こんにちは!
中国輸入代行「誠」のパンダ社長こと酒井(@makoto1688)です^^
このような疑問にお答えします。
▼中国での繁忙期に関するtweet▼
広東台触電新聞によると、運送会社の社長が逃げて、タオバオ店舗からの荷物が路上に散乱している。といった記事が上がっていました。現実として、先日、似たような件で当社スタッフは荷物を回収しにいきました。陸運送業者はどの国でも大変なのかもしれません pic.twitter.com/DmxYvPAA9k
— パンダの社長(酒井隆太)@中国輸入代行「誠」 (@makoto1688) January 30, 2022
この記事は、長年、仲介業を営み、長期休暇期間を何ども経験してきたパンダ社長が書いています。
それでは見ていきましょう。
(タップできる)もくじ
中国での長期休暇と物販の繁忙期
中国では、年に2度、大型連休があります。1つは国慶節、もう1つは春節(=旧正月)です。例年、国慶節は10月初旬の約7日間、春節は1月末~2月初旬までの14日前後といった具合です。期間中は、公官庁や一部の通関業者など政治・経済に影響が生じる仕事を除き、中国人は完全に休暇に入ります
— パンダの社長@中国輸入代行「誠」OEM受託と無在庫直送の専門業者 (@makoto1688) February 2, 2022
中国輸入ビジネスにおける仕入先は、「中国」です。
中国の長期休暇期間を把握しておくことは、仕入スケジュールを計画的に立てるのに役立ちます。
中国の長期休暇は2つあり、これら休暇前後の期間にも注意を要します。
また、10月~翌2月にかけては、中国では長期休みや独身の日に代表されるECサイトのセールが続き、平常時(3月~9月)に比べ注文~日本到着までのリードタイムが長くなる傾向にあります。
- 国慶節:10/1~10/8頃
- 春節(旧正月):1/末~2/初頃
春節(旧正月)や国慶節前後の期間も要注意
中国では、年に2度、長期休暇があります。
1つは国慶節、もう1つは春節(=旧正月)です。
長期休暇になると、約14億の人口のうち半分の7億人が帰省をします。
7億人が一度に帰省しますと、電車や飛行機はそれはそれは大変なことになります。
そのため、長期休暇期間の前から休みを取ったり、期間明けも長めに取ったりする企業も多くあります。
また、中国では、大型連休期間内で「チケットが取れない」を理由に個人でも早々と休暇を取る人も多くいます。
企業も「やむを得ないね、okよ。」といった具合で比較的すんなりと休暇を取得します。
しかも、やむを得ない事情扱いで、早く休んでもその間の給料は支給されるという……
そもそも日本とは帰省の感覚が違うのですね。
中国の長期休暇期間に仕入れするメリット
長期休暇前後に仕入れするメリットは、3つです。
詳しくみていきましょう。
リードタイムが最短になる
1つ目は、長期休暇前または期中に注文することで、リードタイムが短くなることです。
注文先は、代行業者でもAliExpressや国際版タオバオでも構いません。
長期休暇明けに注文いただいた順番に受注処理をしますから、その分商品手配が早くなるということです。
売上を最大化できる
2つ目は、売上を最大化できるということです。
たとえば、国慶節は1週間ありますし、春節は10日あります。
少なからず、この期間の仕入れができなくなる(注文はできるが店舗や物流が動いていない)ので、在庫減→売上減になります。
そこで、長期休暇前または期中に多めに注文しておくことで、この期間の売上を取り戻せるということです。
エンドユーザーに喜ばれる
3つ目は、エンドユーザーに喜ばれるということです。
中国の長期休暇のことを把握しているエンドユーザーは多くはないでしょう。
だからこそ、他社の在庫が揃わないうちに貴店の在庫が確保できていれば、その商品を欲しかったエンドユーザーは喜ぶわけです。
そして、貴店の売上にもなります。
長期休暇期間に仕入れするリスク
長期休暇前後に注文するリスクは、3つです。
詳しくみていきましょう。
キャンセルが入りやすい
1つ目は、キャンセルが入りやすいということです。
