
こんにちは!
中国輸入代行「誠」の代表の酒井(@makoto1688)です^^
このような悩みにお答えします。
中国輸入で通関を早くしたいと思ったことはありませんか。個人事業主は、税関輸出入者コードを取得する。法人は、法人番号やJASTPROコードを取得する。これで通関が少し早くなります。さらに法人は、NACCSのリアルタイム口座へ登録することで、通関時に関税引落ができ、さらに通関が早くなりますよ
— パンダの社長(酒井隆太)@中国輸入代行「誠」 (@makoto1688) December 25, 2021
この記事は、長年、貿易仲介業を営むパンダ社長が書いています。
▼この記事でわかること▼
海外から輸入した荷物は、日本の税関で通関検査を行います。
通関検査をスムーズに行うには、輸入事業者として登録申請しておくことをオススメします。
輸入事業者として登録があると、日本での通関が1~2日早くなります。
この記事では、通関区分や輸入事業者の登録申請方法を紹介します。
また、最後に無在庫で通関する際の注意点にも触れています。
それでは見ていきましょう。
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通関における5つの審査区分
日本での通関には、通関審査区分が5つあります。
通関審査区分により、通関のスピードが変わります。
5つの区分は下記のとおりです。
- 区分1・・・簡易審査扱い
- 区分2・・・書類審査扱い
- 区分3・・・検査扱い(見本検査)
- 区分4・・・検査扱い(一部検査)
- 区分5・・・検査扱い(全検査)
区分1は、物量が相当あって、毎回同じ品目を申告している人(企業)の荷物です。
たとえば、毎月コンテナ輸送している場合はこれに当たる可能性が高いです。
個人輸入規模ですと、区分2~区分5です。
invoiceに記載のHSコードが輸入不可品目のコードであったり、invoiceの課税申告価格と物量が一致しないと税関が判断すると、区分3~区分5になります。
また、通関スピードは、区分1→区分5の順に遅くなります。
区分1は、輸入許可通知書に記載の関税を支払えば審査なしで通関できます。
区分3~区分5はまとめて検査扱いと呼ばれています。
- 区分1・・・審査を必要としない通関です。
- 区分2・・・invoiceで審査を行う通関です。
- 区分3・・・箱を開けず見本審査を行う通関です。
- 区分4・・・いくつかの商品のみをピックアップして審査を行う通関です。
- 区分5・・・すべての商品の審査を行う通関です。
詳しくは、日本貿易振興機構(JETRO、ジェトロ)のサイトを参考にしてみてください。
参考:JETRO > 輸入における税関の書類審査と現物検査:日本 へリンク
通関を最速にする方法
最速に通関するには、区分1で通関することです。
区分1で通関するためには、3つの条件があります。
- 同一品目の輸入実績がある。(かつ、同一品目の物量がコンテナ単位であると区分1になりやすい)
- 輸出入者コードを所有している(税関輸出入者コードまたは法人番号またはJASTPROコード)
- NACCSでリアルタイム口座を開設している
実際には、その時々の税関担当者が判断しますが、上記条件が揃っていれば最速で通関できます。
税関担当者と何度かやり取りしてツーカーになっていると、何かの時には対応が早くなります。
また、輸出入者コードをNACCSに登録しておくと、通関時に通関士が過去の輸入履歴などを確認することができるため通関がスムーズになります。
以下、輸出入者コードやNACCS、リアルタイム口座などの貿易用語について解説します。
詳しくみていきましょう。
税関輸出入者コード
2017年10月より「法人番号」があれば「税関輸出入者コード」が不要になりました。
つまり、株式会社や合同会社などの法人格であれば、「税関輸出入者コード」は不要で、「法人番号」で申告することができます。
一方、個人や個人事業主の場合は、引き続き、「税関輸出入者コード」を取得することができます。
「税関輸出入者コード」の発給申請は、次のページからできます。
参考:税関 > 税関輸出入者コードの新規申請手続 へのリンク
法人番号
法人番号は、法人を設立したときに国税庁から割り当てられる13桁の番号です。
輸入申告・輸出申告等の税関手続きの場合は、法人番号の13桁に加えて、末尾に4桁の本支店コードが加わります。
次の税関サイトを参考にどうぞ。
参考:法人番号をお持ちの方のNACCSでの輸出入者コードのご利用について
JASTPRO(ジャストプロ)コード
JASTPRO(ジャストプロ)コードとは、12桁の日本輸出入者標準コードのことです。
