
こんにちは!
中国輸入代行「誠」の代表のじょに(こと酒井)です^^
皆さんは、「代行業者」へ下記のような問い合わせをなされたことはありませんか?
「タオバオ店舗から貴社倉庫までの送料(=中国国内送料)はいくらくらいかかりますか?」
実はこのお問い合わせ。なぜか当社では、2019年になってくらいからよくいただいているのですよね。
・・・なぜでしょうね。。
中国国内送料に関連したテーマは、これまでに何度かこのブログ記事でも取り上げてはいますが、「中国国内送料」関連のお問い合わせが増えている背景の考察も含め、今回は改めて、「中国国内送料」について解説したいと思います。
この記事の目次
問い合わせする=知りたいから
「代行業者」への問い合わせに関わらず、問い合わせる理由は、「単純にそれについて知りたいから」に他になりません。
つまり、「中国国内送料」に関するお問い合わせが増えているという事実は、「中国国内送料について知りたいニーズがある」ということになります。
それではなぜ2019年頃から、「中国国内送料」に関するお問い合わせが増えているのでしょうか。
2019年は「代行業者」の料金体系に変化があった年!
おおよその中国輸入代行業者の料金体系は、下記に示す通りです。
「商品本体代」(※1)と「中国国内送料」は店舗表示価格ですから実費請求となり、さらに簡単のために有料オプションを付けない場合を想定しますと、「代行業者」へのインカムは「代行手数料」と「国際送料」の2つになります。
「貿易エージェント」に対し後発となる「代行業者」(2010年頃から出現)は、「貿易エージェント」の商習慣をそのままに、「手数料」と「国際送料」の2項目を頂戴する(※2)のがしばらくはスタンダードでした。
その状況が一変し始めたのが2019年頃で、「代行手数料」と「国際送料」以外にもさまざまなキャッシュポイントを「代行業者」が設定するようになりました。
「代行業者」にとってのキャッシュポイントが増えた背景
中国国内の地価や人件費はこの10年で急激に伸び、そして現在も伸び続けています。
地価が上がれば「代行業者」は今まで以上に家賃を支払わなければなりません。
また、人件費が上がれば「代行業者」は今まで以上に給与を支払わなければなりません。
そのような中で、商品やサービスを提供する側としては、売価は経営努力によりできる限り据え置きしたいところではありますが、「代行業」に関わらず、原価や販売管理費が上昇すれば、①上昇分を売価に乗せる、②従来の売価を維持しながら新たなキャッシュポイントを用意する、③①と②を同時に実行する。⓸廃業(※3)のいづれかを選択することになります。
そして、ビジネスを行う上で、キャッシュポイントが多いことに越したことはありません。
そこで、目を付けたのが「中国国内送料を一律でいただく」という考え方(※4)です。
タオバオ≒送料無料
2020年12月現在、タオバオに出店している店舗の中国国内送料の設定は、ほぼ無料(0元)です。
「タオバオ≒送料無料」の計算式がほぼ成り立つくらいです^^
そのような中、大手を含む数十社の「代行業者」の料金表を確認してみますと、「中国国内送料」として一律10元~20元を科している「代行業者」が多く存在していることがわかります。
「中国国内送料」について「国際送料」ほど意識している方は果たしてどれくらいいらしゃるのでしょうか。
それでいて、意図してかは全く不明ですが、料金表には注意書き程度で記載していることもあり、ユーザーにとっては幾分わかりずらくなっているようにも感じます。
+10元のインパクト
たとえば、貴店が「代行業者」選定基準の1つとして注目していた「国際送料」の最安値が、調査の結果、500g=50元だったとします。
「これで利益を出しやすい環境に前進した!」
と思いきや、請求書を確認すると中国国内手数料として10元が請求されている。。
「国内送料」と「国際送料」を送料のくくりで考えますと、実質60元(=50+10)の送料で取引していることになります。
現に、上記のような想定以上の送料が請求されていた経験をなされた方は多いはずですし、これが2019年以降「中国国内送料はいくらくらいかかりますか?」の問い合わせが増えている背景ではないかと推察しています。
「代行業者」が「中国国内送料」を一律10元科したいもう1つの背景
「代行業者」にも事情があります。
当社も「代行業者」ですから、中国国内送料手数料(とでもいいましょうか)を科したい気持ちを理解できなくはありません。
