいた方がよいですよ。なぜなら、関税の他に、「消費税」と「地方消費税」が明記されているからです。起業1~2年目は「消費税」の免税措置があるので、当該納付分が還付されます。ちなみに、捨てても再発行できます。日本の通関業者へご依頼ください
— パンダの社長(酒井隆太)@中国輸入代行「誠」 (@makoto1688) January 19, 2022
この記事は、長年、中国輸入代行を営むパンダの社長が書いています。
それでは見ていきましょう。
(タップできる)もくじ
輸入許可通知書とは
海外から発送した貨物(荷物)を日本で通関する際に、「日本国へ入国してokだよ」という証明として輸入許可通知書が発行されます。
人が入国する際に必要なパスポートの貨物版のようなものです。
輸入許可通知書には、「関税」以外にも「消費税」と「地方消費税」の記載があります。
ちなみに、起業2年目までは消費税が免除(平成25年からは起業1年まで免除、2年目は条件付きで免除)になりますが、3年目以降は「消費税」が徴収されます。
輸入許可通知書の入手方法
輸入許可通知書の入手方法は3つあります。
詳しくみていきましょう。
到着した荷物(ダンボール)の側面に添付されている
荷受けしたら、開封の前に側面を確認してみてください。
透明のパウチ袋に入ったA43つ折りまたは2つ折りの書類が添付されています。
日本で通関すると、通関業者が荷物に添付してくれます。
運送中に剥がれ落ちることもあるので、荷受け時に添付書類があるかどうか確認することをオススメします。
NACCSからダウンロードする
NACCSとは、通関手続きをオンラインで行うシステムのことです。
NACCSへは無料で登録でき、輸入許可通知書をダウンロードすることができます。
登録は、次のページより電話でお問い合わせるのが早いです。
また、NACCSで輸入許可通知書をダウンロードする前に、NACCSへの利用登録が必要です。
法人でも個人でも登録できますが、輸出入者コードを要します。
登録は、次のサイトでおこなえます。
日本の通関業者へ、電話またはメールで発行依頼する
最終手段として、どうしても輸入許可通知書が手に入らなかった場合は、日本の通関業者へ発行を依頼してください。
形式上、輸入許可通知書の再発行になります。
通関業者により対応方法が異なりますが、ひとまず通関業者に電話してみましょう。
輸入許可通知書の見方
貿易実務に従事する場合は、より細かく理解する必要があります。
ただし、個人輸入ビジネスであれば下記6項目を把握していれば十分です。
番号 | 説明 |
① | 輸入者(あなた)の名義や所在、電話番号の情報です。 |
② | 発送元(代行業者など)の名義や所在、電話番号の情報です。 |
③ | 通関を代理で行う業者(SGHやDHLなどの運送会社)の名前と担当者の名前です。 |
④ | 貨物を載せた港と貨物を降ろした港です。 |
⑤ | 貨物の個数と重量です。 |
⑥ | 「関税」「国消費税」「地方消費税」です。関税率は、輸入する品目により異なります。消費税8%の内訳は、国消費税(6.3%)と地方消費税(1.7%)です。 |
輸入許可通知書における通関区分について
輸出入者コードやJASTPROコードには、輸入者符号に記録されている過去の輸入実績に応じ、区分が設定されています。
区分は、輸入者の信用や輸入する品目により異なり、区分1~区分3まであります。
上記画像の下に、「1」「2」「3X」「3R」「3K」「3M」の文字が入ります。
通関スピードは、「1:早い、2:普通、3:遅い」といった具合です。
区分コード | 説明 |
1 | 簡易審査。同一商品の過去の輸入実績が豊富な場合、入港次第、自動で輸入許可になります。 |
2 | 通常審査。税関による書類チェックがあります。場合により、区分3に回り場合もあります。 |
3X | 大型X線検査を行います。 |
3R | 貨物の保管場で現物を開封し確認します。(保管場が遠い場合、税関職員の移動やスケジュール調整もあり、時間を要することが多いです) |
3K | 税関の検査場で現物を開封し確認します。 |
3M | 見本確認を行います。 |
輸入許可通知書は、小型包装物でも発行されるのか
最後に、無在庫の話をします。
中国輸入での無在庫では、小型包装物として国際発送することがほとんどです。
小型包装物は、関税が生じることがあまりないため、輸入許可通知書は発行されません。
関税が発生した場合は、多くの通関業者の場合は、代行業者(中国側)で立替になることが多いです。
近年では輸入許可通知書のデジタル化が進んでいる
従来、貿易業界はデジタル化があまり進んでおらず、手渡しやFAXなどのアナログな方法での書類の受け渡しが主流でした。
日本では、平成25年10月より、輸入許可通知書を含む、輸出入通関に関する多くの書類を電子化して提出できるようになりました。
