中国輸入の通関手続きに必要な書類とは?流れやかかる時間も

こんにちは!

中国輸入代行「誠」のパンダの社長こと酒井(@makoto1688)です^^

 

パンダ娘
輸入ビジネスに興味があります。販売先や仕入れ先について以外に勉強しておいた方がよいことはありますか?

今回は、こちらのご質問にお答えします。

 

物流に関するtweet

10年前に比べ、個人でも簡単に輸出入できるようになった。のはたしか。ですけれど、手軽になった故に貿易の3大リスク(①信用リスク、②為替変動リスク、③運送リスク)や物流の流れは、把握しておくべきです。輸入ビジネスをはじめるのなら、物販を勉強したあとでも軽く勉強しておいた方がベター。

この記事は、長年、中国との貿易仲介業を営むパンダ社長が書いています。

 

パンダの社長
わたしは、貿易実務の資格を所有していますよ!

 

それでは見ていきましょう。

 

中国輸入における通関の流れ

中国からの輸入ビジネスでは、通関手続きが不可欠です。

この手続きには、複数の書類の準備と正確な申告が必要であり、これらをスムーズにおこなうことが輸入ビジネス成功の鍵となります。

輸入においては、たとえば商品のインボイスやパッキングリストなどが求められ、適切に処理しないと通関での遅延やコスト増加のリスクがあります。

はじめに、中国輸入における通関手続きの流れについて詳しく解説し、初心者にも理解しやすいようステップごとに説明します。

 

 

詳しくみていきましょう。

 

通関の流れ

インボイスや必要書類の準備 通関の最初のステップは、商品に関する正確な書類を準備することです。

最も重要な書類として、インボイス(請求書)があります。

この書類には、商品の詳細、取引金額、支払い条件などが記載されており、税関に提出されます。

また、パッキングリストも必要です。パッキングリストには、輸送中の商品の詳細や梱包方法が記載されています。

これらの書類は、税関が商品内容を把握するために欠かせないものです​。

 

輸送業者への手配と税関への申告

次に、輸送業者(フォワーダー)を通じて、商品の輸送を手配します。

輸送方法には船便や航空便があり、通関手続きにも影響を与えるため、どの輸送方法を選ぶかが重要です。

商品が目的地に到着する前に、輸入者は税関に対して通関申告をおこないます。

この申告書には、商品の詳細、インボイス、パッキングリストが添付され、税関が審査します​。

 

税関による審査と検査

税関に書類が提出されると、審査が開始されます。

審査は書類審査と、場合によっては実際の商品の検査が含まれます。

税関は申告内容を確認し、必要であれば商品の検査をおこないます。

輸入者の過去の実績や信頼度に応じて、検査の頻度や厳しさが異なります。

信頼度が低い場合、より詳細な検査が求められることがあります​。

 

関税や消費税の支払い

通関手続きが進み、書類や検査に問題がなければ、次は関税や消費税の支払いが求められます。

これらの税金は、商品の価値や種類によって異なります。税金を支払わない限り商品を引き取ることはできません。

通常、通関業者を通じてこれらの税金を納付しますが、個人輸入の場合は自ら税関で支払いをおこなうこともあります​。

 

輸入許可と商品の引き取り

関税の支払いが完了すると、税関から輸入許可が下ります。

この時点で、輸入者は商品を保税倉庫から引き取ることができます。

引き取りには、輸入許可証とD/O(Delivery Order)が必要です。

通関手続きがスムーズにおこなわれた場合、この段階で商品が輸入者の手元に届き、ビジネスが完了します。

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輸入通関の必要書類

外国から輸入した貨物を日本国内に持ち込むには、税関での輸入手続きが不可欠です。

まず、輸入しようとしている貨物が違法なものでないか検査を受けます。

つぎに必要な関税や消費税を納付します。

さらに、輸入の許可を受けてはじめて貨物を受け取れます。

 

