電化製品にPSEマークを認証・表示する手順|偽物の見分け方も

こんにちは!

中国輸入代行「誠」のパンダ社長こと酒井(@makoto1688)です^^

 

パンダ娘
中国輸入をやっています。家電の販売を検討しています。家電にはPSEマークというものが必要と聞いたことがありますが、PSEマークが何なのかよくわかりません。PSEマークは取得するものなのか、どのように家電に表示すればよいのか教えていただけませんか。いつもすみません...

 

ずばり、この疑問にお答えします。

 

PSEマークに関するtweet

コンセント付の製品を販売目的で輸入する場合、PSEマークの表示が必要です。理由は、国ごとに電圧が異なり、火災や事故を防ぐためです。アリババ等でもPSEマーク付きの家電を見かけますが、PSEを表示する義務は輸入者にあり、マークの近くに輸入者名の表示が無ければ、偽PSEの可能性が高いです。

この記事は、長年、中国で貿易仲介業を営むパンダ社長が書いています。

 

この記事でわかること

パンダ社長
2019年2月1日より、「ポータブルリチウムイオン蓄電池(モバイルバッテリー)」の輸入規制がスタートしていますよ。たとえば、当時、ヤフオク!からも次のような案内がありましたよ。要約すると、PSEマークが付いていない商品を出品または販売したことがわかった場合は、利用停止にしますよ。と書いています。

 

出店者 様

お世話になっております。

経済産業省の発表にもありますとおり、2019年2月1日(金)以降は、
PSEマークのないモバイルバッテリーは販売禁止(流通在庫を含む)となります。

また、過日ご案内いたしましたとおり、2019年1月25日(金)に
運用ガイドラインを改定し、製品安全4法(※)
指定する商品について、安全基準を満たす「PSEマーク」がない商品の販売を
禁止いたします。

※消費生活用製品安全法、電気用品安全法、ガス事業法、液化石油ガスの保安の
 確保および取引の適正化に関する法律

該当製品をお取り扱いの出店者様におかれましては、経済産業省の発表を
ご確認いただき、安全基準に適合しないモバイルバッテリーの販売はお控えください。

なお、2019年1月25日(金)以降に、ガイドラインに違反する商品を発見した場合は、
商品の削除措置を行うほか、ストアの利用停止措置を行うことがありますので、
あらかじめご承知おきください。

◇電気用品安全法 モバイルバッテリーについて(経済産業省)

◇電気用品安全法 モバイルバッテリーに関するFAQ(経済産業省)

電気用品安全法についてご不明な点がある場合は、以下の窓口に
直接お問い合わせくださいますようお願いいたします。

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経済産業省 産業保安グループ 製品安全課
電話番号(直通)03-3501-4707
------------------------------------------

今後ともよろしくお願いいたします。

 

それでは見ていきましょう。

 

PSEマークとは?

PSEマークとは、製品安全4法(=PSマーク)の1つで、家電製品に対する安全規格です。

この安全規格は電気用品安全法で定められ、家電が原因による火災や感電などから消費者を守るために施行されました。

日本国内で定められた法律のため、中国から輸入した製品には、PSマーク(PSEマーク)が付いていません。

 

PSマークには、次の4種類あります。

 

PSCマーク(消費生活用製品安全法

PSEマーク(電気用品安全法)
PSLPGマーク(液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律)
PSTGマーク(ガス事業法)

    専門企業でない限り、PSLPGや丸PSTG、角PSTGを使用することはないです。個人レベルでの輸入であれば、PSCかPSEかのいづれかだけ覚えておけばokですよ。

     

    PSEマークの種類

    PSEマークには、2種類あります。

    1つは、特定電気用品に対するもので、通称「角PSE」と呼ばれています。

    もう1つは、特定電気用品以外の電気用品に対するもので、通称「丸PSE」と呼ばれています。

     

    個人やスタートアップ企業で家電製品を販売する場合、丸PSE扱いの製品になることが多いです。

    なぜなら、詳しくは後述しますが、角PSEの認証を受けるには高額な検査費用が生じるためです。

     

    特定電気用品「角PSEは産業用パーツや部品系が多く、特定電気用品以外の電気用品「丸PSE」は日用家電が多いです。

    以下は、区分ごと及び品目ごとの一覧です。

    参考にどうぞ。

     

    参考:特定電気用品(116品目)一覧

    参考:特定電気用品以外の電気用品(341品目)一覧

    ACアダプタ類をはじめとした特定電気用品(角PSE)は、このあと説明する適合性検査に数十万円~数百万円かかります。個人での輸入ビジネスで取扱う商品は、概ね、特定電気用品以外の電気用品(341品目)の方にカテゴライズされています。なお、丸PSEは、適合性検査が不要です。