輸出入申告時に提出するインボイスも、電子化されて「電子インボイス」の選択肢が増えました。
商品個数や品名などの情報をNACCSに登録すると、電子データで輸出入申告ができます。
また、貿易関連書類のデジタル化を進めるうえで大きく関わっている法律が、電子帳簿保存法です。
この法律に定められた条件を満たし、税関長に承認されたシステムを使用すれば、書類を電子化しての保存することができます。
新型コロナウイルスや関税の低水準化などの影響もあり、世界でも貿易業界におけるデジタル技術の活用推進の動きが活発です。
輸入許可通知書をデジタルで受け取るメリット
長年紙ベースの書類のやり取りが主流だった貿易業界も、徐々にデジタル化が進んできました。
次に、輸入許可通知書をデジタルで受け取った場合のメリットを3つ紹介します。
詳しくみていきましょう。
貿易関係書類のデジタル化で貿易コストが削減される
輸入許可通知書やその他の貿易関係書類がデジタル化されることで、貿易に関わる時間や手間、費用などの削減に期待できます。
最も大きなメリットは、荷物が届くまでの時間が早くなることです。
電子化した書類は、郵送の手間がない分早く届きます。
次の作業にもすぐ取り掛かれるため、輸入リードタイムが短縮できます。
データ入力作業や、書類の郵送に関わる人件費も削減できるでしょう。
貿易にかかる費用を削減することで、中小企業や個人でも気軽に海外市場と貿易がしやすくなるメリットも生まれます。
データの使途が増える
貿易関係書類をデジタル化すれば、データを簡単に取得できるため、情報を有効に活用できます。
例えば、電子データをExcelや表計算ソフトなどを使って加工すると、輸入傾向の把握に役立ったり、帳簿を簡単に作成したりできます。
輸入データを簡単に管理できれば、マーケティングやビジネス戦略が計画しやすくなったり、貿易知識が向上したりするメリットがあるでしょう。
また、今注目されているAIやRPA(ロボットによって事務作業を自動化できる技術)などの、新しいデジタル技術との連携も期待できます。
管理が簡単になる
輸入許可通知書を含む輸入帳簿は、7年間の保存が義務付けられています。
紙の書類は、保管場所の確保のほか、必要に応じて内容をPCに手動で移すような手間も発生していました。
デジタル化されると、こうした書類の管理と活用が簡単にできます。
過去のデータを素早く確認できるため、今後の方針を決める決断も素早く下せるというメリットもあります。
また、内部監査や事後調査の実施、輸入実績の確認などの理由で、輸入許可通知書を簡単に探し出したい際にもデジタル化された書類は役立つでしょう。
輸入許可通知書を失くした場合の対処法
輸入許可通知書を紛失してしまった場合、すぐに対処する必要があります。
以下は具体的な手順です。
詳しくみていきましょう。
税関への連絡
まず、輸入手続きを行った税関に連絡を入れ、輸入許可通知書の再発行が可能かどうか確認します。
税関は、あなたの輸入申告情報をデータベースに記録していますので、必要な情報を提供することで再発行を受けられます。
連絡時に必要な情報は次のとりです。
- 輸入許可通知書番号
- インボイス番号やB/L番号(Bill of Lading)
- 貿易業者の名称と住所
- 輸入した商品の詳細
これらの情報を基に税関が手続きを行い、再発行の可否を決定します。
書類の再発行
税関に再発行を申請する際、通常は紛失を証明する書類や身分証明書などが必要になります。
具体的な必要書類は管轄の税関によって異なる場合があるので、事前に確認しておきましょう。
また、オンラインで輸入手続きを行った場合は、税関のウェブサイト上でデジタルコピーを確認することができる可能性もあります。
電子申告システムを使用している場合、再発行の手続きはオンラインで簡単に完了することがあります。
業者への連絡
場合によっては、取引先や貿易業者に輸入に関する書類のコピーを依頼することも可能です。
特に輸入許可通知書が輸入手続きに不可欠な場合、業者があなたに協力して必要な情報を提供することがあります。
証明書を再発行するまでの注意点
輸入許可通知書の再発行には時間がかかることがあります。
その間、輸入した商品の取扱いや輸入手続きに影響が出ることもあります。
たとえば、税金の支払いや通関手続きが遅れることがあるため、可能な限り早く対応することが重要です。
また、再発行までの期間中に万が一書類が見つかった場合は、速やかに税関に報告し、手続きを止めるよう依頼する必要があります。
輸入許可通知書に関するよくある質問
輸入許可通知書について、見方から入手方法、最近のデジタル化について解説しました。
ここからは、輸入許可通知書についてのよくある質問をご紹介します。
詳しくみていきましょう。
輸入許可証はいつ発行されますか?
