こんにちは!
中国輸入代行「誠」のパンダ社長こと酒井(@makoto1688)です^^
このような疑問にお答えします。
▼価格設定や利益率に関するtweet▼
無在庫。売れてから仕入れるからリスクがない。というのはキャッチですよ。厳密には、「有在庫に比べて在庫リスクが少ない」という意味です。無在庫でも、販売する前のステップは有在庫と同じです。商品登録をし、売価設定をしますね。売れたとしても、売価設定を間違えると赤字になることもあります
— パンダの社長(酒井隆太)@中国輸入代行「誠」 (@makoto1688) June 2, 2022
この記事は、長年、貿易仲介業を営むパンダ社長が書いています。
それでは見ていきましょう。
(タップできる)もくじ
無在庫転売での価格設定の考え方
売価から売上原価を引いたものが利益です。
商売は、利益のためにおこないます。
輸入ビジネスは、慈善事業ではないのでやっぱり利益を出してなんぼです。
利益は、売価と売上原価の相関関係にあります。
そして、この相関を理解することが利益が出しやすくなるポイントです。
利益 = 売価 ー 売上原価
売価とは、販売価格です。
売上と呼んでも構いません。
売上原価とは、売るために直接的にかかった費用です。
売価を設定するには、売上原価を出来る限り正確に把握することが極めて重要です。
なぜなら、販売する前に仕入が先行するからです。
つまり、売上原価を把握することは利益を生み出す源泉になります。
売上原価の管理。エクセルなどでしっかりできていますか?
ちなみに、無在庫は購入者が購入してから仕入れますが、購入よりも先にあなたは商品ページに売価を設定しています。
その次に購入(=売上)というステップになるので、無在庫でもやっぱり売上原価の把握が重要なんですね。
詳しくみていきましょう。
無在庫転売での7つの売上原価
中国輸入での無在庫販売では、次のようなものが売上原価です。
売上原価とは、その商品を売るために直接かかったコストのことです。
自身でエクセルで次の項目の欄を作り、売上原価を正確に出来る限り把握するようにしましょう。
次の7つの合計が売上原価になります。
- 月額利用料
- 商品代
- 中国国内送料
- 代行手数料
- 国際送料
- 検品代
- その他オプション費用
「商品代」は「商品を仕入れた価格」だけではない
前述した7つの売上原価のうち「商品代」について解説します。
商品代とは「商品を仕入れた価格」だけを指すのではありません。
為替手数料や関税通関手数料など、商品を購入する際にかかる費用も含みます。
為替手数料とは、輸入代行業者に支払う費用です。
代行業者に商品の仕入れを代行してもらう際、こちらからは代行業者に商品の代金を日本円で支払い、代行業者は中国の販売サイトに元で支払います。
このとき両替にかかる費用が為替手数料です。
ほとんどの代行業者は為替レートに為替手数料を上乗せして計算します。
たとえば、商品代50元、為替レート1元=20円、代行業者が設定する為替手数料が1円の場合は、以下のような計算で代行業者に支払う商品代が求められます。
為替手数料の相場は0.5~1.0元です。
中には為替手数料を請求しない代行業者もいますが、その分送料が割高に設定されていることもあるので気をつけてください。
関税にかかる費用については、少々複雑です。
知らずにいると困るケースもあるため、中国輸入業を本気で続けるならば、きちんとした知識を持っておくことをおすすめします。
次の記事も参考にどうぞ。
国際送料は決まっている
中国輸入の無在庫販売では、上記7つの売上原価があります。
その中で、注文の前から決まっている売上原価は国際送料です。
なぜなら、無在庫では、小型包装物の料金が適用されることがほとんどだからです。
以下、小型包装物での国際送料の例です。
当社のケースです。
プラン名 | 0~500g | 以降500gごとに |
無在庫OCS | 50元 | +15元 |
無在庫ヤマト | 55元 | +18元 |
たとえば、OCSの場合、どんなに軽い商品でも、少なくとも50元がかかることがわかります。
つまり、売上原価として少なくとも50元(=約1,000円)が生じます。
そのため、無在庫で利益を出すためには、価格は少なくとも1,000円以上が必須になります。
代行手数料も決まっている
7つの売上原価の中で、注文の前から決まっている売上原価がもう1つあります。