というのも、2019年頃だったと思いますが、タオバオ店舗への返品期限が従来の10日から1週間へ変わった(※5)ことも要因の1つかと推察します。
返品期限が短くなりますと、「検品→不具合→貴店へ対応確認」までのリードタイムが短くなり、貴店からの返信を待っている間に返品期限が過ぎ、状況に応じやむを得なく商品代を「代行業者」側で負担するようなケースも多くなります。
また、「タオバオ=送料無料」と言いましても、中には有料の店舗もあったり、同じ商品の複数点購入により無料では配送できなかったり、といったことも起き、貴店との取引ごとに「中国国内送料」を確認することは、代行業者(システムがあってもタオバオ側のシステムがアナログすぎ!)にとって非常に手間と時間を要す作業になります。
上記のような背景にもそれぞれの「代行業者」の事情に相まって、2020年12月現在では「中国国内送料」を一律で科すことがスタンダードになりつつあります。
「中国国内送料」以外にもあるキャッシュポイント
「中国国内送料」以外にも、特に最近見過ごしそうなキャッシュポイントがいくつかあります。
1つは、「発送手数料」です。
「発送手数料」は2020年に入ってよく目にするようになりました。
商品代の10%程度を国際発送に要する手数料としていただくというものです。
平均的な「代行手数料」が6%前後で、これに「発送手数料」として10%が乗ることになりますから、貴店は「代行業者」に対し合計16%程度の手数料を支払うことになります。
つまり、これまで存在しなかった「発送手数料」が生じることで、純粋に貴店の利益が10%下がる。ということになります。
その他にも、「月額利用料」「荷受手数料」「倉庫保管管理手数料」「海外送金手数料」といった手数料を科している「代行業者」もあるようです。
中国輸入代行「誠」の「中国国内送料」の設定
最後に、当社の「中国国内送料」について記します。
結論から言いますと、「中国国内送料」は実費請求です。
「タオバオ」「アリババ」その他モールや工場に関わらず、店舗や工場が設定している送料をそのままご請求させていただいています。
ですから、当社の場合は、多くの店舗が送料無料の「タオバオ」で買付を行いますと、ほぼほぼ「送料無料」ということになります。
注意としては、検品時に不具合が生じ、店舗へ返品・交換することになった場合に限り一律30元をいただいている。ということです。
中国では、不具合の責任が店舗にあった場合でも返送料は購入者が負担することが多く(そのような商習慣がまだまだわたし自身も理解できていないのですが^^;)、当社倉庫から店舗への返送料は購入者負担(=貴店負担)となり、加えて再梱包や発送手配に要する手数料も含め、当社では一律30元とさせていただいています。
不具合品でない限り、この一律30元は発生しませんが、補足として触れておきます^^(この部分だけをフォーカスなされても困ってしまいますが。。^^;)
まとめ
いかがでしたでしょうか。
わたしは創業より、「代行業者」がお客様に選ばれるポイントは、「明朗会計な料金体系」「最短リードタイムでの配送スピード」「検品精度の向上」の3つとして、サービスを提供してきました。
他にも、「カスタマーサポートの円滑化」「有料オプションの拡充」「注文システムの利用しやすさ」「不具合品の保証制度拡充」など、お客様が重要視しているポイントはあることは承知の上、その中でも上記3項目を現在も徹底意識して経営しています。
その中で、「中国国内送料」について言いますと、実際に中国国内で送料が生じているのであればお客様へご請求させていただきますし、生じていないのであればご請求の必要がない。と考えています。
繰り替えしになりますが、わたし自身は「代行業者」ごとの事情も全くわからないわけではないですし、むしろ同業者として理解・共感できる部分が多いのです。
ただし、タオバオで購入した場合は、実際には「中国国内での送料は生じていない」ことが多い訳ですから、名称は「中国国内送料」ではなく、一律10元でも構わないので何か他の名目で科し(そしてハッキリと明記する)のが納得性が高いのではないかと思うのです。
たとえば、「国際送料50元、中国国内送料10元として計60元」を請求するのではなく、「国際送料60元、中国国内送料0元の計60元」として実態に伴う表記の方が、双方気持ちよく取引が続けられるのではなでしょうか。
うまくまとめることができませんが、「中国国内送料」の存在を改めて把握いただき、「代行業者」選定のポイントの1つとして着目なされてみてはいかがでしょうか。
本日もお読みいただき、誠にありがとうございました^^