店舗がすぐに発送手配すれば、中国国内は、西から東まででも3日以内には到着します。
コロナ禍でもどんなに遅くとも5~7日には到着します。
しかし、通常時に比べリードタイムが長くなるため、キャンセルが入りやすくなります。
在庫切れになりやすい
2つ目は、在庫切れになりやすいということです。
なぜなら、タオバオやアリババの店舗の在庫数は普段から正確でないためです。
店舗は、長期休暇期間中に受注していると、明けに在庫を確認してみたら、商品ページ上の在庫数より多く受注していた。ということはよくあることです。
不具合品にあたりやすい
3つ目は、不具合品にあたりやすいということです。
長期休暇前後の中国は、店舗、物流、代行業者のすべてがカオスです。
長期休暇前から従業員は田舎に帰りますし、人手が足りなくなるため、諸々雑になってきます……
すると、意図せずとも不具合品が混ざり混んだり、商品がテレコになったりと、普段では考えられないトラブルが生じます。
中国での長期休暇期間の前後に起こる問題
繁忙期の物量はとにかく半端ありません。
なぜなら、繁忙期とは中国の長期休暇前後も含み、中国国内での物の動きが活発化するためです。
また、中国は世界の工場として、日本向けのみならず世界向けに荷物を発送している国です。
長期休暇前に発送してほしいニーズは再骨頂に達し、結果、次のような事態が起きています。
中国での長期休暇期間の前後には、次のようなことが実際に起こります。
詳しく見ていきましょう。
タオバオやアリババ店舗での受注ミス
受注量が多すぎる(=処理できるキャパシティを超えている)ことにより、タオバオ店舗での受注ミスや中国国内物流業者の配送ミス、紛失・破損が発生しやすくなります。
さらにこの時期は、ただでさえ気質が短気な中国人(全員がそうではない)が、あまりの忙しさにより感情的になり始めます。
結果、考えられないようなトラブルが多発しやすくなります。
物流業者での紛失・破損・逃亡
荷物は、物流業者の倉庫からはみ出し、倉庫前の駐車場はもとより路上まで並べられることもあります。
悲しいかな、並べるというよりも、放り投げられるといった方が近いかもしれません。
そして、また別のトラックへ放り投げられるという……
写真は、南方都市報からの引用です。荷物が歩道に散乱しています。中国では比較的よくある光景ですが、日本ではあまり報道されていないかもしれません。盗難防止のためか、歩道がダンボールで囲われています。注文者は自分で回収しにいきます pic.twitter.com/fsVu7cVLFM
— パンダ社長@中国輸入代行「誠」【カウンセラー×連続起業家】 (@makoto1688) February 1, 2022
ダミーの追跡番号による発送連絡
平常時であっても、タオバオ店舗とのやり取りにはさまざまなトラブルがあります。
たとえば、1つには、ダミーの追跡番号が発番されることです。
タオバオ店舗には、在庫を持たない店舗(無在庫店舗)も多いです。
(50元以下の商品が数千点以上並んでいる店舗は無在庫店舗の可能性が高い)
そのような店舗は在庫が確保できないとわかると、タオバオの管理画面で発送したことに見せかけるため(=自店のアカウントを守るため)、ダミーの追跡番号を発番することがあります。
タオバオに管理画面に追跡番号が登録されると、当社システムのステータスは「店舗発送済み」となります。
しかし、ダミーであるが故実際には発送されておらず、いつまで経っても到着しない。といった状況が起こります。
サイズや色違いによる確信犯的発送
レディース服を専門に扱っているタオバオ店舗ですと、1つのデザインに対しバリエーション(「サイズ」や「色」)ごとに在庫を持つものです。
売れ筋の「サイズ」や「色」を多く持ちたいところですが、店舗と仕入れ先との都合や工場側や市場での在庫状況により、どうしても在庫に偏りは出るものです。
つまり、店舗は売れ筋でない「サイズ」や「色」も在庫を持たざるを得ない状況があるということです。
しかし、タオバオは中国国内向けのBtoC、CtoCのサイトですから、そのような状況でもあまり問題にはなりません。
というのも、中国国内の取引では次のようなことが起こるからです。
