中国輸入ビジネス専門用語大辞典

中国輸入の現場で使われる専門用語を、最新の商習慣と法的規制に基づき詳細に解説しました。
単なる言葉の定義に留まらず、実務におけるリスク管理やコスト最適化の視点を盛り込んでいます。

※当辞典は実務者向けに随時情報の更新・拡充を行っております。

1. 中国主要ECサイト・仕入れプラットフォーム詳細解説

タオバオ (Taobao / 淘宝網)
アリババグループが運営する、中国国内向け最大のCtoCモール。商品数は数十億点にのぼり、1点から購入可能です。バイヤーにとっては「テスト仕入れ」の主戦場ですが、個人出品者が多いため、店舗の信用度を示す「信誉(ランク)」や、過去の購入者による画像付きレビューの精査が不良品率を下げる鍵となります。
アリババ1688 (1688.com)
中国国内向けのBtoB卸売サイト。工場直営店が中心で、タオバオより10~30%安価な卸値で取引されます。多くの場合、最低注文数量(MOQ)が設定されていますが、代行業者を通じて交渉することで、有償サンプルとしての1点買い付けが可能なケースも多々あります。
天猫 (Tmall / テンマオ)
厳しい審査を通過した企業のみが出店できる高品質BtoCモール。模倣品の排除が徹底されており、ブランド商材や高品質アパレルの調達に最適です。価格はタオバオより高めですが、品質トラブルを嫌う法人バイヤーに強く支持されています。
閑魚 (シェンユー / Xianyu)
アリババ系列のフリマアプリ。中古品や新古品、廃番品のリサーチに活用されます。個人間取引が主体のため「注文と違うものが届く」リスクが非常に高いですが、プロの検品体制と組み合わせることで、市場に出回らない希少商材の仕入れが可能になります。
拼多多 (ピンドゥドゥ / Pinduoduo)
共同購入を軸とした激安ECプラットフォーム。地方都市や農村部をターゲットにした超低価格商材が豊富です。1688以下の価格設定も珍しくありませんが、品質管理の難易度は非常に高く、輸入代行業者による厳格な水際検品が前提となります。
得物 (Poizon / Dewu / ドゥーウー)
スニーカーやファッション商材に特化した鑑定付きEC。中国の若年層トレンドの源泉です。全ての販売商品にプラットフォーム独自の真贋鑑定が付随するため、偽物のリスクを排除したプレミアム商材の仕入れに適しています。
京東商城 (JD.com / ジンドン)
自社物流網を最大の武器とする大手EC。特に家電製品やPCパーツなどの電化製品において正規品保証が強く、配送の正確性とスピードにおいて中国国内で最も信頼されるプラットフォームの一つです。
小紅書 (RED / シャオホンシュー)
SNSとECが融合したプラットフォーム。特に女性向け美容、アパレル、雑貨のトレンド発生源となっており、仕入れ対象としてだけでなく、今後日本でヒットする商品を予測する「先行リサーチツール」として絶大な価値を持ちます。
微店 (Weidian / ウェイティエン)
WeChat(微信)のエコシステム内で展開されるショップ。独立系ブランドや小規模工房が多く、既存の大型モールにはない個性的で差別化しやすい商材を見つけるのに適しています。