     

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    PSEマークを表示する目的

    PSEマークは、電気用品安全法の中で謳われいます。

    管轄しているのは経済産業省です。

    PSEマークを表示する目的は、次のとおりです。

     

    この法律は、電気用品の製造、販売等を規制するとともに、電気用品の安全性の確保につき民間事業者の自主的な活動を促進することにより、電気用品による危険及び障害の発生を防止することを目的とする。

    輸入品は、国ごとに電圧が違いますよね。たとえば、中国であれば220Vですし、日本であれば100Vです。中国の製品を日本のコンセントに挿す(逆も然り)と、製品自体の破損や人命に影響を及ぼす場合もあることから、電気用品に対し、日本独自の安全基準を設けているのですね。

     

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    PSEマークが必要な製品と不要な製品

    PSマークが義務付けられている製品は多岐に渡りますが、例えば中国輸入でよくある製品は次のようなものがあります。

     

    PSEマークが必要な製品
    • レーザーポインター(PSC)
    • 自転車のヘルメット(PSC)
    • キャンプで使うようなガスコンロ(PSTG)
    • アイロン(PSE)
    • ドライアー(PSE)
    • 扇風機(PSE)
    • 電気毛布(PSE)
    • 加湿器、除湿器(PSE)
    • ミキサー(PSE)  ※食品衛生の申請も必須
    • スマホのバッテリー(PSE)

    コンセントタイプではなく、USBタイプならPSEマークは不要です。ただし、最近は、リチウムイオン蓄電池が内蔵されているバッテリーや玩具、扇風機など増えています。その場合は、電源がUSBでもPSEの表示が必要ですよ。

     

    参考:経済産業省 > PSマークの表示

     

    次に、PSEマークが不要な製品です。

    注意が必要なのは、PSEマークは不要でも電池や磁石が入っていると、中国本土から発送できず香港経由の電池ルートとなるため国際送料が高くなります

    特に磁石の量に定めはありませんが、運送業者の裁量により決まります。

     

    たとえば、30Wスピーカーは電池ルートです。

    少量(数点)のヘッドホンであれば通常ルートでokなこともあります。

     

    PSEマークが不要な製品
    • マウス
    • ヘッドホン
    • イヤホン
    • キーボード
    • USB電源の製品

    コンセント付製品はPSEマークが必要なので、USBで電源を取れる製品がオススメです。ただし、ミキサーなどの調理器具は食品衛生法に関する届け出が別途必要ですよ。

     

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    電圧の違いによる事故

    中国の電圧は220Vです。日本の電圧は100Vです。

    中国と日本では電圧が異なるので、日本では使えないのですね。

    OEMで改良したり、変圧器を使えば使用できます。

     

    ただし、PSEマークは必要ですよ!

     

    中国から輸入した家電製品の事故例
    • 充電器が爆発した
    • コンセントから煙が吹いた
    • モバイルバッテリーが発熱して火傷した

     

    なお、中国のコンセントは3pinです。

    日本のコンセントは2pinです。

    形も違うので、コンセントに刺せません。

    中国のそれなりのホテルであれば、2pinで100V対応のコンセント差し込み口もあるので髭剃りやスマホの充電もできます。格安ホテルは3pinです。

     

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    偽PSEマークの事例

    タオバオやアリババで出品されている商品のうち、偽物のPSEマークでないかと思われる製品も出回っています。

    次に、偽PSEマークに関するtweetをいくつか紹介します。

     

    シールでもよいのですけれど、PSEマークの近く(下方や横)に、輸入者名が記載されていなければ、偽物の可能性が高いです。もしくは、中国っぽい企業名が記載されていることもあります。PSEマークの表示は、日本で販売する事業者に表示が科せられているということがポイントですね!

     

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    PSEマークの届出から認証、輸入までの流れ

    (上記図は経済産業者のサイトから引用)

     

    PSEマークは次の4ステップで申請を行います。

     

     

    詳しく見ていきましょう。

     

    製造・輸入事業者の届出

    PSマークが必要な輸入事業を行う場合は、事業開始日から30日以内に管轄の経済産業局に届け出てください。

    届出申請フォームは経済産業省のHPからダウンロードできます。

    参考:経済産業省 > 電気用品安全法 > 届出・手続の流れ

    届出は、個人事業主でも法人でも事業者なら出来ますよ。

     

    自主検査

    製品が日本へ到着したら、専門機関に検査を依頼します。

    検査項目は、「外観」「出力電圧」「絶縁耐力」「通電確認」などです。

    参考:PSEインフォメーションセンター

    承認されると、ようやくPSEマークを表示することができます。PSEマークの印字は中国側の工場で事前に行っていても構いません。

     

