
こんにちは!
中国輸入代行「誠」の代表のじょに(こと酒井)です^^
「課税申告価格(=invoiceに表記の価格)が1万円未満の場合、免税になる」ことは、比較的よく知られています。
一方で、「課税申告価格が20万円以下の場合、簡易税率が適用される」ことをご存じの方は多くはないようです。
最近でも、当社をご利用のお客様へ簡易税率の話をしますと、下記のような反応をいただくことがありました。
「そのような制度があったのですね!」
「・・・今まで全然気にしていませんでした~。」
「それならそうと早く教えてくださいよ!」
「たまに、思っていたよりも関税が安い時があったのですよね~。」
「20万円前後の時はこれから注意します!」
結論から言いますと、「課税申告価格が20万円以下の場合、簡易税率が適用される」という事実だけを知っていればokなのですが、今回は、簡易税率が適用となった場合、どれくらいの税率がお得になるのかについて見ていきます。
この記事の目次
課税申告価格が1万円以下の免税について
課税申告価格、つまりinvoiceに記載の申告価格が1万円以下ですと、「関税」と「消費税」が免税になるというルールがあります。
「関税」が免税になると思われている方も多いのですが、実際のところは「消費税」も免税になります。
一方、「地方税」や「酒税」「たばこ税」は免税にならないのでご注意ください。
免税にならないケース1)「合計金額」が1万円未満です!
たとえば、invoiceを10通に9千円ずつにわけて発送すれば免税になる。というわけではありません。
同じタイミングで10個の貨物(輸出元が同じ情報で発送先も同じ情報)が届いた場合、10通まとめて9万円の通関書類として関税を算出します。
また、EMSをはじめとする郵便物(小型包装物)は、商品1点ずつではなく1梱包の中に入っている商品の合計金額に対し、判断することになります。
1点が1千円であっても、1梱包の中に20個(=20千円)分の商品が入っていれば、免税の対象とはなりません。
免税にならないケース2)免税とならない品目もある!
アパレル無在庫でご利用のお客様より、たまに「関税がかかった!」という話を聞くことがありますが、以下のような品目は免税の対象外です。
- 革製カバン
- ハンドバッグ
- Tシャツやセーターなどの編み物 ※ 織り物は免税
- 革靴
アパレル無在庫をはじめた頃ですと、レディース服やドレスを主な品目として仕入れられることが多いかと思いますが、だんだん慣れてきますと、小物の取り扱いも始めたくなる方も多いようです。
特に上記に記載した品目は関税がかかりますので、利益計算や売価設定、関税の支払い方法など予め検討された上で取り扱われることをオススメいたします。
簡易税率の区分は7つ
簡易税率の区分は、税率ごとに大きく分けて7つに分けられています。
詳しくは、税関ホームページの「総額20万円以下の貨物の簡易税率(一般輸入貨物、国際郵便物)」をご参照ください。
以下、中国個人輸入ビジネスでよく取扱いがある品目を例にとり、簡易税率について見ていきます。
第4区分(食品・アパレル製品)の関税率は10%
中国個人輸入ビジネスにおいて、輸入許可の申請なしで取扱いできる品目に黄色の網掛けをしています。
第4区分ですと、アパレル系の品目が簡易税率10%の対象になります。
たとえば、(13)メリヤス編物及びクロセ編物の代表として、「女性向けのドレス」(HSコード: 6104.43-010)が上げられます。
税関のホームページの税番の欄に、上記HSコードをコピーして検索してみますと、
関税率が、「基本16.8% 、 協定10.9% 、 特特Free」ということがわかります。
課税価格20万円以上で申告する場合(=輸入する場合)はWTO協定税率の10.9%が適用されますから、簡易税率が適用されると0.9%安い関税率で通関できることになります。
第5区分(植物・工業生産品・金属・生活日用品)の関税率は3%
中国個人輸入ビジネスにおいて、よくある品目に黄色の網掛けをしています。
第5区分ですと、日用品の品目が簡易税率3%の対象になります。
たとえば、工具の代表として、「工具を収納するプラスチックケース」(HSコード: 3926.90-029)が上げられます。
税関のホームページの税番の欄に、上記HSコードをコピーして検索してみますと、
関税率は、「 基本5.8% 、 協定3.9% 、 特恵Free」ということがわかります。
課税価格20万円以上で申告する場合(=輸入する場合)はWTO協定税率の3.9%が適用されますから、簡易税率が適用されると0.9%安い関税率で通関できることになります。
第7区分(その他)の関税率は5%
第7区分は、第1~第6区分以外の品目が簡易税率5%の対象になります。
具体的に「これです!」といった品目が思いつかないのですが、WTO協定税率が5.9%前後の品目だった場合に、第7区分が適用になる可能性が高いです。
まとめ
自身が取り扱っている品目が1種や2種であれば、どの区分の簡易関税率が適用となるかはある程度予測がつきます。
しかし、品目数が多く申告金額が20万円以下のような方ですと、品目調査に時間をかけた割には実際にかかった関税と結構違った。なんてことも往々にして起きます。
HSコードを自力で正確に特定するのはなかなか難しいですし、貿易実務の経験も必要になりますからね。(当社は、invoiceにHSコードを記載しています)
「簡易税率という制度がある。適用されると約1%くらいの税額が抑えられる。」
簡易税率については、上記のような感覚を持っているくらいでよいかなとわたしは思いますよ。(輸入ビジネスを行う上での基礎知識といった程度でok!)
本日もお読みいただき、ありがとうございました^^