2. 国際物流・貿易条件・インコタームズの実務

容積重量 (Volume Weight)
荷物の「大きさ」を重量に換算した値。計算式は一般的に(縦×横×高さcm ÷ 5000)。航空便や船便において、実重量(実際の重さ)と容積重量の大きい方が運賃計算の基準(課税重量)となります。軽いけれどかさばる商品は、送料が原価を圧迫するため、再梱包による「容積圧縮」が利益率に直結します。
FOB (Free On Board / 本船渡し)
インコタームズ(貿易条件)の一つ。輸出港で船に荷を積み込むまでの費用と責任を売主が負い、それ以降の運賃、保険料、輸入諸経費をバイヤーが負担します。中国の工場と直接取引する際に最も多用される条件です。
EXW (Ex Works / 工場渡し)
工場の玄関口で荷物を引き渡す条件。中国国内の輸送費から輸出入にかかる一切の費用・リスクをバイヤーが負担します。一見バイヤーに不利ですが、物流を代行業者が一括管理できるため、複雑な工程を簡略化できるメリットがあります。
DDP (Delivered Duty Paid / 関税込持込渡)
関税や消費税を含むすべての費用を発送側が負担する条件。輸入時に日本側で支払うコストが発生しないため、バイヤー側での原価管理が非常に容易になります。Amazon FBA直送サービスなどで一般的に採用されるモデルです。
LCL (Less than Container Load / 混載便)
コンテナ一本を満たさない小口の荷物を、他者の荷物と相積みして輸送する船便。コンテナを貸し切る(FCL)よりも安価に船便を利用できるため、中規模以上の仕入れにおける主要な配送手段となります。
インボイス (Invoice)
輸出入通関において最も重要な書類。商品内容、数量、単価、決済条件などが記載されます。税関はこの内容に基づき関税額を決定するため、虚偽の記載(アンダーバリュー)は脱税とみなされ、厳しい罰則の対象となります。
HSコード (統計品目番号)
「商品の名前」を世界共通の数字(6桁~)で表したもの。この番号によって適用される関税率が決まります。同じ「靴」でも材質(革、布、ゴム)によって税率が数倍変わるため、仕入れ前のHSコード特定は必須の工程です。

3. 関税・輸入消費税・支払い決済の仕組み

輸入消費税
商品を輸入する際に日本国に支払う税金。計算式は「(商品代金+国際送料+関税)× 消費税率」。これは販売時に顧客から受け取った消費税から差し引くことができる(仕入税額控除)ため、納税証明書の保管が節税上重要です。
簡易税率
課税価格の合計が20万円以下の輸入に適用される、簡略化された税率区分。一般税率よりも手続きが早く済みますが、品目によっては一般税率を適用した方が安くなるケースもあり、戦略的な選択が求められます。
アリペイ (Alipay / 支付宝)
中国で主流の第三者決済サービス。中国輸入において実質的な標準決済手段ですが、日本からのチャージには制限が多く、代行業者の送金・デポジットシステムを利用するのが一般的かつ安全な運用です。

4. 輸入規制・日本の法律・認証制度

PSEマーク (電気用品安全法)
ACアダプタやリチウムイオン蓄電池など、日本のコンセントに接続する電気製品を販売するために必須の認証。中国製品を無届けで販売すると回収命令や罰則の対象となるだけでなく、Amazon等のプラットフォームから永久追放されるリスクがあります。
食品衛生法
食器、カトラリー、調理器具、幼児用おもちゃ(6歳未満)などを輸入する際に適用される法律。通関時に「食品等輸入届出書」の提出が必要となります。素材によっては試験検査が必要となり、検査費用とリードタイムの計算が必須です。
技適マーク (電波法)
BluetoothやWi-Fiを搭載した無線機器に必要な認証。中国製のイヤホンやラジコンを日本国内で動作させるには、このマークが不可欠です。未取得品の販売は電波法違反となり、バイヤー側が処罰の対象となります。
薬機法 (医薬品医療機器等法)
化粧品、健康器具、美容機器などを規制する法律。直接肌に触れるものや、特定の「効果効能」を謳う商品の輸入にはライセンスが必要です。個人輸入の範疇を超えた商用販売においては、最も注意が必要な法律の一つです。

5. 商品開発・OEM/ODM・生産・検品実務

MOQ (Minimum Order Quantity)
最低注文数量。工場や卸業者が取引を承諾する最低ラインの個数です。OEMでは「500個から」などの条件が出るのが一般的ですが、代行業者の交渉力を通じて「初回100個」といった小ロット化を実現することが可能です。
OEM / ODM
OEM(Original Equipment Manufacturing)は既製品にロゴ入れやタグ付けを行う手法。ODM(Original Design Manufacturing)は設計段階から工場に依頼する手法です。独自ブランド構築による価格競争からの脱却において、これらのステップアップは不可欠です。
精密検品
通常の数量確認や外観確認を超え、通電チェック、採寸、汚損箇所の詳細確認、梱包状態の改善などを行うオプションサービス。日本国内でのクレーム率を0.1%以下に抑えるために、特に高単価商品やアパレル商材において必須となります。

実務上の不明点、法的な確認、具体的なお見積りは無料です

「この商品はPSEが必要か?」「一番安い配送ルートは?」
中国輸入のプロフェッショナルが、実務的な視点から回答いたします。