まさに、中国特有のやり取りです。
お金で解決です。
何度も言いますが、タオバオは中国国内向けのモール(=海外発送は想定していない)ですから、当社が代理購入しましても店舗は同じ対応になるということです。
数量違いによる同梱発送
たとえば、商品Aを6名の方が1点ずつ注文したとします。
店舗は受注した商品Aを6点同梱し、追跡番号1つ発番(追跡番号が必ず発番されるわけでもありませんが…)し、タオバオの管理画面へ登録します。
そうすると、当社のシステムへ追跡番号が登録され、到着を待ちます。
それから商品が到着し開封すると、中には3点しか入っていない。といったことが起きたとします。
当社は店舗が発番した追跡番号を基に、社内システムの注文No.ごとに商品を自動振分を行い、そのタイミングで3点不足していることに気付きます。
店舗へ問い合わせると、「在庫がなかったから、在庫があった3点を発送した。」と回答があります。
社内システム上のステータスは、「店舗発送済み」になっている状態ですから、上記のようなことが起こりますと、ステータスが「発注済み」に戻ります。
当社ご利用のお客様へ、詳細を説明しましてもなかなかわかっていただけないような現象が起きることになります。
代行業者は不具合品の対応に追われる
長期休暇期間の前後は、代行業者にとっても繁忙期です。
例えば、不具合品への応対です。
平常時であっても、不具合品による返品・交換は、代行業者にとってとんでもなく過酷な作業です。
ここまで解説してきました「ダミーの追跡番号」や「サイズや色違いでの確信犯的発送」「数量違いで同梱して発送」は、倉庫での荷受時に生じる問題です。
荷受けを無事にクリアできた商品は、さらに検品ラインへと運ばれ、検品をおこないます。
以下は、当社での不具合品の対応フローです。
不具合を判断できない場合
- ユーザー様へ、注文システム内で状態を共有
↓ - レスポンス待ち → レスポンスに応じた対応
↓ - 返信がない
↓ - タオバオの返品期限7日超過
↓ - 返品できず
↓ - ユーザー様へ再連絡
↓ - 廃棄orユーザー様へ発送
明らかに不具合の場合
- 当社から店舗へ返品または交換できるか確認
↓ - NGであればユーザー様へ連絡
↓ - okであれば、ステータスを変更し、新たな商品が届くのを待つ
事例:長期休暇期間前の営業状況を聞いてみた
例年、早い店舗は、特にアリババに出店している「工場」は年末12/31から休業のところもあります。
その他「メーカー」「卸」「小売」の店舗ですと、1月中旬から休業するところもあります。
次に、運送業者やタオバオやアリババの店舗に、大型連休期間近くに営業状況について問合せをするとどのような返答があるのか。
本物のやり取りを意訳紹介しますね。
詳しく見ていきましょう。
事例1. 運送業者が休業
タオバオの店舗とやり取りするアプリ阿里旺旺(=アリワンワン)で、長期休暇前に、店舗へ発送状況を確認した際のやり取りです。
事例2. 工場が休業
長期休暇前に、1688.comの店舗へ注文状況を確認した際のやり取りです。
事例3. 立ち入れない地域がある
1688.comの店舗へ発送状況を確認したときのやり取りです。
2020年は河北省が封鎖になりトラックが出入りできませんでした。
2021年も中国国内では局所的に同様のケースが起きています。
事例4. 長期休暇期間より前にすでに休業
1688.comの店舗へ休業期間について確認したときのやり取りです。
長期休暇期間中の仕入れに対する対策
ここまで、長期休暇の前後で、「店舗」「物流業者」「代行業者」で何が起きているのかについて解説してきました。
一旦、事象についてはここまでにしましょう。
ここでは、対策について触れておきたいと思います。
対策は3つです。
詳しくみていきましょう。
商品選定や店舗選定の基準を見直す
貴店での商品選定や店舗選定の基準を見直すことで改善できることもあるかもしれません。
「店舗」や「物流業者」を貴店や当社が変えることはできませんからね。
そこで、店舗評価基準の見直しです。
店舗評価や発送元地域などのデータは取っていますか?