この一連の手続きを輸入通関手続きといいます。

輸入通関にはさまざまな書類が必要です。

書類の詳細や入手方法などについて解説します。

 

 

詳しくみていきましょう。

 

船荷証券

船荷証券は、Bill of Lading(B/L、ビーエル)とも呼ばれる書類です。

船会社が輸出者から貨物を受け取ったときに発行されます。

輸入者が貨物を受け取る際に必要で、紛失すれば輸入ができなくなるほど重要な書類です。

船荷証券に記載される内容は、荷送人(輸出者)・荷受人(輸入者)・商品明細(品名・数量・重量ほか)などです。

 

輸入者は通常、貨物の代金を支払うことで船荷証券を入手し、それを輸入地の船会社に差し入れることで貨物を受け取ります。

記載に誤りがあると通関手続きが滞ります。

船荷証券の内容はしっかり確認しましょう。

エア便の場合も同じ考え方です!

 

インボイス

インボイス(Invoice)とは、輸出者が貨物を輸出する際、輸入者に発行する貨物の送り状です。

明細書や請求書、納品書としての役割も担います。

インボイスには、コマーシャルインボイス・シッピングインボイス・カスタムズインボイスなどの種類があります。

 

日本での通関手続きに必要なものはコマーシャルインボイス(=貨物の明細が記載された資料)です。

記載内容は、品名・数量・単価・仕向人・代金支払い方法などで、パッキングリストとの整合性が重要です。

この記載内容をもとに関税や消費税を算出します。

金額に誤りがあると関税や消費税の誤納付につながり、修正申告や重加算税支払いを要求されるケースがあります。

内容を慎重に確認しましょう。

 

パッキングリスト

パッキングリスト(Packing List、P/L)は、輸出者が貨物を輸出する際に作成する包装明細書です。

パッケージごとの品名・個数・包装重量・包装形態などが記載されています。

関税手続きだけでなく船や倉庫での仕分けにも使われる重要な書類です。

 

ただし、貨物の数量が少ないときや、梱包されている商品が1種類だけのケースでは、前述のインボイスで代替するケースがあります。

パッキングリストの記載内容は、インボイスの内容や実際の梱包状況との整合性が重要です。

異なる点が見つかれば、梱包をすべて開けて中身を検査をされる場合があり、検査作業料と時間が余計にかかってしまいます。

 

商品の写真、絵型

通関士や税関職員が商品の形状や用途を正確に判断し、正しい関税率を導き出す手がかりとなるよう、商品の写真や絵型(仕様書やカタログ)の提出を求められることがあります。

中でも、アパレル関係の商品や工業製品は、インボイスの記載だけでは原材料をはじめとする詳細の判別が困難です。

写真や絵型などの補足情報があれば通関手続きがスムーズに進みます。

ECサイトで仕入れをする際は、掲載されている商品の写真を保存しておくとよいでしょう。

 

保険料明細書

輸入する貨物に対し、輸入者側で保険に加入するケースでは、保険料を加えて課税価格を計算します。

保険に入っていれば、通関手続きの際に保険料明細書の提出が必須です。

保険料明細書は保険会社から発行されます。必ず税関窓口に提出しましょう。

 

アライバルノーティス

アライバルノーティス(Arrival Notice、A/N)とは、輸入する貨物が日本に到着する際に船会社やフォワーダー(代理店)から発行される貨物到着案内書です。

この書類には運賃や港・倉庫での貨物取扱費用の明細が記載されています。

通関手続きの際、貨物の引き取りにはアライバルノーティスが不可欠です。

 

通関委任状

輸入貨物の通関手続きをはじめて通関業者に依頼する際には、通関業者から税関職員に通関委任状を提出する必要があります。

通関業者はこの委任状の保存を、通関業法によって義務付けられています。

通関業務の代行は、通関業の許可を受けた通関業者だけが可能です。

 

