こんにちは!
中国輸入代行「誠」のパンダの社長こと酒井です^^
ずばりこの疑問にお答えします。
▼有在庫物販の決算に関するtweet▼
個人事業主は12月決算です。法人成りしたばかりの法人も12月のことが多いです。有在庫系の物販では、期首の在庫金額が誤っていると、当期の利益にそのまま直結します。遅くとも確定申告の3月までには、前年12月末時点の正しい在庫金額を把握(=棚卸)しておきましょ。早い方がよいです
— パンダの社長(酒井隆太)@中国輸入代行「誠」 (@makoto1688) January 26, 2022
この記事は、長年、有在庫での物販業を営むパンダ社長が書いています。
それでは見ていきましょう。
(タップできる)もくじ
輸入ビジネスにおける在庫管理の重要性
輸入ビジネスにおいて、在庫管理はビジネスの成長と収益に大きく関わる重要な要素です。
在庫管理が適切におこなわれていない場合、顧客が求める商品が欠品し、販売機会を逃す可能性があります。
また、過剰在庫が発生すると、保管コストが増加し、商品価値が低下するリスクもあるため無駄なコストが発生しやすくなります。
さらに、特に中国輸入では、発注から商品到着までに時間がかかるため、需要予測と発注タイミングを正確に行うことが必要です。
適切な在庫管理は、顧客満足度を向上させると同時に、効率的な運営を実現し、収益を最大化するための重要な基盤となります。
中国輸入で、決算前後で注意しておくべきこと
個人事業主の決算は12月と決まっています。
個人事業主から法人成りした場合も、決算期を変更しない限り12月が決算月です。
なお、この記事は、在庫をもって(=有在庫)で物販をしている人を対象にしています。
中国輸入の事業者が、決算前後に注意しておくべきことは、次の期間での在庫金額です。
なぜなら、有在庫での物販は、在庫金額が最終利益を決定付けるためです。
もう少し詳しくみていきましょう。
12/30~1/1頃は、中国の公休日
12/30~1/1の間に、12/31というあなたの決算期末が含まれていることを意識してください。
12/31時点の正確な在庫を把握しておく必要があります。
12/31の23:59時点での在庫金額は、あなたの一年間の利益を決めることになります。
経費は、あとからでも集計できます。
在庫金額は、翌日に売上が立ったりすると、時間の経過とともに、だんだん正確に把握できなくなります。
何となく、そうかと思ってもらえればよいです。
わたしは20年以上の物販歴の中で、5年目くらいでようやく在庫金額の把握(=棚卸)の重要性がわかってきました。
1月中旬~2月初は、中国の春節(=旧正月)休み
1月中旬~2月初の間に、1/31という期首である1月の最終日が含まれていることを意識してください。
決算を左右する12/31の在庫金額に比べれば重要度は劣ります。
しかし、期首の売上は当期の売上を予測するのに重要なファクターでもあります。
1/31の23:59時点での在庫金額を把握するようにしてください。
物販の繁忙期は9月~12月です。
後半になるに連れ、売上が上がります。
有在庫物販の売上は、在庫金額に連動します。
物販は、12月の売上を最大化することがテーマであり、そのため、仕入れが増えます。
1月も、12月の名残りで11月や12月の水準で売上が推移することもあります。
結果、12月と1月は、仕入れが増える分、在庫金額のボラティリティ(=変動)が大きくなります。
加えて、決算と期首を跨ぐので、仕入れながら売りながらも、在庫金額をしっかり把握しておくことが求められます。
一月に在庫金額のカウントが漏れやすい理由
前述の通り、中国は、1/31が春節期間にあたります。
月末が休みの月は時に気を付けた方がよいです。
なぜなら、在庫金額が正確にカウントできにくいからです。
どういうことかというと、在庫が必ずしも手元にあるわけではないということに起因します。
会計上は、お金を支払ったタイミングで在庫に変わりますから、あなたの手元になくても、注文した時点で在庫ですよ。ということです。
たとえば、注文後の在庫(=商品)のステータスは次のようなものがあります。
- 商品を注文済の状態
- 商品を店舗から代行業者へ発送中の状態
- 商品が代行業者に到着した状態
- 商品が国際発送された状態
- 商品があなた指定の日本の所在へ到着した状態
5番の状態の商品はカウントしますけれど、1.~4.の状態の在庫をカウントしていない人、結構いるかもしれません。
在庫のカウントが漏れると、現金から在庫に変わった分が消えたことになるので、会計上の利益は本来よりも少なくなります。
カウント漏れがないよう、気を付けてくださいね。
ちなみに、1/31は代行業者が休みなので、カウントの精度が下がるのは仕方ないです。