店舗開店から〇年以上で、配送スピードの評価が〇以上で、総合評価が〇以上で、発送元地域は〇のあたりでといった具合に、エンドユーザーからのクレームがあったURLに対しデータを貯めていくのです。
当社ですと、タオバオで20元以下の商品は不具合率が極めて高い。というデータがあります。
そのようなデータから、では20元以下の商品は、「BASEへ商品登録は止めておこう」とか「ツールの仕入価格の下限を20元に設定しておこう」といった対策ができます。
注文タイミングを見直す
平常時ですと、何もなければ、注文の翌日~3日には当社倉庫へ届きます。
国慶節や春節前後の期間は、翌日~10日になります。
つまり、余裕を持って注文することでトラブルに巻き込まれにくくなります。
長期休業期間の前後14日は注文しない。などご自身で基準を作っておくことも対策になります。
「独身の日」などのセール日での注文は避ける
「独身の日」に代表されるセール日当日~1週間後までが一番カオスを感じます。
中国内需のビッグバンです。
せめて、例年11月11日はタオバオやアリババ、天猫で買付をすることは避けるのが無難です。
長期休暇期間中の仕入れに対する考え方
長期休暇期間での注文に対する考え方は、人それぞれです。
ここでは、わたしの考えをまとめます。
結論から言うと、「有在庫」「無在庫」「オリジナル商品」なのかですみ分けして考えています。
有在庫の場合
中国輸入の有在庫物販なら、国慶節でも春節でも夏休みでも、いつも通りに注文することをオススメしますよ。納期に縛りがあるわけでもないですし、不具合品が多発しやすくても代行業者側で弾いてくれるからです。パンダ社長は、コロナ禍でもずっとこのスタイルでした
— パンダ社長@中国輸入代行「誠」【カウンセラー×連続起業家】 (@makoto1688) February 4, 2022
有在庫の場合、予約販売を除けば納期に期限はないですよね。
納品された時点で販売開始になりますから、長期休みにかかわらず普段通りに注文するでよいでしょう。
長期休暇前後で起きやすい不具合品や紛失、破損は、代行業者が対応してくれますから、すべての商品が集まっていなくても、ある程度商品が集まったタイミングで発送依頼すればよいですしね。
無在庫の場合
中国輸入の有在庫物販なら、国慶節でも春節でも夏休みでも、いつも通りに注文することをオススメしますよ。納期に縛りがあるわけでもないですし、不具合品が多発しやすくても代行業者側で弾いてくれるからです。パンダ社長は、コロナ禍でもずっとこのスタイルでした
— パンダの社長(酒井隆太)@中国輸入代行-誠 (@makoto1688) February 4, 2022
無在庫は、性格によりますね。
わたしのようにイケイケどんどんな人は、長期休みなんて気にせず、注文します。
ポイントは、エンドユーザーへの告知をいかに徹底できるかと運営サイトのルールに応じた対応をすることです。
不具合品が増え、納期が長くなることは間違いがないので、逆に、守備固めをすることで、他社と差別化ができるのですね。
オリジナル商品開発(OEM/ODM)の場合
長期休業期間中は、多くの工場も休業です。
そのため、オリジナル商品開発を軸にされている方は、商品開発のアイディアや商品リサーチを集中しておこなう期間とするのがよいでしょう。
長期休業期間開けに、工場や代行業者へ相談するための準備期間と位置づけです。
まとめ
- 中国の長期休暇は2つ。
国慶節(10/1~10/8頃)
旧正月(1/末~2/初頃) - 中国の繁忙期は店舗も物流も代行業者もカオス。
- 長期休暇前後における中国からの仕入対策は3つ。
商品や店舗の選定基準やタイミングを見直す
注文タイミングを見直す
「独身の日」などのセール日での注文は避ける
ご質問、いつも歓迎です!
本日もお読みいただき、ありがとうございました^^