主要港湾地域の職業別電話帳や日本通関業連合会のWebサイトなどで、輸入したい品目に詳しい通関業者を探して契約します。

通関業務の代行依頼を示す委任状は、通関業者に提出しましょう。

 

その他商品ごとに必要な書類

ここまでに紹介した書類以外にも、輸入する品目ごとに必要な書類があります。

たとえば、食品や添加物など口に入る可能性のある品目を輸入する際、厚生労働省が管轄する検疫所に「食品等輸入届出」を提出します。

食品以外に、口に入れることが想定される食器や乳幼児用のおもちゃなども、この書類の対象です。

 

また、果実・野菜・苗木などを輸入する際、農林水産省が管轄する植物防疫所で検疫有害動植物が付着していないかの検査が必要です。

そのため「輸入植物検査申請書」を作成し提出します。

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通関書類のミスを防ぐための注意点

通関書類にミスがあると、輸入手続きが遅延したり、追加費用が発生する可能性があります。

そのため、以下のポイントに注意して正確な書類を作成することが重要です。

 

 

詳しくみていきましょう。

 

情報の正確な記載

インボイスやパッキングリストには、商品の数量、単価、総額などの情報を正確に記載する必要があります。

特に、インボイス番号や日付、支払い条件などの細かい部分での誤りはトラブルを招きやすいです​。

 

書類の一貫性

提出する書類間で情報が一致しているか確認しましょう。

たとえば、インボイスとパッキングリストの記載内容が異なる場合、税関の審査が長引く可能性があります​。

 

原産地証明書の確認

商品の原産地が正確に記載されていることを確認し、適切な原産地証明書を添付することが必要です。

特に貿易協定の適用を受ける場合、証明書の不備が関税の優遇措置を受けられなくなる原因となります。

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中国からの輸入する方法とかかる時間

中国から商品を輸入する際の主な方法と、かかる時間や費用は次のとおりです。

 

 

詳しくみていきましょう。

 

EMS(国際スピード郵便)

航空機を利用した輸送方法で、日数の目安は2〜4日と国際郵便では最速です。

料金は高めですが、追跡サービスが利用でき、貨物にトラブルがあったときの補償もついています。

 

航空便

日数の目安はEMSに次いで速く、3〜5日です。

料金はEMSより安く設定されています。

追跡サービスがついている航空便の選択が可能です。

サイズや重量に制限があります。

 

SAL便(Surface Air Lifted)

日数の目安は2〜4週間です。

航空機の貨物スペースで空いた場所を利用して輸送します。

航空便より日数がかかる分、低価格です。追跡サービスを利用できますが、航空便と比較して精度が劣ります。

とは書きましたけれど、日本へ輸入するとき、海外ではSAL便のサービスはあまり聞いたことがありません......

 

船便(Surface Mail)

日数の目安は1か月以上です。

日数はかかりますが料金は安く、重量がある品物の輸送に適しています。

ただし、精密機器のような繊細な貨物の輸送には不向きです。

船便には混載輸送の速達便や高速船便があります。

航空便より安い料金で少しでも速く輸送したい方におすすめです。

大企業が輸出入している精密機器や特殊製品などは、梱包に工夫することで船便を利用していますよ!

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中国からの輸入に関する注意点

中国から輸入する商品には、日本への輸入が禁止・規制されているものがあります。

輸入禁止品には、麻薬・武器・爆発物などさまざまな種類があります。

中でも気をつけたいものはコピー商品です。

特許権・商標権・著作権などを侵害するおそれのある商品を輸入しようとした場合、コピーであると税関が認定すれば没収されます。

商品の購入代金は返金不可能です。

出典税関「輸出入禁止・規制品目」「模倣品の水際取締り強化!」

 

輸入禁止ではないものの、日本での規制によって販売の困難な品物があります。

たとえば、中国から電化製品を輸入し販売する際は、電気用品安全法に基づいたPSEマークの発行が必要です。

第三者機関による検査をとおして適合性検査証明を受けなければならず、検査や証明に費用がかかります。

出典経済産業省「電気用品安全法」

 