季節ごとの在庫変動への対処法
季節ごとの需要変動に合わせた在庫管理は、輸入ビジネスにおいて非常に重要です。
特に、季節商品やイベント関連の商品を取り扱う場合、在庫を的確に調整しないと、過剰在庫や欠品のリスクが高まります。
また、在庫不足による機会損失や、在庫過剰による保管コスト増加を避けるため、季節変動に対する計画的な在庫管理が求められます。
ここでは、季節ごとの在庫変動に対応するための具体的な方法について紹介します。
もう少し詳しくみていきましょう。
過去のデータを活用した需要予測
季節ごとの在庫変動に対応するためには、過去の販売データをもとに需要を予測することが有効です。
たとえば、前年同月の売上データを分析し、どの時期に需要が高まるかを把握すること、事前に在庫を確保しやすくなります。
また、特定の季節やイベントに需要が集中する商品であれば、その時期に向けて多めに在庫を確保し売り切れを防ぐことができます。
仕入れサイクルの見直し
季節変動に合わせて仕入れサイクルを調整することも、在庫管理の効率化につながります。
たとえば、通常の仕入れ頻度では対応が難しいほどの需要が予測される場合は、仕入れサイクルを短くすることで在庫が枯渇するリスクを減らすことができます
逆に、需要が落ち込む時期には仕入れ頻度を減らし、過剰在庫を避けるように調整します。
プロモーション戦略の活用
季節ごとの需要変動に合わせて、プロモーション戦略を活用するのも効果的です。
需要が少ない時期には、在庫を効率よくさばくためのセールやキャンペーンを実施し、商品を積極的に販売することで過剰在庫を減らすことができます。
また、需要が高まる時期には、事前に予約販売や先行販売をおこなうことで、どれだけの在庫が必要かを見極める参考にもなります。
プロモーションを計画的に活用することで在庫の回転率を高め、余剰在庫を最小限に抑えることができます。
サプライヤーとの連携を強化
サプライヤーとの連携を強化することで、需要変動に応じた柔軟な対応が可能になります。
季節の変動に合わせて急に発注量を増減させる際、事前にサプライヤーに協力を依頼しておくことで柔軟な調達ができるようになります。
また、サプライヤーから事前にシーズンごとの商品の需要動向を教えてもらうなど、情報共有をおこなうことで、より正確な在庫計画が立てやすくなります。
信頼関係を築き、適切なタイミングでスムーズに仕入れをおこなうことで在庫変動に対応しやすくなります。
在庫管理システムの活用
在庫管理システムを活用することで、リアルタイムで在庫状況を確認し、迅速に対応できる環境を整えることができます。
特に、季節ごとの需要が変動するビジネスでは、在庫状況をタイムリーに把握し、適切な判断を下すためにシステムの活用は非常に重要です。
システムの導入により、在庫の入出庫を自動化できるだけでなく、在庫の推移をグラフ化して視覚的に分析できるため、変動が激しい季節にも柔軟に対応できるようになります。
在庫管理の失敗例
在庫管理はビジネスの成長や利益に大きな影響を与える重要な要素です。
しかし、効果的におこなわれていないと、過剰在庫や欠品といった問題が発生し、売上機会の損失やコスト増加を招くリスクがあります。
在庫管理に失敗する原因はさまざまですが、ここではよくある失敗例を挙げ、その対策について考えていきます。
こうした失敗例を学ぶことで、自身のビジネスにおける在庫管理を見直し、改善につなげることができるでしょう。
詳しくみていきましょう。
需要予測の失敗による過剰在庫
よくある失敗例のひとつに、需要予測を誤った結果、過剰在庫を抱えてしまうケースがあります。
たとえば、セール期間中や季節の変動に合わせて大量に仕入れたものの、予想ほど売れずに在庫が余ってしまうことがあります。こ
の過剰在庫は保管コストの増加を招くだけでなく、商品の陳腐化による価値低下のリスクも伴います。
対策として、過去の販売データを基に需要を慎重に予測し、在庫数を計画的に管理することが重要です。
欠品による機会損失
一方で、在庫が不足し、販売機会を逃してしまう失敗も多く見られます。
たとえば、繁忙期や人気商品の需要が急増する時期に、在庫を十分に確保していなかったために売り切れてしまい、顧客が他店で商品を購入してしまうケースです。
このような欠品はビジネスの信用を損なうリスクもあるため、需要が高まるタイミングを事前に予測し、必要な在庫を確保しておくことが大切です。
仕入れサイクルの見直しや、需要変動に応じた発注計画を練ることが効果的です。
不正確な在庫数による管理ミス
在庫管理の基本である在庫数の正確な把握ができていないと、在庫があると思っていた商品が実は欠品しているといったトラブルが発生します。