輸入許可は輸入国の税関がおこないます。
つまり、日本へ輸入する場合、日本の税関がおこないます。
次のような理由で輸入区分1に指定されると、輸入申告後すぐに輸入が許可されます。
- 無税または免税となった場合
- 関税の納期限延長制度を申請している場合
- 口座振込方式を適用している場合
輸入許可書が発行されるまでの流れは次のとおりです。
- 船または飛行機が到着した後、貨物が保税倉庫に保管される
- 税関の審査や検査があれば行い「輸入(納税)申告書」と税関に求められた書類を提出して輸入申告する
- 関税と消費税の納付があれば行い、税関長から輸入許可書を取得する
輸入許可通知書が必要な理由は?
輸入許可通知書は、商品の輸入に関する記録を保持するために必要です。
また、商品が正規の手続きを経て輸入されたことを証明するため、保管しておくことが推奨されます。
輸入許可通知書がないとどうなりますか?
輸入許可通知書がないと、商品の輸入が正式に完了した証明ができないため、トラブルの原因となる可能性があります。
商品の所有権や通関手続きに関する証拠として必要なため、なくさないよう注意が必要です。
また、税務上、関税や輸入消費税の支払い証明になります。
失くすと経費にできないこともあります。
失くさないように注意してください。
輸入許可通知書はどこでもらえますか?
関税と消費税などの税額を納付し、税関によって輸入許可書が交付された後、NACCSによる申告の場合は、通関業者の端末に輸入許可通知書が送付されます。
その後、通関業者が印刷して荷主に送ったり、荷物に添付したりします。
NACCSに無料の登録をして、自分で輸入許可通知書をダウンロードすることも可能です。
輸入許可通知書を再発行したい場合は、メールや電話で日本の通関業者へ発行を依頼します。
出典:NACCS
輸入許可通知書を再発行する方法はありますか?
許可や承認等の通知情報の再出力は、税関のみで可能です。
そのため、削除してしまった場合は、申告税関に証明交付を依頼します。
ただし、NACCSで操作して対応できる場合もあります。
操作方法は次のとおりです。
- 送受信電文一覧画面の受信フォルダまたは、ごみ箱フォルダを選択
- コードと記載された部分をクリック
- 該当出力情報コード+(業務固有情報欄)に該当申告番号の電文があれば、再印刷
詳しくはNACCSのホームページに記載されています。
参考:許可・承認通知情報の再出力方法について(NACCS掲示板)
個人輸入のインボイスとはなんですか?
インボイスは輸出者が輸入者に対して発行する書類です。
荷物の内容やどこからどこへ運ばれるのかなど、通関と請求の際に必要な事項が記載され、次のようなさまざまな役割を持ちます。
- 明細書
- 請求書
- 納品書
- 運送書類
また、2023年10月から導入されたインボイス制度に影響を与える場合もあります。
海外の商品を輸入する際は、次の条件に当てはまる場合、日本の消費税が課税されます。
そのため、該当する場合は適格請求書の発行が必要です。
- 販売者が国内の課税事業者
- 国内取引に該当している
電子版の輸入許可通知書はどのように保管すれば良いですか?
電子版の輸入許可通知書は、NACCS 上にも格納されています。
しかし、必ずバックアップを取り、信頼できるデジタル保管場所(クラウドストレージなど)に保存しておくのが安全です。
まとめ
- 輸入許可通知書とは、荷物を通関してokだよの証。
- 輸入許可通知書を取得する方法は3つある。(「荷物の側面を確認する」「NACCSでダウンロード」「通関業者へ発行を依頼する」)
- 輸入許可通知書の見方は、個人輸入ビジネスでは6項目を抑えておく。
- 輸入許可通知書の区分で、通関スピードが変わる。
- 小型包装物では、輸入許可通知書は発行されない。