それは、代行手数料です。
中国輸入の無在庫の代行手数料の相場は、15元/点(300円/点)です。
つまり、国際送料と合わせると売上原価は少なくとも1,300円が生じます。
無在庫転売での価格設定の方法
エクセルに7つの売上原価の欄を作成し、7つの合計欄を作成してください。
7つの合計欄が、売上原価の合計になります。
- 月額利用料
- 商品代
- 中国国内送料
- 代行手数料
- 国際送料
- 検品代
- その他オプション費用
売上原価が確定すれば(ある程度予測できれば)、価格設定まであと一息です。
あとは、「利益率」を採用するのか、または「利益額」を採用するのか決めてください。
たとえば、利益率50%がほしい人なら、売価の欄には売上原価の2倍の金額を設定する計算式を入れておけばよいです。
また、利益額が1,000円をほしい人なら、売価の欄には売上原価+1,000円の計算式を入れておけばよいです。
大事なのは、売上原価をある程度現実に近い数字で予測する力です。
利益率なのか利益額なのかは自身で決めれば、自ずと売価が決まります。
- 売上原価を確定する
- 「利益率」を採用するのか、または「利益額」を採用するのか決める
- 「利益率」または「利益額」から逆算し、売価を決定する
【補足です】
初心者の場合、売上原価の予測は外れるものです。
ベテランでも外すときもあります。
売上原価の予測を外す原因は、国際送料の追加料のことが多いです。
「Tシャツであれば300g」といった感じで、経験を蓄積しエクセルの試算表に反映・更新することで、精度を上げていくしかありませんよ。
補足:売上原価としての月額利用料について
月額利用料も売上原価の1つです。
ただし、月額利用料は商品ごとに生じるものではありません。
そのため、売上原価として月額利用料をどのように処理すればよいのかと思う人もいるかもしれません。
1つの考え方として、月間の販売点数を予測し、月額利用料を販売点数で割り、結果を商品ごとの月額利用料とする。というものがあります。
しかし、この考え方ですと、中国輸入が初心者の人は、販売実績がないため予測することができません。
初心者は、月額利用料がかからない代行を選択することで、この問題を解決することができます。
仮に月額利用料が2万円の代行を利用した場合、あなたは売上2万円では赤字です。
月額利用料を除く月間利益が2万円以上ないと黒字になりません。
無在庫をはじめる人は、月額利用料が無料の代行を選ぶべきです。
慣れてきたら気にするべき指標
無在庫販売に慣れて価格設定がわかってきたら、さらに次のような指標についても注視してください。
より利益を生む価格設定ができるようになりますよ。
粗利率
粗利率(あらりりつ)は商品の収益性を確認するもっとも単純な計算方法で、「いくら売れたのか」ではなく「いくら儲かったのか」が分かります。
計算式は次のとおりです。
商品投下資本粗利益率
商品投下資本粗利益率は、商品代への投資がどれだけ売上に繋がっているかを見る数値です。
アルファベットでGMROI(Gross Margin Return On Inventory Investment)と表記されます。
計算式は次のとおりです。
商品回転率
商品回転率は在庫回転率とも呼ばれます。
一定期間内に商品がどの程度入れ替わったかを表す数値です。
回転率が高いほど、商品が倉庫を出入りするサイクルが速く、低いほど商品が倉庫に長く留まっているといえます。
計算式は次の2種類です。
- 金額で計算するケース
商品回転率=期間中の出庫金額÷期間中の平均在庫金額 - 個数で計算するケース
商品回転率=期間中の総出庫数÷期間中の平均在庫数
交差比率
在庫からどれほど利益を上げているのか、投資効率を見るための数値が交差率です。
在庫管理を適正に行うために活かせます。
計算式は以下のとおりで、儲かっている商品であると判断できる目安は200%以上とされています。
交差比率=商品回転率×粗利率
まとめ
- 無在庫での価格設定の考え方
①利益=売価-売上原価
②売価を設定するには、売上原価を出来る限り正確に把握することが極めて重要 - 無在庫での価格設定の方法
①売上原価を確定する
②「利益率」を採用するのか、または「利益額」を採用するのか決める
③「利益率」または「利益額」から逆算し、売価を決定する
ご質問、いつも歓迎です!
本日もお読みいただき、ありがとうございました^^