このような在庫数の不正確さは、手動で在庫管理をおこなっている際に起こりがちです。
商品が売れた際に在庫数を即座に更新しないことや、入庫処理が適切におこなわれていないことが原因です。
対策として、在庫管理システムを導入し、売上や入庫のたびに自動で在庫数が更新される環境を整えることが有効です。
サプライチェーンの遅延による在庫切れ
サプライチェーンの遅延により、計画していた在庫が確保できず欠品を招くケースもあります。
特に、中国など海外から輸入しているビジネスでは、配送トラブルや輸送遅延によって予定よりも商品が遅れてしまうことがあります。
このようなリスクを避けるためには、仕入れ計画を早めに立てる、サプライヤーとの連携を密におこなう、そして複数のサプライヤーを確保しておくといった対策が効果的です。
バックアップ体制を整えることで、サプライチェーンの遅延による在庫切れリスクを最小限に抑えることができます。
季節商品の需要読み違いによる損失
季節商品を取り扱う場合、シーズン終了後に大量の在庫が残ってしまう失敗例も少なくありません。
たとえば、夏季の人気商品を大量に仕入れたが、販売シーズンが終了すると一気に需要がなくなり、結果として在庫が余ってしまうことがあります。
季節商品は需要が一時的であるため、過剰な仕入れにはリスクが伴います。対策として、事前に予約販売をおこなって需要を把握し、適切な在庫数を確保することが有効です。
また、シーズン終了が近づくとセールを実施するなど、在庫を効率よくさばく工夫も必要です。
補足:決算期に、在庫を水増しすると利益が増える理由
ここからは、少し難しくなるかもです。
お腹いっぱいの人は、「12/31と1/31に在庫をカウントする。」これだけを覚えていただければokです!
売上原価 = 期首在庫金額 + 期中仕入金額 - 期末在庫金額
- 期首在庫金額:会計年度の開始日にあった在庫の総額のこと。(12月決算であれば、1月1日時点の在庫金額)
- 期中仕入金額:会計年度内に仕入れた商品代の総額のこと。(12月決算であれば、1月1日~12月31日に仕入れた在庫金額の累計)
- 期末在庫金額:会計年度の終了日にあった在庫の総額のこと。(12月決算であれば、12月31日時点の在庫金額)
決算期の在庫を間違えてカウントすると、どのような結果になるか見ていきましょう。
詳しくみていきましょう。
在庫を多くカウントしてしまった場合
期末在庫金額を多くカウントすると、売上総利益が高くなり、決算結果をよく見せることができます。
たとえば、上記の例に対し、次の条件で期末在庫金額を50万円としてカウントしてみましょう。
売上 | 100万円 | 100万円 |
期首在庫金額 | 0円 | 0円 |
期中仕入金額 | 100万円 | 100万円 |
期末在庫金額 | 30万円 | 50万円 |
売上総利益 | 30万円 | 50万円 |
在庫のカウントが漏れてしまった場合
仮に、期末在庫にカウントが漏れてしまった商品があったとします。
すると、本当は数えるべき資産を数えていないかったことで、売上総利益が少なくなってしまいます。
たとえば、上記の例に対し、次の条件で期末在庫金額を10万円としてカウントしてみましょう。
売上 | 100万円 | 100万円 |
期首在庫金額 | 0円 | 0円 |
期中仕入金額 | 100万円 | 100万円 |
期末在庫金額 | 30万円 | 20万円 |
売上総利益 | 30万円 | 20万円 |
中国輸入で在庫をカウントする際の注意点
在庫といっても、商品代だけではありません。
中国輸入の場合、在庫には次のようなものが含まれます。
- 商品代
- 中国国内送料
- 代行手数料
- オプション手数料
- 国際送料
- 関税、輸入消費税、地方消費税
在庫とは、商品代だけではない。ということが重ポイントです。
有在庫で物販ビジネスをやっている人は、注文管理表をエクセルなどで作っていると思います。
注文管理表に上記項目の数字を入力し、在庫数の欄に期末在庫数を入力すれば、期末の在庫金額がわかります。
なお、関税や国際送料は、1点ずつかかるわけではないので、商品代と按分するなどで平均値で算出しておけばokです。
この辺りは、自身でルールを決めておけば特に会計上のルールはありません。
まとめ
- 決算前後の在庫管理は、正確な利益把握と税務対策のために重要。
- 年末までに在庫の棚卸しをおこない、正確な在庫数を確認する。
- 中国の春節期間(1月中旬~2月初)には、仕入れや配送が遅れることに注意が必要。
- 在庫の水増しや削減が利益に影響を与えるため、正確な在庫数の把握を心がける。
- 定期的な在庫確認と棚卸しが、健全な経営のために欠かせない。
ご質問、いつも歓迎です!
本日もお読みいただき、ありがとうございました^^