(財)日本貿易関係手続簡易化協会(JASTPRO)が発給し、年3,000円くらいかかります。
当社も、JASTPRO(ジャストプロ)コードを持っています。
法人番号で通関できることを知らない中国側の税関担当や通関業者がたまにいて、JASTPROコードと法人番号の両方をinvoiceに記載しています。
中国側とのやり取りが減るので、これだけでも通関が早くなります。
申請方法は、次のサイトを参考にどうぞ。
参考:(財)日本貿易関係手続簡易化協会 > 初めてのコード登録
NACCS
NACCSとは、通関手続きをオンラインで行うシステムのことです。
NACCSへは無料で登録できます。
NACCSへの登録方法は、残念なことに簡単ではありません。
そのため、次のページより電話でお問い合わせるのが早いです。
問い合わせる内容は2つです。
- 輸出入者としてNACCSを利用したい
- リアルタイム口座を利用したい
親切で面倒見がよいおじさんがサポートしてくれます。
お姉さんが電話に出るときもあります。
利用者登録からリアルタイム口座の開通まで1~3ヵ月を要します。
PCへアプリケーションをインストールしたり各種設定がありますので、問い合わせは平日に行い、作業は休日にじっくり行うことをオススメします。
わたしの場合は、上記2点を電話で伝え、登録までの流れをURLなど含めメールで送ってくれるようお願いしました。
リアルタイム口座
NACCSを通じ、リアルタイム口座が開通すると、関税を自動引き落としで支払いことができます。
着払いしなくていいですし、日本の倉庫直送や会社に経理が不在といった場合に非常にメリットがあります。
また、リアルタイム口座であれば区分1または区分2で通関できることが多く、通関が総じて早くなります。
リアルタイム口座は、法人の銀行口座を利用できます。
個人の銀行口座を利用できるのかはNACCSへご確認ください。
中国輸入で通関を早くするための手順
通関を早くしたいなら、次の2つの書類を用意しておきましょう。
- 法人の場合:法人番号+リアルタイム口座
- 個人の場合:税関輸出入者コード(+リアルタイム口座)
法人の場合は、法人設立時に法人番号が発給されます。
法人番号はすでにお持ちですから、NACCSへ登録し、リアルタイム口座を取得する手続きをおこないましょう。
個人の場合は、少なくとも税関輸出入者コードは取得しましょう。
参考:税関 > 税関輸出入者コードの新規申請手続 へのリンク
上記の書類の準備ができたら、あとはやることは2つです。
- 輸出国のシッパーに連絡する。
- 日本の通関業者へ連絡する。
輸出国のシッパーとは、中国輸入の場合、代行業者です。
invoiceへの輸出入者コードの記載とリアルタイム口座での引き落としであることを伝えてください。
また、日本の通関業者へは、NACCS利用であることと、会社名、輸出入者コードを伝えてください。
せっかく輸出入者コードを取得していても上記の連絡を行っていないと通関スピードに反映しません。
必ず行うようにしましょう。
特に、2.の日本の通関業者への連絡は、中国側からはできませんので、あなた自身が行うことを忘れずに。
補足:無在庫販売での関税について
最後に、中国輸入における無在庫販売での関税の考え方について補足します。
無在庫の場合、1商品で課税価格1万円を越えることは珍しいです。
invoiceに記載する課税申告価格の合計額が1万円以下であれば非課税です。
ただし、次の場合には、無在庫でも課税される可能性があるので注意してください。
- 同梱(=複数商品を1つにまとめて発送する)
- 課税価格1万円以上の商品
- 革製品や靴、編み物など、1万円未満での関税が生じる品目
課税されるということは、通関業者で関税の請求書を作成したり、あなたが支払いしたりと通関を遅くする原因になります。
関税を免税にする方法については、次の記事を参考にどうぞ。
結論:円滑に通関させるには、輸入者コードを取得する!
まとめます。
- 通関区分は5つあり、区分により通関スピードが変わる
- 最速で通関するための最低条件は2つ。「輸出入者コード」と「リアルタイム口座」を取得していること
- 発送前に、輸出国側の通関業者と輸入国側の通関業者へ、「輸出入者コード」と「リアルタイム口座」の情報を伝えておくこと
編集後記
通関が早くなるデメリットはありません。
早く通関できると、商品を現金に換えるスピードも速くなりますね。
通関に精通した当社のような代行業者を通すことで、あなたの中輸入ビジネスを拡大していけることでしょう。
本日もお読みいただき、誠にありがとうございました^^