また、無線機器を輸入・販売する際は、日本国内の電波法に基づいた技術基準適合証明が必要です。

無線機器にはコードレス電話やワイヤレスカメラも含まれます。

出典総務省「外国製無線機器の使用について」

 

口に入る可能性のある食器類や乳幼児用の玩具を輸入・販売するには、食品衛生法に基づき厚生労働省の検疫所の検査を受け、食品等輸入届出済証を受け取る必要があります。

出典厚生労働省「食品衛生法に基づく輸入手続」

 

このような商品を日本で販売するには、時間と費用がかかります。

知らずに輸入することのないよう、確認が大切です。

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補足:トラブルを避けるための通関業者の選び方

中国からの輸入において、通関手続きは複雑であり、ミスやトラブルが発生しやすいプロセスの一つです。

特に、書類の不備や手続きの遅延によるコストの増加を避けるためには、信頼できる通関業者の選定が非常に重要です。

適切な通関業者を選ぶことで、スムーズな輸入手続きが可能になり、予期しない問題も最小限に抑えることができます。

最後に、トラブルを避けるための通関業者の選び方について解説します。

 

 

詳しくみていきましょう。

 

通関業者の選び方

実績と信頼性を確認する 通関業者を選ぶ際には、その業者の実績や信頼性を確認することが重要です。

業者の過去の取引実績やクライアントのレビューをチェックすることで、その業者がどれだけ迅速かつ正確に手続きをおこなっているかを把握できます。

たとえば、経験豊富な業者であれば、必要書類のチェックや申告内容の確認も徹底しておこなってくれるため、ミスを防ぐことが可能です​。

 

料金体系の透明性

通関業者を選ぶ際には、料金体系が明確であることも重要なポイントです。

安価な業者に依頼することが必ずしも良いわけではなく、料金が不透明な場合、後から追加費用が発生する可能性があります。

事前にすべての費用を確認し、見積もりをしっかりと受け取ることが大切です​。

 

専門分野に特化しているかを確認

業者によっては、特定の業界や商品に特化した通関サービスを提供している場合があります。

たとえば、食品や医薬品など、輸入に厳しい規制がある商品を取り扱う場合は、それらに詳しい通関業者を選ぶと安心です。

専門分野に精通している業者であれば、商品に適した通関手続きを迅速におこなうことができます​。

 

コミュニケーションの円滑さ

通関業者とのコミュニケーションが円滑であることも、スムーズな取引に欠かせません。

輸入手続きでは、予期しないトラブルや追加書類の要求が発生することがあります。

そうした際に迅速に対応してもらえる業者を選ぶことが、トラブル回避のポイントです。

また、英語や中国語での対応が必要な場合は、言語の壁を超えてスムーズにやり取りできる業者を選ぶとよいでしょう​。

 

トラブル対応力の確認

最後に、過去に発生したトラブルへの対応実績があるかどうかも重要です。

関税や規制に関する問題が発生した際、業者がどのように対応するかによって、輸入のスムーズさが大きく変わります。

信頼できる通関業者は、トラブルが発生した際にも冷静に対処し、迅速な解決を図ってくれるはずです。

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まとめ

  • インボイスやパッキングリストは正確に作成し、一貫性を持たせることが重要です。
  • 輸入には複数の書類が必要で、各書類の役割と内容を理解して準備することが不可欠です。
  • 実績のある通関業者を選ぶことで、手続きのスムーズさとトラブルの回避が期待できます。
  • 書類の不備やミスは、手続き遅延や追加コストの原因となるため、慎重に確認が必要です。
  • 通関書類の提出から輸入許可までのプロセスを理解し、円滑な輸入を進めましょう。

 

 

ご質問、いつも歓迎です!

本日もお読みいただき、ありがとうございました^^

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