    適合性検査

    中国で製造した製品であれば、工場や代行業者へ適合性検査を依頼してください。

    当該製品が日本国の基準を満たす(=適合)仕様であれば、「適合証明証」が発行されます。

    適合証明証発行の審査期間は、代行業者が詳しいです。自力で探すのはなかなか難しいですし、工場も知らないことが多いです。

     

    PSEマークを作成し製品に貼付もしくは印字

    参考:経済産業省 > 製品安全に関する諸制度 > 事業者の義務 > 表示の方法

     

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    PSEマークが必要になるタイミング

    中国輸入における商品の流れは次のとおりです。

     

    1. 代行業者(または店舗)
    2. 中国運送業者
    3. 中国税関
    4. 日本税関
    5. 日本運送業者
    6. 納品先

     

    PSEマークの表示は、日本の消費者を守るためのものです。

    つまり、日本税関を通関する時点ではPSEマークが無くとも問題になりません。

    日本で販売するまで(エンドユーザーの手に渡る前まで)に取り付けていればokです。

    PSE認証検査は中国でおこない、PSE表示は日本でおこなう企業もあります。

     

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    PSEマークを表示しなかった場合の罰則

    電気用品安全法には罰則規定もあります。

    PSEマークが表示されていない電気用品を販売したり、販売の目的で陳列したりすると、法人、個人でそれぞれ次のような罰則があります。

     

    • 法人の場合:1億円以下の罰金
    • 個人の場合:1年以下の懲役又は100万円以下の罰金

    アマゾンやメルカリなどで、電気用品安全法に違反している出品も散見されますね。

     

    法律 詳細 罰則
    電気用品安全法第57条
    • 電気用品安全法の事業者の義務を履行しないでPSEマークの表示をした場合。
    • 技術基準に不適合なものとして表示を禁止されたものにPSEマークの表示をした場合。
    • PSEマークの表示の無い電気用品を販売又は販売のための陳列をした場合。
    • 電気事業者、自家用電気工作物設置者、電気工事士等が行う電気工作物の設置又は変更にPSEマークの表示がない電気用品を使用した場合。
    1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金、又はこれを併科。
    電気用品安全法第58条
    • 製造事業又は輸入事業の届出をしなかった場合、虚偽の届け出をした場合。
    • 技術基準の適合検査を行わなかった場合、検査記録を作成しなかった場合、虚偽の検査記録を作成した場合。
    • 検査記録を保存しなかった場合。
    • 特定電気用品の適合証明書の交付を受けていない場合、適合証明書を保存しなかった場合。
    • 経済産業大臣から求められた報告に対して報告しなかった場合、虚偽の報告をした場合。
    • 立入検査において検査を拒んだ場合、妨げた場合、忌避した場合、質問に対して理由なく陳述しない場合、虚偽の陳述をした場合。
    30万円以下の罰金。
    電気用品安全法第59条 法人の代表者、法人、代理人、使用人その他の従業員が、その法人の業務に関して違反行為を行った場合は、法人に対して罰金刑が課せられます。 第57条第58条に準じる。
    電気用品安全法第60条
    • 届出事業者が事業の承継の届出、変更の届出、廃止の届出をしない場合。
    • 虚偽の届け出をした場合。
    20万円以下の罰金。

    参考:経済産業省 > 電気用品安全法逐条解説へのリンク

     

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    PSEマークに関する窓口

    PSEマークの届け出方法や丸と角どちらに該当するかなど、わからないことがありましたら経済産業省へ確認するのが確実です。

    代行業者へご相談される場合は、たとえば、中国のCE認証が取れるかや中国品質認証センター(CQC)で適合性検査をお願いできないかという内容であれば対応できることが多いです。

    ただし、PSEマーク全般については、日本の管轄町長である経済産業省へお尋ねいただくのが確実です。

     

     

    当社では、中国の生産工場が特定できればCE認証確認を取ることもできます。

    OEMやODMなら確実に確認を取ることができます。

    お気軽にご相談下さいませ。

     

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    結論:コンセント付き家電製品を販売するときは、PSEマークの表示が必須!

    まとめます。

    • PSEマークを表示する目的は、安全性と人命を守ること。
    • PSEマークの種類は、丸と角の2つ。
    • 中国に、偽物のPSEマークが表示された製品もあるが、マークの近くに輸入者名が記載されているかで真偽がわかることもある。
    • PSEマークの届け出手順は、経済産業省のホームページを確認したり、個別案件として電話で問い合わせるのがベスト。

     

    本日もお読みいただき、ありがとうございました^^

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